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えくそだす!
第28話 個人レッスン(列王記ソロモン編)
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「ダビデは亡くなる前に次の王にバテシバとの息子ソロモンを選んだの」
「サウルの娘ミカルの子じゃないんだ」
「神様は夢枕に立ってソロモンに欲しいものをあげようと言うの。
ソロモンは長寿でも富でもなく戦いの勝利でもなく、善悪を判断する力を欲したの。
それに感銘を受けた神様は知恵を授けたの」
「頭のいい王様だったんだ」
「たとえば、こんなエピソードがあるわ。
二人の女性が一人の子を自分の子だと言い張ったの。
元々いた自分の子を死なせてしまったので、一緒に住んでいた女性の子を自分の子としようとしたのね。
ソロモンは剣を持って子供を二つに切ってそれぞれの女性に渡すと言ったの。
一人の女性はそうしてくれ、もう一人は切らずに相手に渡してくださいと言ったの」
「ああ! 切らないでって言ったほうが本当の母親だ」
「そう、本当の母親なら自分の子を死なせたいとは思わないはずだから」
「これって、日本にも似た話があるよね。『大岡裁き』って」
「どんな話?」
「同じように二人の女性が子供を自分の子だと主張してたんだ。
それを大岡越前が二人で子供を引っ張り合って勝った方が本当の母親だと言ったんだ。
子供が『痛い』って言ったときにパッと手を離した方が本当の母親だというの」
「似てる話ね」
「『大岡裁き』の話は江戸時代だから、ソロモン王の話が伝わったのかもしれないね」
「ソロモンの時代は栄華を極めて、大きな神殿を建てたり外国との貿易をしたりしたわ。
そして、外国からお嫁さんをもらって、正妻だけでも七百人、側室は三百人もいたの」
「千人も! すごいハーレムだね」
「それで、外国からきたお嫁さんのために異教の神の信仰を認めたの。
それが神様の怒りに触れて、ソロモンの死後に王国は北のイスラエル王国と南のユダ王国に二つに分かれてしまったの。
さらにその後イスラエル王国はアッシリアに滅ぼされたの。
ユダ王国はアッシリアの貢納国として残ったけど、今度はアッシリアを滅ぼした新バビロニア王国の貢納国となって多くの人がバビロンに囚われていったの」
「そういえば、よく物語でソロモン七十二柱って悪魔を使役したりするのがあるけど」
「ソロモンの指輪ね。そういう伝承もあるけど、旧約聖書自体には出てこないわ。
ちなみに、伝承ではソロモンの指輪をはめると動物の言葉が分かったというものあるみたいね」
「日本の昔話『聞き耳頭巾』みたい」
「サウルの娘ミカルの子じゃないんだ」
「神様は夢枕に立ってソロモンに欲しいものをあげようと言うの。
ソロモンは長寿でも富でもなく戦いの勝利でもなく、善悪を判断する力を欲したの。
それに感銘を受けた神様は知恵を授けたの」
「頭のいい王様だったんだ」
「たとえば、こんなエピソードがあるわ。
二人の女性が一人の子を自分の子だと言い張ったの。
元々いた自分の子を死なせてしまったので、一緒に住んでいた女性の子を自分の子としようとしたのね。
ソロモンは剣を持って子供を二つに切ってそれぞれの女性に渡すと言ったの。
一人の女性はそうしてくれ、もう一人は切らずに相手に渡してくださいと言ったの」
「ああ! 切らないでって言ったほうが本当の母親だ」
「そう、本当の母親なら自分の子を死なせたいとは思わないはずだから」
「これって、日本にも似た話があるよね。『大岡裁き』って」
「どんな話?」
「同じように二人の女性が子供を自分の子だと主張してたんだ。
それを大岡越前が二人で子供を引っ張り合って勝った方が本当の母親だと言ったんだ。
子供が『痛い』って言ったときにパッと手を離した方が本当の母親だというの」
「似てる話ね」
「『大岡裁き』の話は江戸時代だから、ソロモン王の話が伝わったのかもしれないね」
「ソロモンの時代は栄華を極めて、大きな神殿を建てたり外国との貿易をしたりしたわ。
そして、外国からお嫁さんをもらって、正妻だけでも七百人、側室は三百人もいたの」
「千人も! すごいハーレムだね」
「それで、外国からきたお嫁さんのために異教の神の信仰を認めたの。
それが神様の怒りに触れて、ソロモンの死後に王国は北のイスラエル王国と南のユダ王国に二つに分かれてしまったの。
さらにその後イスラエル王国はアッシリアに滅ぼされたの。
ユダ王国はアッシリアの貢納国として残ったけど、今度はアッシリアを滅ぼした新バビロニア王国の貢納国となって多くの人がバビロンに囚われていったの」
「そういえば、よく物語でソロモン七十二柱って悪魔を使役したりするのがあるけど」
「ソロモンの指輪ね。そういう伝承もあるけど、旧約聖書自体には出てこないわ。
ちなみに、伝承ではソロモンの指輪をはめると動物の言葉が分かったというものあるみたいね」
「日本の昔話『聞き耳頭巾』みたい」
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