婚約破棄を覚悟した悪役令息のはずが、犬猿の仲の婚約者に執着されて幸せになる

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「あの野郎。浮気しやがったな!」
世間の噂を面白おかしく書かれている新聞を握りしめ、悪役令息、アストラ・ブラッドランスは周囲の目を気にせず怒りを露わにした。
そして、真相を確かめることもせず、使用人たちの反対を耳にいれることもなく馬に乗って駆けていく。
目的地は、浮気をしているのではないかと根拠のない噂を雑誌に載せられた婚約者のいる大公邸だ。

浮気を許すくらいならば、婚約を白紙に戻すつもりだった。
世間の噂通り、婚約破棄されそうな哀れな侯爵家の次男と笑われるくらいならば、婚約破棄をした非常識人になったほうがマシだった。
ーーそれなのに、気づけば婚約者に押し倒されていた。
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