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第1話 犬猿の仲の婚約者
03-7.※
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「ロイの、バカァッ」
アストラは思いつく限りの罵倒を口にした。
胸だけで達してしまったという現実は大きく、アストラの羞恥心を駆り立てる。顔を真っ赤にして、蕩けた視線をロイに向けるアストラを目の前にして、ロイに理性を働かせろというのが無理な話だった。
「そうか」
ロイは口角を上げた。
それはアストラにしか見せない悪い顔だ。アストラは時々ロイが見せる感情の高ぶりを抑えきれない悪い顔が好きだった。
胸の奥が苦しくなる。
動悸が早くなり、愛の言葉を勢いのままに口にしてしまいたくなる。愛おしい衝動に駆られつつ、アストラはロイの両肩に腕を回した。アストラの腕には力が籠っておらず、ロイの背中にまで手が伸びており、抱きしめるのには不格好な姿勢だった。
「責任とれ! なんとかしろよ!」
「わかった。手を離してくれないとできないんだが」
「やだ。先にキスをしろ」
アストラは駄々をこねる。
それさえも愛おしくてしかたがないのだろう。
ロイは吸い寄せられるようにアストラの唇を奪い、当然のように舌を口の中に紛れ込ませる。
敏感になった舌を絡ませあい、どちらかの唾液かわからないほどに混ざり合ったものがアストラの口角から零れる。激しい水音と共に与えられる呼吸さえもままならない動きにアストラは、ついていくだけで必死だった。
ロイの両肩に回していた腕は力なくソファーに落ちる。
そこまで気を回していられなかった。
「んっ、あっ、んんっ」
唇が離れた隙に喘ぎ声が零れ落ちる。
その声を封じるかのように再び、唇は重なり合った。今度は触れるだけの優しいキスだ。
それを何度も何度も繰り返しながら、ロイの手はアストラの下半身に伸ばされる。
「ひゃっ」
アストラの声が漏れる。
触れるだけの優しいキスでは声が抑えられない。
アストラは思いつく限りの罵倒を口にした。
胸だけで達してしまったという現実は大きく、アストラの羞恥心を駆り立てる。顔を真っ赤にして、蕩けた視線をロイに向けるアストラを目の前にして、ロイに理性を働かせろというのが無理な話だった。
「そうか」
ロイは口角を上げた。
それはアストラにしか見せない悪い顔だ。アストラは時々ロイが見せる感情の高ぶりを抑えきれない悪い顔が好きだった。
胸の奥が苦しくなる。
動悸が早くなり、愛の言葉を勢いのままに口にしてしまいたくなる。愛おしい衝動に駆られつつ、アストラはロイの両肩に腕を回した。アストラの腕には力が籠っておらず、ロイの背中にまで手が伸びており、抱きしめるのには不格好な姿勢だった。
「責任とれ! なんとかしろよ!」
「わかった。手を離してくれないとできないんだが」
「やだ。先にキスをしろ」
アストラは駄々をこねる。
それさえも愛おしくてしかたがないのだろう。
ロイは吸い寄せられるようにアストラの唇を奪い、当然のように舌を口の中に紛れ込ませる。
敏感になった舌を絡ませあい、どちらかの唾液かわからないほどに混ざり合ったものがアストラの口角から零れる。激しい水音と共に与えられる呼吸さえもままならない動きにアストラは、ついていくだけで必死だった。
ロイの両肩に回していた腕は力なくソファーに落ちる。
そこまで気を回していられなかった。
「んっ、あっ、んんっ」
唇が離れた隙に喘ぎ声が零れ落ちる。
その声を封じるかのように再び、唇は重なり合った。今度は触れるだけの優しいキスだ。
それを何度も何度も繰り返しながら、ロイの手はアストラの下半身に伸ばされる。
「ひゃっ」
アストラの声が漏れる。
触れるだけの優しいキスでは声が抑えられない。
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