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第1話 10歳の悪役令息、幼馴染の秘密を知る
03-8.
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……ありえない。
セシルはエドワードの正気を疑う。
まともに穏やかな会話だけで終わったことがなく、ほとんどが殴り合いになるような関係だ。
母親同士の仲が良い為、度々顔合わせをさせられるものの、相性が悪いのだろう。売り言葉に買い言葉となり、喧嘩ばかりをしてきた。
それなのに、急に告白をされても気味が悪いだけだった。
……呪われた?
疑わしいのは、エドワードが何らかの呪いを受けた可能性だ。
他人の恨みを買いやすく、第三王子ではあるのだが、なにかと軽視されている。
王妃の子であるのにもかかわらず、軽視されているのは、エドワードの出生に秘密があるからではないかという根拠のない噂が広まっていることくらいは、セシルも知っていた。
だからこそ、同情の籠った視線をエドワードに向けていた。
「エドワード王子を応接室にお連れしてくれ。落ち着かせた方が良いだろう」
ブライアンは無言のまま俯いているエドワードに気を遣ったのだろうか。いや、セシルに対する告白が気に入らなかっただけなのかもしれない。
どちらにしても、エドワードはこの場にいるべきではないだろう。
一世一代の告白は一瞬で散ってしまった。
それも、迷うこともなく、振られてしまった。
それはお茶会だけの話題で留まらないだろう。
「セシル。王子には兄様が事情を話しておくから。早めに仲直りをしてあげるんだよ。いいね?」
「兄様。俺はなにも悪いことをしてない」
「セシルの言い分はわかる。でも、相手は王子なんだ。セシルが譲ってあげられるところは、譲ってあげようか」
ブライアンの言葉を聞き、セシルは頬を膨らめた。
……兄様はすぐにエドワードを庇う。
エドワードが王位を継ぐと思っているわけではないだろう。
しかし、アクロイド侯爵家にはエドワードの存在は大きい。
エドワードを手中に収めることができたのならば、侯爵家の権力はさらに大きなものになるだろう。
ブライアンはエドワードを利用するつもりだ。
それに気づき、セシルは不満そうな視線をブライアンに向けた。
背を向けた先で、エドワードがアクロイド侯爵家の執事に支えられる形で応接間に誘導されていることにすらも気づかず、セシルはブライアンを見上げる。
セシルはエドワードの正気を疑う。
まともに穏やかな会話だけで終わったことがなく、ほとんどが殴り合いになるような関係だ。
母親同士の仲が良い為、度々顔合わせをさせられるものの、相性が悪いのだろう。売り言葉に買い言葉となり、喧嘩ばかりをしてきた。
それなのに、急に告白をされても気味が悪いだけだった。
……呪われた?
疑わしいのは、エドワードが何らかの呪いを受けた可能性だ。
他人の恨みを買いやすく、第三王子ではあるのだが、なにかと軽視されている。
王妃の子であるのにもかかわらず、軽視されているのは、エドワードの出生に秘密があるからではないかという根拠のない噂が広まっていることくらいは、セシルも知っていた。
だからこそ、同情の籠った視線をエドワードに向けていた。
「エドワード王子を応接室にお連れしてくれ。落ち着かせた方が良いだろう」
ブライアンは無言のまま俯いているエドワードに気を遣ったのだろうか。いや、セシルに対する告白が気に入らなかっただけなのかもしれない。
どちらにしても、エドワードはこの場にいるべきではないだろう。
一世一代の告白は一瞬で散ってしまった。
それも、迷うこともなく、振られてしまった。
それはお茶会だけの話題で留まらないだろう。
「セシル。王子には兄様が事情を話しておくから。早めに仲直りをしてあげるんだよ。いいね?」
「兄様。俺はなにも悪いことをしてない」
「セシルの言い分はわかる。でも、相手は王子なんだ。セシルが譲ってあげられるところは、譲ってあげようか」
ブライアンの言葉を聞き、セシルは頬を膨らめた。
……兄様はすぐにエドワードを庇う。
エドワードが王位を継ぐと思っているわけではないだろう。
しかし、アクロイド侯爵家にはエドワードの存在は大きい。
エドワードを手中に収めることができたのならば、侯爵家の権力はさらに大きなものになるだろう。
ブライアンはエドワードを利用するつもりだ。
それに気づき、セシルは不満そうな視線をブライアンに向けた。
背を向けた先で、エドワードがアクロイド侯爵家の執事に支えられる形で応接間に誘導されていることにすらも気づかず、セシルはブライアンを見上げる。
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