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第二話「呪われた動画配信者」
01-16.
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「いやいや。さすがに今のタイミングでどこに行ったんだよ?」
正樹は太一を見た。
正面に立っていた太一ならば、彰がどこにいってしまったのか。
その行方を見ていたのではないかと期待したのだろう。
「あーくん、見てな――」
正樹の言葉を遮ったのは烏の大きな鳴き声だった。
何十羽もの烏たちが一斉に飛び立ち、風が拭いていないのにもかかわらず木々が激しく揺れる。
「――いっ!?」
変な声が出た。
正樹たちがいる場所から三十メートルほど離れている墓石が落下したようだ。地震が起きたかのような激しい音が鳴り始め、土煙が舞う。
「急に倒れるかよ!?」
正樹は興奮したような声を上げた。
まるで墓石が暴れているようだ。
いくつもの墓石が崩れ落ちたことに気づいていないかのように暴れている墓石に引き寄せられたかのように正樹は早足で歩き出した。
「危ないだろ!」
太一は声を上げるものの、正樹が足を止めることはなかった。
「あー! くそ!」
太一もカメラを構えたまま、正樹を追いかける。
動画配信者としての意地だった。
狼狽えている美加のことを気にしている余裕もなく、正樹が走っていく姿を見逃さないようにカメラを回し続ける。
「みんな! 見えてますか!?」
太一は視聴者に向かって話し始める。
「墓石が暴れているんです! 今、俺たちの目の間で怪奇現象が起きています!」
冷静ではいられなかった。
友人がいなくなったことよりも、視聴者のコメントを気にしてしまう。暴れる墓石の目の前で止まった正樹は足元を見つめていた。
「なにか見つけたのか!?」
太一は興奮を隠しきれていなかった。
「見つけた!」
正樹は座り込んだ。
それから地面を素手で掘り始める。
正樹は太一を見た。
正面に立っていた太一ならば、彰がどこにいってしまったのか。
その行方を見ていたのではないかと期待したのだろう。
「あーくん、見てな――」
正樹の言葉を遮ったのは烏の大きな鳴き声だった。
何十羽もの烏たちが一斉に飛び立ち、風が拭いていないのにもかかわらず木々が激しく揺れる。
「――いっ!?」
変な声が出た。
正樹たちがいる場所から三十メートルほど離れている墓石が落下したようだ。地震が起きたかのような激しい音が鳴り始め、土煙が舞う。
「急に倒れるかよ!?」
正樹は興奮したような声を上げた。
まるで墓石が暴れているようだ。
いくつもの墓石が崩れ落ちたことに気づいていないかのように暴れている墓石に引き寄せられたかのように正樹は早足で歩き出した。
「危ないだろ!」
太一は声を上げるものの、正樹が足を止めることはなかった。
「あー! くそ!」
太一もカメラを構えたまま、正樹を追いかける。
動画配信者としての意地だった。
狼狽えている美加のことを気にしている余裕もなく、正樹が走っていく姿を見逃さないようにカメラを回し続ける。
「みんな! 見えてますか!?」
太一は視聴者に向かって話し始める。
「墓石が暴れているんです! 今、俺たちの目の間で怪奇現象が起きています!」
冷静ではいられなかった。
友人がいなくなったことよりも、視聴者のコメントを気にしてしまう。暴れる墓石の目の前で止まった正樹は足元を見つめていた。
「なにか見つけたのか!?」
太一は興奮を隠しきれていなかった。
「見つけた!」
正樹は座り込んだ。
それから地面を素手で掘り始める。
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