18 / 41
第二話「呪われた動画配信者」
01-13.
しおりを挟む
「やっぱし!」
美加はハンカチを隅々まで見たあとに声を上げた。
「あたしがランランにあげたハンカチだよ!」
村の入口で地面の中に引きずり込まれた蘭のハンカチが墓場にあった。
美加から誕生日に貰ったハンカチを大切にしていたことを考えると、仕掛けのためにわざわざ血で汚して仕掛けに使ったとは思えない。
「ランラン! ランラン! いるの!?」
美加は正樹を押しのけて墓地の中を突き進む。
「どこにいるの!?」
「待て! 一人で動くな!」
「だって! ランランがここにいるのに!」
蘭は地面に引きずり込まれた。
それは美加も見ていたはずだ。地面に引きずり込まれた蘭が生きているとは考えにくい。
それなのに美加は蘭がいると信じて疑わなかった。
「いったーいっ!」
なにかが足にぶつかった。
「なによ! もう!」
文句を言いながら足元を見る。
美加の足が止まった。
息も止まってしまったかのような表情になる。
「ぎゃあああっ!!」
可愛くない悲鳴が上がる。
美加は後ろを向き、大急ぎで引き返す。
「う、うあああん!」
彰に抱きついた。
それから大粒の涙を流しながら、泣き声を上げる。
「大ちゃん。撮影禁止だから」
「ホラー展開では定番では?」
「妹の泣き顔は晒させん」
彰は美加を慰めることはしない。
「なにを見つけたんだよ?」
それよりも泣いて引き返してきた原因が気になるのだろう。
「あ、あ、あ、あし、足がぁ」
言葉にすらなっていない。
よほど衝撃的な光景が広がっていたのだろうか。
美加はハンカチを隅々まで見たあとに声を上げた。
「あたしがランランにあげたハンカチだよ!」
村の入口で地面の中に引きずり込まれた蘭のハンカチが墓場にあった。
美加から誕生日に貰ったハンカチを大切にしていたことを考えると、仕掛けのためにわざわざ血で汚して仕掛けに使ったとは思えない。
「ランラン! ランラン! いるの!?」
美加は正樹を押しのけて墓地の中を突き進む。
「どこにいるの!?」
「待て! 一人で動くな!」
「だって! ランランがここにいるのに!」
蘭は地面に引きずり込まれた。
それは美加も見ていたはずだ。地面に引きずり込まれた蘭が生きているとは考えにくい。
それなのに美加は蘭がいると信じて疑わなかった。
「いったーいっ!」
なにかが足にぶつかった。
「なによ! もう!」
文句を言いながら足元を見る。
美加の足が止まった。
息も止まってしまったかのような表情になる。
「ぎゃあああっ!!」
可愛くない悲鳴が上がる。
美加は後ろを向き、大急ぎで引き返す。
「う、うあああん!」
彰に抱きついた。
それから大粒の涙を流しながら、泣き声を上げる。
「大ちゃん。撮影禁止だから」
「ホラー展開では定番では?」
「妹の泣き顔は晒させん」
彰は美加を慰めることはしない。
「なにを見つけたんだよ?」
それよりも泣いて引き返してきた原因が気になるのだろう。
「あ、あ、あ、あし、足がぁ」
言葉にすらなっていない。
よほど衝撃的な光景が広がっていたのだろうか。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
ルール
新菜いに/丹㑚仁戻
ホラー
放課後の恒例となった、友達同士でする怪談話。
その日聞いた怪談は、実は高校の近所が舞台となっていた。
主人公の亜美は怖がりだったが、周りの好奇心に押されその場所へと向かうことに。
その怪談は何を伝えようとしていたのか――その意味を知ったときには、もう遅い。
□第6回ホラー・ミステリー小説大賞にて奨励賞をいただきました□
※章ごとに登場人物や時代が変わる連作短編のような構成です(第一章と最後の二章は同じ登場人物)。
※結構グロいです。
※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
※カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。
©2022 新菜いに
甘いマスクは、イチゴジャムがお好き
猫宮乾
ホラー
人間の顔面にはり付いて、その者に成り代わる〝マスク〟という存在を、見つけて排除するのが仕事の特殊捜査局の、梓藤冬親の日常です。※サクサク人が死にます。【完結済】
フランソワーズの耳
猫又
ホラー
主婦、有明伽耶子、ある日突然、他人の思惑、心の声が聞こえるようになってしまった
優しくて働き者の夫、頼りになる義母、物静かな義父。
さらに仲良く家族ぐるみで仲良くしていたご近所達。
さらには犬や猫、鳥までのさえずりが理解出来てしまいパニック状態。
酷い本心、罵詈雑言を吐き出すのは誰か?
伽耶子はそれらとどう戦うのか?
関係は元に戻れるのか?
禁踏区
nami
ホラー
月隠村を取り囲む山には絶対に足を踏み入れてはいけない場所があるらしい。
そこには巨大な屋敷があり、そこに入ると決して生きて帰ることはできないという……
隠された道の先に聳える巨大な廃屋。
そこで様々な怪異に遭遇する凛達。
しかし、本当の恐怖は廃屋から脱出した後に待ち受けていた──
都市伝説と呪いの田舎ホラー
機織姫
ワルシャワ
ホラー
栃木県日光市にある鬼怒沼にある伝説にこんな話がありました。そこで、とある美しい姫が現れてカタンコトンと音を鳴らす。声をかけるとその姫は一変し沼の中へ誘うという恐ろしい話。一人の少年もまた誘われそうになり、どうにか命からがら助かったというが。その話はもはや忘れ去られてしまうほど時を超えた現代で起きた怖いお話。はじまりはじまり
【完結】大量焼死体遺棄事件まとめサイト/裏サイド
まみ夜
ホラー
ここは、2008年2月09日朝に報道された、全国十ケ所総数六十体以上の「大量焼死体遺棄事件」のまとめサイトです。
事件の上澄みでしかない、ニュース報道とネット情報が序章であり終章。
一年以上も前に、偶然「写本」のネット検索から、オカルトな事件に巻き込まれた女性のブログ。
その家族が、彼女を探すことで、日常を踏み越える恐怖を、誰かに相談したかったブログまでが第一章。
そして、事件の、悪意の裏側が第二章です。
ホラーもミステリーと同じで、ラストがないと評価しづらいため、短編集でない長編はweb掲載には向かないジャンルです。
そのため、第一章にて、表向きのラストを用意しました。
第二章では、その裏側が明らかになり、予想を裏切れれば、とも思いますので、お付き合いください。
表紙イラストは、lllust ACより、乾大和様の「お嬢さん」を使用させていただいております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる