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面蛸とおる

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第三章私は貴方の…

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「焼魚定食に、お餅のスープをつけて…あとハムエッグも単品で…それから…それから緑茶をお願いします」と先程食べたいと思ったものを全て頼み…。

目の前で座っているランゼルト様へ、私はやりましたよと報告するような笑みを見せて笑えば。

「そうだそれで良い…。あとやはりお前は笑った方が、より美しいな…まるで気高き白百合のようでとてもとても愛らしい…」

「もうランゼルト様っ…そんな事いっても何もしませんよ…。それとも愛の呪いの影響でそんな恥ずかしいことを仰っているのですか?」

「いや、残念だが今はシラフだ…というか当分はその影響をくらわないようにしているから…その…さっきのは…いや…やはり忘れろ」とそう言いながら、ランゼルト様は照れた顔を私に見せて…。

ペンギンウェイターが一生懸命持ってきてくれた紅茶を、ゴクゴクと照れ隠しのように飲みほすので。

私はそんな彼を愛おしく思いながら…。

「なんだが私たち…二人きりなったら…いろいろとおきますね」

「確かにそうだな…初日は私が愛の呪いで暴走して…次の日はアキツシマが混乱するなんて、二人じゃない時だったら一度も起こらなかった出来事だ」

「…ええほんとそうですよ…でも…何故こうなったのは私たちがお互い同士で、自分の気持ちを隠しすぎたせいだったからかも知れませんね」

私はそう自分の胸に手を当てながら、彼の目をみて告げるように言えば。

「全くその通りだな…。私もお前も周りをいや、正確に言えば私の親の目ばかり気にして、こんな風に手を握る事すらしなかったな…」

とランゼルト様は私の手を強く握りながら、指先に一度だけキスをおくってからそう答えるので。

「ええ…本当にそうでしたね…でも今は…」とそう私は言いながら、ようやくきた焼魚定食達を嬉しそうに受け取って。

「貴方とこうして、愛しあって…素敵な朝食をする事が出来るようになりました」と嬉し涙を流しながら、心の底から湧き出る思いを伝えるようにそう言えば。

「…アキツシマお前というやつは…本当に…私を悶えさせる事しか言わないな…。だがそんなお前だけを、私はこの世界で一番愛している」

「ラーニャっ…もう愛してるなんてっ…嬉しすぎてっ…恥ずかしすぎてっ…ご飯が食べれなくなっちゃいますっ…」

「おいおいそれはないだろう?ここにある焼魚達が可哀想だ…。だから早く可愛くいっぱいもぐもぐするのだ」


ランゼルト様はそう説教するかのように言いながら、私の方に焼魚定食をグイグイと動かしたので。
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