動画配信者が消えた

佐倉海斗

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第二話「呪われた動画配信者」

01-13.

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「やっぱし!」

 美加はハンカチを隅々まで見たあとに声を上げた。

「あたしがランランにあげたハンカチだよ!」

 村の入口で地面の中に引きずり込まれた蘭のハンカチが墓場にあった。

 美加から誕生日に貰ったハンカチを大切にしていたことを考えると、仕掛けのためにわざわざ血で汚して仕掛けに使ったとは思えない。

「ランラン! ランラン! いるの!?」

 美加は正樹を押しのけて墓地の中を突き進む。

「どこにいるの!?」

「待て! 一人で動くな!」

「だって! ランランがここにいるのに!」

 蘭は地面に引きずり込まれた。

 それは美加も見ていたはずだ。地面に引きずり込まれた蘭が生きているとは考えにくい。

 それなのに美加は蘭がいると信じて疑わなかった。

「いったーいっ!」

 なにかが足にぶつかった。

「なによ! もう!」

 文句を言いながら足元を見る。

 美加の足が止まった。
 息も止まってしまったかのような表情になる。

「ぎゃあああっ!!」

 可愛くない悲鳴が上がる。

 美加は後ろを向き、大急ぎで引き返す。


「う、うあああん!」

 彰に抱きついた。

 それから大粒の涙を流しながら、泣き声を上げる。

「大ちゃん。撮影禁止だから」

「ホラー展開では定番では?」

「妹の泣き顔は晒させん」

 彰は美加を慰めることはしない。

「なにを見つけたんだよ?」

 それよりも泣いて引き返してきた原因が気になるのだろう。

「あ、あ、あ、あし、足がぁ」

 言葉にすらなっていない。
 よほど衝撃的な光景が広がっていたのだろうか。
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