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第一話 ブラッド・カザニアは恋をしている

02-9.※

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「……気を失うほどじゃないだろ」

 二度目の快感が強かったのか。

 声にならないほどの快感から降りてこられないのだろうか。

「無理にするつもりはないんだが」

 アルバートはブラッドの頬を軽く突く。

「気絶をしてしまったのならば仕方がないな」

 身体の震えは収まったものの、相変わらず蕩けた顔をしたブラッドは何も言わない。

 ……気を失ったふりをしよう。

 二度、達したからだろうか。

 僅かに戻ってきた理性に従うようにブラッドは目を閉じた。

 ……このままだとヤられる。

 頑なに目を閉じて動こうとしない。

 それを見ているアルバートは何を思ったのか。ブラッドの上から退き、ベッドから降りた。

 ……ん?

 目を閉じている為、アルバートが何をしているのか、わからない。

 薄目を開けた途端に気絶したふりをしていると気づかれることがわかっている為、確認することも出来ない。しかし、なにやら物を探している音がする。

 ……上手くいったか?

 探し物が終わったのだろうか。

 それとも、物を取りに行っていただけなのか。

 アルバートはすぐにベッドの上に戻り、当然のようにブラッドの尻を撫ぜ、生暖かい液体を尻穴にいれようとしていた。

「は!?」

 思わず、声をあげてしまった。

「な、な、なにしやがる!!」

 動揺を隠せないまま、逃げようとするが、身体に力が入らない。

 アルバートはブラッドが気絶をしたふりを止めたことを咎めることもなく、平然とした態度のまま、遠慮なく液体を纏わした指をブラッドの穴に射れる。

「ひっ!」

 本来、指を入れる場所ではない。

 それに対する違和感があるのにもかかわらず、痛みや嫌悪感がない。

「なにしやがった!」

 ブラッドの問いかけに対し、アルバートは鼻で笑った。

 そのまま、中を探るかのように指を動かした。
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