40 / 98
第二話 『悪役令息の妹』の元婚約者に追われている
03ー1.負けず嫌いの悪役令息は快楽に溺れる
しおりを挟む
* * *
……最悪だった。
休憩から戻ると積み直されていた書類の山を思い出し、頭が痛くなる。
二週間の休暇の間、滞っていた書類仕事を終わらせたブラッドは帰宅をすることにした。
帰宅先は侯爵邸だ。
当然のように侯爵家の馬車に乗せられたブラッドは、隣に座るアルバートを横目で見る。
……余裕そうなのがむかつく。
馬車の中で悪戯をされることを望んでいたわけではないが、なにもされないとそれはそれで気にかかる。
「……アルバート」
ブラッドは隣で本を読んでいるアルバートの腕を指で突く。
本に集中していたわけではないのだろう。
アルバートの視線はブラッドに向けられた。
「どうかしたか?」
当然のように問いかけられた。
……構ってほしいとは言えないな。
やれることがなかったわけではない。
暇ならば窓の外を眺めていても時間をつぶすことはできただろう。
……どうしよう。
二人だけの空間になると意識をしてしまう。
頭の中をよぎるのは昨夜の激しい行為や、休憩中にされた頭の中が空になるほどの口付けだ。
「ブラッド」
本が閉じられた。
雑に置かれた本に目を向けることもせず、アルバートはブラッドの腰に腕を回し、慣れた手つきで腰を撫ぜる。
まるでそういうことを求めていたかのような仕草をするアルバートに対し、ブラッドは制止することができなかった。
「我慢できないのか?」
問いかけられた言葉に対し、ブラッドは小さく頷いた。
馬車の行者が外にいるとはいえ、二人だけの空間だ。
侯爵邸に到着をするまでは邪魔されることはない。
その状況下で我慢をすることはできなかった。
……最悪だった。
休憩から戻ると積み直されていた書類の山を思い出し、頭が痛くなる。
二週間の休暇の間、滞っていた書類仕事を終わらせたブラッドは帰宅をすることにした。
帰宅先は侯爵邸だ。
当然のように侯爵家の馬車に乗せられたブラッドは、隣に座るアルバートを横目で見る。
……余裕そうなのがむかつく。
馬車の中で悪戯をされることを望んでいたわけではないが、なにもされないとそれはそれで気にかかる。
「……アルバート」
ブラッドは隣で本を読んでいるアルバートの腕を指で突く。
本に集中していたわけではないのだろう。
アルバートの視線はブラッドに向けられた。
「どうかしたか?」
当然のように問いかけられた。
……構ってほしいとは言えないな。
やれることがなかったわけではない。
暇ならば窓の外を眺めていても時間をつぶすことはできただろう。
……どうしよう。
二人だけの空間になると意識をしてしまう。
頭の中をよぎるのは昨夜の激しい行為や、休憩中にされた頭の中が空になるほどの口付けだ。
「ブラッド」
本が閉じられた。
雑に置かれた本に目を向けることもせず、アルバートはブラッドの腰に腕を回し、慣れた手つきで腰を撫ぜる。
まるでそういうことを求めていたかのような仕草をするアルバートに対し、ブラッドは制止することができなかった。
「我慢できないのか?」
問いかけられた言葉に対し、ブラッドは小さく頷いた。
馬車の行者が外にいるとはいえ、二人だけの空間だ。
侯爵邸に到着をするまでは邪魔されることはない。
その状況下で我慢をすることはできなかった。
78
お気に入りに追加
751
あなたにおすすめの小説
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
推しの為なら悪役令息になるのは大歓迎です!
こうらい ゆあ
BL
「モブレッド・アテウーマ、貴様との婚約を破棄する!」王太子の宣言で始まった待ちに待った断罪イベント!悪役令息であるモブレッドはこの日を心待ちにしていた。すべては推しである主人公ユレイユの幸せのため!推しの幸せを願い、日夜フラグを必死に回収していくモブレッド。ところが、予想外の展開が待っていて…?

異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる
ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。
アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。
異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。
【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。
αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。
負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。
「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。
庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。
※Rシーンには♡マークをつけます。
拾った駄犬が最高にスパダリ狼だった件
竜也りく
BL
旧題:拾った駄犬が最高にスパダリだった件
あまりにも心地いい春の日。
ちょっと足をのばして湖まで採取に出かけた薬師のラスクは、そこで深手を負った真っ黒ワンコを見つけてしまう。
治療しようと近づいたらめちゃくちゃ威嚇されたのに、ピンチの時にはしっかり助けてくれた真っ黒ワンコは、なぜか家までついてきて…。
受けの前ではついついワンコになってしまう狼獣人と、お人好しな薬師のお話です。
★不定期:1000字程度の更新。
★他サイトにも掲載しています。

婚約破棄された悪役令息は従者に溺愛される
田中
BL
BLゲームの悪役令息であるリアン・ヒスコックに転生してしまった俺は、婚約者である第二王子から断罪されるのを待っていた!
なぜなら断罪が領地で療養という軽い処置だから。
婚約破棄をされたリアンは従者のテオと共に領地の屋敷で暮らすことになるが何気ないリアンの一言で、テオがリアンにぐいぐい迫ってきてーー?!
従者×悪役令息
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる