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第二話 『悪役令息の妹』の元婚約者に追われている

01-8.※

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「奥まで咥えて」

 アルバートは愛おしそうにブラッドの髪を撫ぜながら言った。

 その言葉に対し、ブラッドは眉を潜めた。

 ……吐くかもしれない。

 口の中に入れるものではないと心のどこかで思ってしまう。

 同性の生殖器を口にしていると思うと、それを奥まで咥えることに抵抗心を抱いてしまった。

 ……いや。大丈夫だ。俺ならいける。

 恋心を抱いてきた相手である。

 それならば出来るはずであるブラッドは自分自身に言い聞かせる。

「んっ」

 先ほどよりも口を大きく開けて、アルバートの陰茎を包み込むように加えていく。
 舌で刺激をするのも忘れない。

「ん、んんっ」

 吐き気がしない程度の深さで止め、後は頭を上下に動かして刺激をする。

 頭を上下に動かしながら、アルバートの様子を窺う。

「っ」

 急に動かし始めたからなのか。

 アルバートの息が乱れている。

 ブラッドの行為により快感が高まっているのだろう。

「ブラッド」

 興奮した声で名を呼ばれる。

 それから髪を撫ぜていた手に力が入り、ブラッドの後頭部を押す。

「んぐっ!?」

 一気に喉の奥に入り込む。

 反射的に逃げようとしたものの、押さえつけられてしまい、動けない。

「ん゛っ」

 喉の奥に精液が流し込まれる。

 昨夜、散々ブラッドの中に注ぎ込まれていたとは思えない量が放たれ、ブラッドは反射的にそれを飲み込んだ。

 射精が終わると同時に手が離され、勢いよくブラッドの口からアルバートの陰茎が抜き出された。

「げほっ、げほっ」

 飲み込むつもりはなかったのだろう。

 何度も口元を擦りながら激しい咳をしていた。
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