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第三話 賢妃の才能は底知れない
03-15.
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* * *
茶会はすぐに解散となった。
玄武宮に戻った香月は槍を手にとり、稽古に励む。
……なぜ、淑妃は徳妃を挑発したのか。
雪梅の性格の問題も大きいだろう。
雪梅は挑発をしているつもりはなかった。会話の一環として嫌味を口にしていただけだ。それは万姫にとって耐えがたい屈辱であることを理解していない。
……わからない。
穏やかな茶会の場ではなかった。
協力関係ではあるものの、上級妃として敵対するべき関係でもある。雪梅や万姫のように後宮入りを前提として育てられた人にとって、協力関係を築くのは表面上だけでいいと考えているのに違いない。
「賢妃様。考えごとをされるのならば稽古はおやめになられた方がよろしいかと思います」
嘉瑞は稽古の相手として槍を振るいながら、声をかけた。
「……悩んでいるようにみえるか」
「恐れながら、そのようにお見えします」
「そうか」
香月は槍を振るうのを止めた。
持っていた槍を嘉瑞に渡し、ため息を零す。
「四夫人が協力しなければならないというのに。難しいな」
「気位の高い方たちです。簡単にはいかないでしょう」
「そうだな。……あれほどに疲れる茶会もない」
香月は気分転換として稽古を行っていたのだが、それも思い通りにはいかない。
「守護結界を修復しなければならないというのに」
香月は空を見上げた。
亀裂が広がるのは収まったものの、未だに亀裂が残ったままだ。李帝国を守護している結界の力は確実に弱まりつつある。
黄藍洙が怨霊と化したのも守護結界の影響が弱まったことが関係している。
本来ならば、怨霊となる前に浄化されるはずなのだ。それができないほどに力が弱まっているのにもかかわらず、それを修復する気は誰にもなかった。
香月だけが焦っていた。
その状況はあまりにも悲惨なものであった。
茶会はすぐに解散となった。
玄武宮に戻った香月は槍を手にとり、稽古に励む。
……なぜ、淑妃は徳妃を挑発したのか。
雪梅の性格の問題も大きいだろう。
雪梅は挑発をしているつもりはなかった。会話の一環として嫌味を口にしていただけだ。それは万姫にとって耐えがたい屈辱であることを理解していない。
……わからない。
穏やかな茶会の場ではなかった。
協力関係ではあるものの、上級妃として敵対するべき関係でもある。雪梅や万姫のように後宮入りを前提として育てられた人にとって、協力関係を築くのは表面上だけでいいと考えているのに違いない。
「賢妃様。考えごとをされるのならば稽古はおやめになられた方がよろしいかと思います」
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「……悩んでいるようにみえるか」
「恐れながら、そのようにお見えします」
「そうか」
香月は槍を振るうのを止めた。
持っていた槍を嘉瑞に渡し、ため息を零す。
「四夫人が協力しなければならないというのに。難しいな」
「気位の高い方たちです。簡単にはいかないでしょう」
「そうだな。……あれほどに疲れる茶会もない」
香月は気分転換として稽古を行っていたのだが、それも思い通りにはいかない。
「守護結界を修復しなければならないというのに」
香月は空を見上げた。
亀裂が広がるのは収まったものの、未だに亀裂が残ったままだ。李帝国を守護している結界の力は確実に弱まりつつある。
黄藍洙が怨霊と化したのも守護結界の影響が弱まったことが関係している。
本来ならば、怨霊となる前に浄化されるはずなのだ。それができないほどに力が弱まっているのにもかかわらず、それを修復する気は誰にもなかった。
香月だけが焦っていた。
その状況はあまりにも悲惨なものであった。
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