37 / 227
第2話 婚約を結んだ悪役令息は引きこもりたくない
01-6.
しおりを挟む
「俺が酒を飲んでなければ!」
「どうしようもないことだろう。過ぎてしまったことは元には戻せない」
「でも! よりによって悪魔に利用されていたなんて!!」
アルフレッドは肩を落とす。
二十歳になり、仲間たちと一緒に酒を飲めると浮かれていたのだろう。
許容量を超えても飲んでしまったのか、酒に弱い体質だったのか、アルフレッドは酒の勢いでジェイドの元婚約者と一夜を過ごしてしまった。
そのことを心の底から後悔しているようにも見えた。
「何度も会っていたのだろう?」
一夜の過ちならば、相手を妊娠させる確率は低かっただろう。
「後悔をするのならば、会うのを止めるべきだったな」
レオナルドの言葉に対し、アルフレッドはなにも言い返せなかった。
「相手はどんな人なんだ?」
「……思い出したくもない」
「何度も会っているのに?」
……脅迫されているのかもしれないな。
一夜の過ちを酷く後悔をしているのは演技ではないだろう。
……調べさせてはいるが、なかなか、相手の正体が掴めない。
伯爵家の密偵が情報を掴めないのは、侯爵家による圧力がかけられている可能性が高いと書かれた調査結果を思い出す。
「会いたくて会いに行っているわけじゃない!!」
アルフレッドは我慢の限界だと言わんばかりに声をあげた。
「騙されたんだ!」
勢いよく話し始めたアルフレッドの頭から手を退かす。
「兄さんたちに知られたくなければ会いに来いって脅された!」
……金銭目的か?
金銭が目的ならば、アルフレッドではなく、伯爵家を脅迫するだろう。
「それなのに彼奴は嘘を吐いた!」
「嘘?」
「そうだ! よりによってレオ兄さんに手を出すなんて!」
話の流れが怪しくなる。
「待て」
レオナルドは感情的になるアルフレッドの言葉を遮る。
「脅迫してきた相手はチューベローズ子爵家ではないのか?」
嫌な予感がする。
レオナルドの問いかけに対し、アルフレッドは首を左右に振った。
「どうしようもないことだろう。過ぎてしまったことは元には戻せない」
「でも! よりによって悪魔に利用されていたなんて!!」
アルフレッドは肩を落とす。
二十歳になり、仲間たちと一緒に酒を飲めると浮かれていたのだろう。
許容量を超えても飲んでしまったのか、酒に弱い体質だったのか、アルフレッドは酒の勢いでジェイドの元婚約者と一夜を過ごしてしまった。
そのことを心の底から後悔しているようにも見えた。
「何度も会っていたのだろう?」
一夜の過ちならば、相手を妊娠させる確率は低かっただろう。
「後悔をするのならば、会うのを止めるべきだったな」
レオナルドの言葉に対し、アルフレッドはなにも言い返せなかった。
「相手はどんな人なんだ?」
「……思い出したくもない」
「何度も会っているのに?」
……脅迫されているのかもしれないな。
一夜の過ちを酷く後悔をしているのは演技ではないだろう。
……調べさせてはいるが、なかなか、相手の正体が掴めない。
伯爵家の密偵が情報を掴めないのは、侯爵家による圧力がかけられている可能性が高いと書かれた調査結果を思い出す。
「会いたくて会いに行っているわけじゃない!!」
アルフレッドは我慢の限界だと言わんばかりに声をあげた。
「騙されたんだ!」
勢いよく話し始めたアルフレッドの頭から手を退かす。
「兄さんたちに知られたくなければ会いに来いって脅された!」
……金銭目的か?
金銭が目的ならば、アルフレッドではなく、伯爵家を脅迫するだろう。
「それなのに彼奴は嘘を吐いた!」
「嘘?」
「そうだ! よりによってレオ兄さんに手を出すなんて!」
話の流れが怪しくなる。
「待て」
レオナルドは感情的になるアルフレッドの言葉を遮る。
「脅迫してきた相手はチューベローズ子爵家ではないのか?」
嫌な予感がする。
レオナルドの問いかけに対し、アルフレッドは首を左右に振った。
110
お気に入りに追加
2,410
あなたにおすすめの小説
買われた悪役令息は攻略対象に異常なくらい愛でられてます
瑳来
BL
元は純日本人の俺は不慮な事故にあい死んでしまった。そんな俺の第2の人生は死ぬ前に姉がやっていた乙女ゲームの悪役令息だった。悪役令息の役割を全うしていた俺はついに天罰がくらい捕らえられて人身売買のオークションに出品されていた。
そこで俺を落札したのは俺を破滅へと追い込んだ王家の第1王子でありゲームの攻略対象だった。
そんな落ちぶれた俺と俺を買った何考えてるかわかんない王子との生活がはじまった。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。
【完】三度目の死に戻りで、アーネスト・ストレリッツは生き残りを図る
112
BL
ダジュール王国の第一王子アーネストは既に二度、処刑されては、その三日前に戻るというのを繰り返している。三度目の今回こそ、処刑を免れたいと、見張りの兵士に声をかけると、その兵士も同じように三度目の人生を歩んでいた。
★本編で出てこない世界観
男同士でも結婚でき、子供を産めます。その為、血統が重視されています。
キスから始まる主従契約
毒島らいおん
BL
異世界に召喚された挙げ句に、間違いだったと言われて見捨てられた葵。そんな葵を助けてくれたのは、美貌の公爵ローレルだった。
ローレルの優しげな雰囲気に葵は惹かれる。しかも向こうからキスをしてきて葵は有頂天になるが、それは魔法で主従契約を結ぶためだった。
しかも週に1回キスをしないと死んでしまう、とんでもないもので――。
◯
それでもなんとか彼に好かれようとがんばる葵と、実は腹黒いうえに秘密を抱えているローレルが、過去やら危機やらを乗り越えて、最後には最高の伴侶なるお話。
(全48話・毎日12時に更新)
普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。
かーにゅ
BL
「君は死にました」
「…はい?」
「死にました。テンプレのトラックばーんで死にました」
「…てんぷれ」
「てことで転生させます」
「どこも『てことで』じゃないと思います。…誰ですか」
BLは軽い…と思います。というかあんまりわかんないので年齢制限のどこまで攻めるか…。
見ぃつけた。
茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは…
他サイトにも公開しています
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる