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第二話 『悪役令息の妹』の元婚約者に追われている

01-4.※

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「変態」

 ブラッドは軽蔑するかのような口ぶりで言いながらも、視線を逸らせない。

 ……これが。昨日、滅茶苦茶にしてくれたんだよな。

 腹の奥が疼く。

 男相手には初めてだったというのにもかかわらず、ブラッドの気持ちいいところを責められ続けたことを思い出したのだろう。

「煽られて興奮するなんて変態野郎だな」

 ……興奮してやがる。

 思わず、唾液を飲み込んだ。

「昨日、あれだけ出してくれたのに足りねえの?」

 我慢が出来なかった。

 ブラッドは迷うことなくアルバートの陰茎に手を伸ばした。

「バカ。触るな。放っておけば治まる」

「はぁ? かわいそうだろ」

「俺に対して言っているわけじゃないな。その言葉は」

 アルバートの悩ましげなため息を気にすることもなく、ブラッドはアルバートの陰茎を両手で包み込む。それから、上下に擦り始めた。

「当然だろ。俺はお前の可愛くねえチンコに言ってやってんだよ」

 昨夜、散々、精を吐き出したからだろうか。

 反応はするものの、先走りもない。

 ……すぐにイっちまえば可愛いのに。

 そうすれば、今夜には立場が逆転することも夢ではないだろう。

 ……可愛げねえな。

 良いように扱われるのは自尊心が許せないが、アルバートに対して腰を振っている自分自身の姿も想像することができない。

「何を考えている」

 アルバートの不機嫌な声に気付き、ブラッドは視線をアルバートに向ける。

 その間も両手を動かし続ける。

「聞きてえの?」

 ブラッドは煽るように笑った。

「昨日はすげぇ気持ち良かったなぁって考えてたんだよ」

「……は?」

「怖い顔すんなよ。お前のことを考えてやったのに」

 ブラッドはゆっくりと身体を傾ける。

「アルバートは俺のものだ」

 甘えるかのようにアルバートの腹に頭を擦りつける。
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