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【外伝4】 破滅を回避できない悪役令息は初恋に溺れる
07-2.
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「ふふっ」
クリスはわざと力を入れていなかった。
レオナルドが払い除けるだろうと予想し、そのタイミングに合わせて手を離したのだ。
「レオ君」
クリスは愛おしそうに名を呼ぶ。
「僕、いつでもお薬を作ってあげられるよ? それにね。そのお薬は僕にしか作れないんだよ」
まるで大切なことを教えるかのような口調だった。
……気味が悪い。
一歩、後退する。
クリスと会話をさせられている影響なのだろうか。
吐き気がこみ上げてくる。動くことさえも億劫になるほどに動悸が速くなり、無意識のうちに呼吸数が上がってしまう。
息苦しさを覚える。
それがクリスの魔力による影響なのだろうか。
「……うっ」
激痛が走る。
思わず、レオナルドは自身の胸を押さえる。
動悸が速くなる。心臓が破裂するのではないかというほどに脈を打ち、立っていることさえも困難になってしまう。
……なんだ、これ。
レオナルドは尻もちをつくかのように座り込んだ。
前に倒れなかったのはクリスから逃げようとしたからなのだろう。
……まさか。
激痛の中、思考回路だけは正常だった。
体中を巡る血液の流れが速くなるような錯覚に陥る。
それは魔力の暴走だ。
本来ならば、起きるはずのない魔力の暴走を強制的に引き起こされたことにより、身体が拒否反応を示しているのだ。
それを理解した時には、身体を蝕むような激痛は少しだけ和らいでいた。
「だいじょーぶ? レオ君?」
心配で仕方がないというかのようにクリスは笑顔で手を差し出した。
……魔力中毒。
昨夜、ジェイドが言っていた言葉を思い出す。
他人の心を支配し、依存させる魔力をクリスは持っている。
クリスはわざと力を入れていなかった。
レオナルドが払い除けるだろうと予想し、そのタイミングに合わせて手を離したのだ。
「レオ君」
クリスは愛おしそうに名を呼ぶ。
「僕、いつでもお薬を作ってあげられるよ? それにね。そのお薬は僕にしか作れないんだよ」
まるで大切なことを教えるかのような口調だった。
……気味が悪い。
一歩、後退する。
クリスと会話をさせられている影響なのだろうか。
吐き気がこみ上げてくる。動くことさえも億劫になるほどに動悸が速くなり、無意識のうちに呼吸数が上がってしまう。
息苦しさを覚える。
それがクリスの魔力による影響なのだろうか。
「……うっ」
激痛が走る。
思わず、レオナルドは自身の胸を押さえる。
動悸が速くなる。心臓が破裂するのではないかというほどに脈を打ち、立っていることさえも困難になってしまう。
……なんだ、これ。
レオナルドは尻もちをつくかのように座り込んだ。
前に倒れなかったのはクリスから逃げようとしたからなのだろう。
……まさか。
激痛の中、思考回路だけは正常だった。
体中を巡る血液の流れが速くなるような錯覚に陥る。
それは魔力の暴走だ。
本来ならば、起きるはずのない魔力の暴走を強制的に引き起こされたことにより、身体が拒否反応を示しているのだ。
それを理解した時には、身体を蝕むような激痛は少しだけ和らいでいた。
「だいじょーぶ? レオ君?」
心配で仕方がないというかのようにクリスは笑顔で手を差し出した。
……魔力中毒。
昨夜、ジェイドが言っていた言葉を思い出す。
他人の心を支配し、依存させる魔力をクリスは持っている。
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