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第二話 『悪役令息の妹』の元婚約者に追われている
01-2.
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「陛下の許可をいただき、正式に夫婦として受理されているが」
「はぁ?」
「知らなかったのか?」
身体の向きをアルバートがいる方向に戻す。
それでも起き上がろうとしないことを咎めることもせず、アルバートは知っていると思っていたと言わんばかりの顔をしていた。
「知るわけねーだろ!」
反射的に声をあげる。
咽なかったものの、いつもよりも大きな声がでない。
「二週間、何してたと思ってるんだ!」
「嫁入りの仕度ではないのか?」
「そんなわけねえだろ!! 家の為に色々と手を回してたんだよ!!」
両親に嵌められた。
ブラッドが逃げられないように仕組まれていたのだろう。
「……そうか。知らなかったのか」
アルバートは納得したというかのように、ブラッドの頭を乱暴に撫ぜ始めた。
「なにしやがる」
それに対して、ブラッドは虫を払い除けるかのような仕草をする。
「いや。安心した」
「はぁ?」
「婚約を申し出たのにもかかわらず、二週間も来てはくれなかったからな。ようやく来てくれたと思ったら縄で縛られているし、てっきり、嫌われたかと思ったんだ」
アルバートは穏やかな表情だった。
それに対し、ブラッドは舌打ちをする。
……嫌われたと思ってて、あの余裕だったのか?
もしかしたら、余裕がある振りをしていたのだろうか。
……いや、俺が煽ったからか。
煽るような場面ではないことは理解をしていた。
しかし、いつものように気づけば煽るような口調で言い返していた。
「俺は昨日知ったんだよ。文句は両親に言えよ」
そのことを思い出したのか。
ブラッドは少々、気まずそうな顔を浮かべながら言った。
「……色々と聞きたいことはあるんだが」
伯爵家の事情は知っているだろう。
知っているからこそ、ブラッドは侯爵家の嫁として引き渡された。
「はぁ?」
「知らなかったのか?」
身体の向きをアルバートがいる方向に戻す。
それでも起き上がろうとしないことを咎めることもせず、アルバートは知っていると思っていたと言わんばかりの顔をしていた。
「知るわけねーだろ!」
反射的に声をあげる。
咽なかったものの、いつもよりも大きな声がでない。
「二週間、何してたと思ってるんだ!」
「嫁入りの仕度ではないのか?」
「そんなわけねえだろ!! 家の為に色々と手を回してたんだよ!!」
両親に嵌められた。
ブラッドが逃げられないように仕組まれていたのだろう。
「……そうか。知らなかったのか」
アルバートは納得したというかのように、ブラッドの頭を乱暴に撫ぜ始めた。
「なにしやがる」
それに対して、ブラッドは虫を払い除けるかのような仕草をする。
「いや。安心した」
「はぁ?」
「婚約を申し出たのにもかかわらず、二週間も来てはくれなかったからな。ようやく来てくれたと思ったら縄で縛られているし、てっきり、嫌われたかと思ったんだ」
アルバートは穏やかな表情だった。
それに対し、ブラッドは舌打ちをする。
……嫌われたと思ってて、あの余裕だったのか?
もしかしたら、余裕がある振りをしていたのだろうか。
……いや、俺が煽ったからか。
煽るような場面ではないことは理解をしていた。
しかし、いつものように気づけば煽るような口調で言い返していた。
「俺は昨日知ったんだよ。文句は両親に言えよ」
そのことを思い出したのか。
ブラッドは少々、気まずそうな顔を浮かべながら言った。
「……色々と聞きたいことはあるんだが」
伯爵家の事情は知っているだろう。
知っているからこそ、ブラッドは侯爵家の嫁として引き渡された。
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