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第二章極夜の世界で温かな…
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「…えっとそのランゼルト様…もうだいぶここも綺麗にできたので、
そろそろ温泉に入りたいのですが…良いでしょうか?」
「ああっ…そうだな…私もそろそろ入りたいと思っていたところだ…というよりか、
本当はすぐに入るつもりだったのだが…その…いやなんでもない」と、
ランゼルト様はそう言って、脱衣所の扉をあけて。
私を紳士的にエスコートしながら、
もくもくと白い湯気がたちこめるステキな温泉へと優しく導いてくれたので。
私はお返しと言わんばかりに、
温泉のすぐ側にあるシャワールームで彼の身体を隅々まで綺麗に洗い。
そして、自身も簡易的だが温泉にいつでも入れる体制にしてから。
「ここの温泉ってどういうのがあるんですか?」
とランゼルト様にそう聞けば。
「そうだな…まず炭酸温泉があるな…そして薔薇の花をちりばめた薔薇風呂と、
天然石をいれた天然石の湯もあるぞ」
とランゼルト様はそう答えたので。
私は目を輝かせながら。
「炭酸温泉ですかっ…!?
わ、私そのような温泉に入ったことがないのでとても楽しみですっ…!!」
「…そうだったのか。なら最初に入るならそこにしよう」
「ええっ…!?良いんですかランゼルト様っ…私の我儘に付き合わなくても良いのですが」
と私はそう彼に申し訳なさそうに言えば、ランゼルト様は真面目な顔をして。
「いや、別にお前になど付き合ってなどいないぞ…。
ただ私もそこに入りたいだけだ」
と私の発言を打ち消すかのようにそう言ってくれたので。
私はそんな彼に笑みを浮かべて。
「分かりました…では参りましょう」
と 言ってから、頭にタオルをのせて。
お目当ての炭酸温泉までゆっくりと談笑しながら歩き、
温泉の入る一歩点前で立ち止まり、すぐ側に置いてあった木の桶を右手で持ちながら。
隣にいるランゼルト様に掛け湯をしてから、自分も暖かなお湯を浴びて。
─楽しみにしていた、パチパチと弾ける炭酸のお湯へ。
ゆっくりと時間をかけながら、足をいれて。
「ふわぁあっ…すごいっ…泡が足にいっぱいくるっ…」
と呟きながらゴツゴツとした岩に手をかけて。
そのまま、お湯の中に胸まで身体を沈めてからふうと小さくため息を吐けば。
「…どうだ?気持ち良いか」
と 私と同じタイミングで入ったランゼルト様はそう言って、私をすぐ側まで引き寄せて。
温泉の中でも離さないぞというかのような態度で、私の肩を片手でぎゅっと掴むので。
私はそんな彼に、胸をキュンキュンさせながら。
パチパチと弾ける炭酸のお湯の中にある彼のもう一つの手を握りながら
「はい、とても気持ちが良いです…ランゼルト様」
と言ってから、彼の唇にふれるだけの口づけをおくると…。
ランゼルト様は嬉しそうに、目を閉じて微笑んでくれたので。
私もそれに微笑み返すと、なんと今度はランゼルト様が私の唇に…。
先程とは違う、深くて激しい情欲的な口づけをし始めたので。
「ちょっとランゼルト様っ…また昨日みたいに愛の呪いにやられたのですか?」
と冗談まじりに言いながらも、内心ではとても心配したように言えば。
「…いや、今は違うぞ…まだ私は正常だ」
「本当ですか…?そう言って、実はもう理性がとんでるとか…ないですよね?」
「そう心配するなアキツシマ…今日は本当に大丈夫だ安心しろ」
とランゼルト様はそう言って私の頬にチュッと音をならす口づけをしてから続けて。
「何故ならセレンゼルから貰った抑制剤をお前が着替えてる間に、
少しだけ飲んだのだ。だから昨日のようにはならぬぞ」
と自信のある声で言うので。
そろそろ温泉に入りたいのですが…良いでしょうか?」
「ああっ…そうだな…私もそろそろ入りたいと思っていたところだ…というよりか、
本当はすぐに入るつもりだったのだが…その…いやなんでもない」と、
ランゼルト様はそう言って、脱衣所の扉をあけて。
私を紳士的にエスコートしながら、
もくもくと白い湯気がたちこめるステキな温泉へと優しく導いてくれたので。
私はお返しと言わんばかりに、
温泉のすぐ側にあるシャワールームで彼の身体を隅々まで綺麗に洗い。
そして、自身も簡易的だが温泉にいつでも入れる体制にしてから。
「ここの温泉ってどういうのがあるんですか?」
とランゼルト様にそう聞けば。
「そうだな…まず炭酸温泉があるな…そして薔薇の花をちりばめた薔薇風呂と、
天然石をいれた天然石の湯もあるぞ」
とランゼルト様はそう答えたので。
私は目を輝かせながら。
「炭酸温泉ですかっ…!?
わ、私そのような温泉に入ったことがないのでとても楽しみですっ…!!」
「…そうだったのか。なら最初に入るならそこにしよう」
「ええっ…!?良いんですかランゼルト様っ…私の我儘に付き合わなくても良いのですが」
と私はそう彼に申し訳なさそうに言えば、ランゼルト様は真面目な顔をして。
「いや、別にお前になど付き合ってなどいないぞ…。
ただ私もそこに入りたいだけだ」
と私の発言を打ち消すかのようにそう言ってくれたので。
私はそんな彼に笑みを浮かべて。
「分かりました…では参りましょう」
と 言ってから、頭にタオルをのせて。
お目当ての炭酸温泉までゆっくりと談笑しながら歩き、
温泉の入る一歩点前で立ち止まり、すぐ側に置いてあった木の桶を右手で持ちながら。
隣にいるランゼルト様に掛け湯をしてから、自分も暖かなお湯を浴びて。
─楽しみにしていた、パチパチと弾ける炭酸のお湯へ。
ゆっくりと時間をかけながら、足をいれて。
「ふわぁあっ…すごいっ…泡が足にいっぱいくるっ…」
と呟きながらゴツゴツとした岩に手をかけて。
そのまま、お湯の中に胸まで身体を沈めてからふうと小さくため息を吐けば。
「…どうだ?気持ち良いか」
と 私と同じタイミングで入ったランゼルト様はそう言って、私をすぐ側まで引き寄せて。
温泉の中でも離さないぞというかのような態度で、私の肩を片手でぎゅっと掴むので。
私はそんな彼に、胸をキュンキュンさせながら。
パチパチと弾ける炭酸のお湯の中にある彼のもう一つの手を握りながら
「はい、とても気持ちが良いです…ランゼルト様」
と言ってから、彼の唇にふれるだけの口づけをおくると…。
ランゼルト様は嬉しそうに、目を閉じて微笑んでくれたので。
私もそれに微笑み返すと、なんと今度はランゼルト様が私の唇に…。
先程とは違う、深くて激しい情欲的な口づけをし始めたので。
「ちょっとランゼルト様っ…また昨日みたいに愛の呪いにやられたのですか?」
と冗談まじりに言いながらも、内心ではとても心配したように言えば。
「…いや、今は違うぞ…まだ私は正常だ」
「本当ですか…?そう言って、実はもう理性がとんでるとか…ないですよね?」
「そう心配するなアキツシマ…今日は本当に大丈夫だ安心しろ」
とランゼルト様はそう言って私の頬にチュッと音をならす口づけをしてから続けて。
「何故ならセレンゼルから貰った抑制剤をお前が着替えてる間に、
少しだけ飲んだのだ。だから昨日のようにはならぬぞ」
と自信のある声で言うので。
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