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【外伝4】 破滅を回避できない悪役令息は初恋に溺れる
09-1.
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月日は呆気なく流れ、七月半ばとなった。
学院は暑い時期になると一か月半の長期休暇となる。入学前、アルフレッドに必ず帰ると約束をした時期になったのにもかかわらず、レオナルドの症状は悪化するばかりだった。
長期休暇は必ず家に帰らなければいけないものではない。
夏場は避暑地として領地に戻る貴族も多い為、それに合わせて学院の授業も一時的に休みになるというだけである。
留学生や帰らなければならない事情のない学生たちは、自由の利く学院に残ることが多かった。特に研究室を与えられるほどに優秀な学生は、この時期は研究に没頭できる最良の時間だと認識している傾向が強い。
「ええ!? レオナルド、帰るのかよ!?」
だからこそ、デュークは大げさに驚いていた。
入学当初から研究室を与えられているレオナルドは帰省しないと思っていたのだろう。
カルミア伯爵家の領地は、首都と気温がほとんど変わらない。
避暑地としては向いていない場所であり、わざわざ帰省しなければいけない理由もデュークには思いつかなかった。
「うるさい」
それに対し、ヒューバートはわかりきったことだと言いたげな顔をしながら、騒いでいるデュークの頭を本で軽く叩いた。
「弟と約束をしたのだろう。こいつは弟に甘いからな」
「あー。なるほど。レオナルド大好きだもんなぁ、あの子。今年でいくつになったんだっけ?」
「バカだな。十四のはずだ」
ヒューバートの返答を聞き、デュークはなんともいえない顔をした。
……言いたいことはわかるけどな。
荷物を鞄の中に放り込んでいたレオナルドは、デュークが無言でレオナルドを見てくるのを感じながら、心の中で同意をした。
「かわいい弟だろ」
「いや。そういうのは、せめて一桁の年齢の子どもじゃねーの?」
「弟は弟だ。俺が入学する時には泣いて嫌がるほどにかわいいやつなんだよ」
レオナルドはアルフレッドをかわいがっている。
入学前の時点でそろそろ身長が抜かされそうになっていたものの、兄に甘える姿は幼い頃と同じかわいいままである。兄弟の中で誰よりも単純でわかりやすい性格をしているのも、かわいいところだった。
学院は暑い時期になると一か月半の長期休暇となる。入学前、アルフレッドに必ず帰ると約束をした時期になったのにもかかわらず、レオナルドの症状は悪化するばかりだった。
長期休暇は必ず家に帰らなければいけないものではない。
夏場は避暑地として領地に戻る貴族も多い為、それに合わせて学院の授業も一時的に休みになるというだけである。
留学生や帰らなければならない事情のない学生たちは、自由の利く学院に残ることが多かった。特に研究室を与えられるほどに優秀な学生は、この時期は研究に没頭できる最良の時間だと認識している傾向が強い。
「ええ!? レオナルド、帰るのかよ!?」
だからこそ、デュークは大げさに驚いていた。
入学当初から研究室を与えられているレオナルドは帰省しないと思っていたのだろう。
カルミア伯爵家の領地は、首都と気温がほとんど変わらない。
避暑地としては向いていない場所であり、わざわざ帰省しなければいけない理由もデュークには思いつかなかった。
「うるさい」
それに対し、ヒューバートはわかりきったことだと言いたげな顔をしながら、騒いでいるデュークの頭を本で軽く叩いた。
「弟と約束をしたのだろう。こいつは弟に甘いからな」
「あー。なるほど。レオナルド大好きだもんなぁ、あの子。今年でいくつになったんだっけ?」
「バカだな。十四のはずだ」
ヒューバートの返答を聞き、デュークはなんともいえない顔をした。
……言いたいことはわかるけどな。
荷物を鞄の中に放り込んでいたレオナルドは、デュークが無言でレオナルドを見てくるのを感じながら、心の中で同意をした。
「かわいい弟だろ」
「いや。そういうのは、せめて一桁の年齢の子どもじゃねーの?」
「弟は弟だ。俺が入学する時には泣いて嫌がるほどにかわいいやつなんだよ」
レオナルドはアルフレッドをかわいがっている。
入学前の時点でそろそろ身長が抜かされそうになっていたものの、兄に甘える姿は幼い頃と同じかわいいままである。兄弟の中で誰よりも単純でわかりやすい性格をしているのも、かわいいところだった。
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