206 / 235
【外伝4】 破滅を回避できない悪役令息は初恋に溺れる
07-5.
しおりを挟む
……数ヶ月以内に死ぬ、か。
悪意のある言葉だ。クリスの言葉を信じたくはないが、体の異変を考えれば、告げられた言葉に真実味がでてくる。
クリスはレオナルドに恋をしている。と、公言している。異様な執着心を抱いており、クリスがレオナルドの死を望んでいるわけではないだろう。
クリスの望みはレオナルドを手に入れることだ。
なぜ、あれほどまでにレオナルドだけが特別なのだと言い続けているのか。レオナルドには理解ができなかった。
……予言の類か? それとも、特異体質?
しかし、レオナルドさえも知らなかった体質をクリスが知っていたのには、妙な話だ。報告をされていない特異体質をクリスが持っていたとしても、レオナルドだけに執着をするのには強い違和感を抱く。
……秋頃まで持つだろうか。
生き延びるためにクリスに縋りつきたくない。
それならば、潔く死を受け入れる。
しかし、レオナルドの判断を誰もが否定するだろう。
「レオ? 大丈夫か?」
「ある程度は落ち着いた」
「それならいいんだが……。変なことを考えてないだろうな?」
ジェイドの言葉に対し、レオナルドは曖昧な笑みを浮かべて誤魔化した。
……俺はどうでもいい。
生きることに執着をしていない。
死を運命として受け入れられるだろう。
……でも、ジェイドは?
ジェイドはレオナルドを愛している。
レオナルドの為ならば、いかなる危険にも手を出すだろう。レオナルドが命を落とす現実を受け入れられるとは、思えなかった。
「魔力中毒の一種だと思う。症状が他人と違うだけだ」
レオナルドは淡々と答える。
「相手を依存させて支配するのが、あいつの特異体質なんだろう?」
「おそらくな。まさか、レオも影響を受けるとは思ってなかった」
「影響というよりは拒絶反応だな」
抱えられながら医務室に向かう最中、レオナルドは思考を働かせる。
……拒絶反応ならば、俺はアレに対する免疫を持っているのかもしれない。
クリスに対抗する魔法薬が成功する可能性があがった。
しかし、それは数か月という期限付きのものだった。
悪意のある言葉だ。クリスの言葉を信じたくはないが、体の異変を考えれば、告げられた言葉に真実味がでてくる。
クリスはレオナルドに恋をしている。と、公言している。異様な執着心を抱いており、クリスがレオナルドの死を望んでいるわけではないだろう。
クリスの望みはレオナルドを手に入れることだ。
なぜ、あれほどまでにレオナルドだけが特別なのだと言い続けているのか。レオナルドには理解ができなかった。
……予言の類か? それとも、特異体質?
しかし、レオナルドさえも知らなかった体質をクリスが知っていたのには、妙な話だ。報告をされていない特異体質をクリスが持っていたとしても、レオナルドだけに執着をするのには強い違和感を抱く。
……秋頃まで持つだろうか。
生き延びるためにクリスに縋りつきたくない。
それならば、潔く死を受け入れる。
しかし、レオナルドの判断を誰もが否定するだろう。
「レオ? 大丈夫か?」
「ある程度は落ち着いた」
「それならいいんだが……。変なことを考えてないだろうな?」
ジェイドの言葉に対し、レオナルドは曖昧な笑みを浮かべて誤魔化した。
……俺はどうでもいい。
生きることに執着をしていない。
死を運命として受け入れられるだろう。
……でも、ジェイドは?
ジェイドはレオナルドを愛している。
レオナルドの為ならば、いかなる危険にも手を出すだろう。レオナルドが命を落とす現実を受け入れられるとは、思えなかった。
「魔力中毒の一種だと思う。症状が他人と違うだけだ」
レオナルドは淡々と答える。
「相手を依存させて支配するのが、あいつの特異体質なんだろう?」
「おそらくな。まさか、レオも影響を受けるとは思ってなかった」
「影響というよりは拒絶反応だな」
抱えられながら医務室に向かう最中、レオナルドは思考を働かせる。
……拒絶反応ならば、俺はアレに対する免疫を持っているのかもしれない。
クリスに対抗する魔法薬が成功する可能性があがった。
しかし、それは数か月という期限付きのものだった。
3
お気に入りに追加
2,429
あなたにおすすめの小説


悪役令息に転生しましたが、なんだか弟の様子がおかしいです
ひよ
BL
「今日からお前の弟となるルークだ」
そうお父様から紹介された男の子を見て前世の記憶が蘇る。
そして、自分が乙女ゲーの悪役令息リオンでありその弟ルークがヤンデレキャラだということを悟る。
最悪なエンドを迎えないよう、ルークに優しく接するリオン。
ってあれ、なんだか弟の様子がおかしいのだが。。。
初投稿です。拙いところもあると思いますが、温かい目で見てくださると嬉しいです!

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)

博愛主義の成れの果て
135
BL
子宮持ちで子供が産める侯爵家嫡男の俺の婚約者は、博愛主義者だ。
俺と同じように子宮持ちの令息にだって優しくしてしまう男。
そんな婚約を白紙にしたところ、元婚約者がおかしくなりはじめた……。

買われた悪役令息は攻略対象に異常なくらい愛でられてます
瑳来
BL
元は純日本人の俺は不慮な事故にあい死んでしまった。そんな俺の第2の人生は死ぬ前に姉がやっていた乙女ゲームの悪役令息だった。悪役令息の役割を全うしていた俺はついに天罰がくらい捕らえられて人身売買のオークションに出品されていた。
そこで俺を落札したのは俺を破滅へと追い込んだ王家の第1王子でありゲームの攻略対象だった。
そんな落ちぶれた俺と俺を買った何考えてるかわかんない王子との生活がはじまった。

シナリオ回避失敗して投獄された悪役令息は隊長様に抱かれました
無味無臭(不定期更新)
BL
悪役令嬢の道連れで従兄弟だった僕まで投獄されることになった。
前世持ちだが結局役に立たなかった。
そもそもシナリオに抗うなど無理なことだったのだ。
そんなことを思いながら収監された牢屋で眠りについた。
目を覚ますと僕は見知らぬ人に抱かれていた。
…あれ?
僕に風俗墜ちシナリオありましたっけ?

言い逃げしたら5年後捕まった件について。
なるせ
BL
「ずっと、好きだよ。」
…長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。
もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。
ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。
そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…
なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!?
ーーーーー
美形×平凡っていいですよね、、、、
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる