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第1話 10歳の悪役令息、幼馴染の秘密を知る
03-11.
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「王子のセリフ、ほとんど同じなんだよね」
ルシアンの言葉をセシルは遮らない。
……関わったことなんてないくせに。わかるものなのか?
エドワードはルシアンのことを嫌っている。
辺境を守る意味を理解していないのかもしれない。
野蛮な土地に住む田舎者だと決めつけ、王都には相応しくないと鼻で笑っていたことを思い出した。
その為、存在は知っているものの、まともに会話を交わしたことさえもないはずだ。
ルシアンもエドワードに避けられていると知りながら、関わろうとするような性格でもない。
それなのにもかかわらず、ルシアンはエドワードの言動を知り尽くしていた。
「“破棄してやる”だったのに、“破棄させてやる”に変わったくらいだよ。さすがに、驚いたよね」
ルシアンの言葉を聞き、セシルは眉を顰めた。
それ以前のやり取りをルシアンは聞いていなかったのだろう。
「驚いただけかよ」
セシルは不満そうに声をあげる。
……俺は許せなかったのに。
エドワードに婚約を白紙に戻す権限がないことは知っている。
しかし、万が一ということがある。その言葉に感化され、王妃が行動に移さないとも限らない。
だからこそ、セシルはエドワードの顔を殴ったのだ。
これほどまでに仲の悪い二人を婚約させようという話が持ち上がらないように、エドワードに暴言を吐き、殴り合った。
そこまでは順調だった。
エドワードがセシルに恋をしていると自覚し、それを大声で言ってしまったことにより、すべてが台無しになってしまった。
「うん。驚いただけだよ?」
ルシアンはセシルの言葉を肯定した。
それに対し、セシルはなにも言わなかった。
……俺だけかよ。
婚約を白紙に戻されるのではないかと危機感を抱いたのは、セシルだけだったのだろうか。
……バカみたいだ。
セシルはルシアンが好きだ。だからこそ、必死になっていた。
ルシアンの言葉をセシルは遮らない。
……関わったことなんてないくせに。わかるものなのか?
エドワードはルシアンのことを嫌っている。
辺境を守る意味を理解していないのかもしれない。
野蛮な土地に住む田舎者だと決めつけ、王都には相応しくないと鼻で笑っていたことを思い出した。
その為、存在は知っているものの、まともに会話を交わしたことさえもないはずだ。
ルシアンもエドワードに避けられていると知りながら、関わろうとするような性格でもない。
それなのにもかかわらず、ルシアンはエドワードの言動を知り尽くしていた。
「“破棄してやる”だったのに、“破棄させてやる”に変わったくらいだよ。さすがに、驚いたよね」
ルシアンの言葉を聞き、セシルは眉を顰めた。
それ以前のやり取りをルシアンは聞いていなかったのだろう。
「驚いただけかよ」
セシルは不満そうに声をあげる。
……俺は許せなかったのに。
エドワードに婚約を白紙に戻す権限がないことは知っている。
しかし、万が一ということがある。その言葉に感化され、王妃が行動に移さないとも限らない。
だからこそ、セシルはエドワードの顔を殴ったのだ。
これほどまでに仲の悪い二人を婚約させようという話が持ち上がらないように、エドワードに暴言を吐き、殴り合った。
そこまでは順調だった。
エドワードがセシルに恋をしていると自覚し、それを大声で言ってしまったことにより、すべてが台無しになってしまった。
「うん。驚いただけだよ?」
ルシアンはセシルの言葉を肯定した。
それに対し、セシルはなにも言わなかった。
……俺だけかよ。
婚約を白紙に戻されるのではないかと危機感を抱いたのは、セシルだけだったのだろうか。
……バカみたいだ。
セシルはルシアンが好きだ。だからこそ、必死になっていた。
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