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第一章 極夜の冬祭り
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そこに私をゆっくりと下ろし…。
両手でドームの扉を開けながらこう言った。
「…少しだけ私とここにいてくれないか?」
「はいっ…勿論ですっ!!アキツシマは貴方様の側から離れろと言われても離れませんのでっ…!!」
「いや、そこまで言わなくても良いのだが…」と、
ランゼルト様は少し照れた声音でそう言いながら。
私を、キラキラと輝く素敵な夜景が見える窓辺の方へ連れて行き。
「…どうだ綺麗か?」と小さく尋ねながら、
窓辺の側にある雪のように白いベットの上にゆっくりと腰掛けて、優しく誘うように笑うので。
「はい、綺麗ですっ…まるで宵闇に輝く星のようで、
なんて素晴らしいのでしょうか…ほんとこれを今すぐ絵にしなくてはいけませんね」
「…そうかなら嬉しい。だが、まだはやいぞアキツシマ」
「えっ…そうなんですか? こんなに綺麗なのに、まだダメなんですか?」
私はそう残念そうに言いながら、ベットの上に座っているランゼルト様のすぐ隣へ飛び込むような勢いでにダイブしてから、こう続けて言った。
「もう…ほんと意地悪な人…でもそんなランゼルト様が大好きです」
「っ…なっ…お前、こいうタイミングで言うのはやめろっ…。
また私にかけられた呪いが強く出てしまいそうだ」
「えっ…あっ…ごめんなさいランゼルト様、
こんなタイミングで言ってしまって…そのっ…わざとでは決してありません」
私はそう狼狽えるように謝ると、ランゼルト様は私より苦しそうな顔をして。
「そんな事は分かっているっ…!! あと私に謝るなアキツシマ、
悪いのは愛の呪いをかけられた私だ…」と強く言い放つので。
私はその言葉に、
「ですがその呪いがあったからこそ…。
私達は今こうして愛しあうことが出来るようになりました」
と彼の言葉を否定するかのように言いながら。
彼の太ももの上に顔をのせて、
私を散々犯し貫いてくださったランゼルト様の屹立に優しくズボン越しの口づけを贈ると。
「アキツシマは本当に…誰よりも優しいのだな。だが、
この世界の全ての愛を管理する管理者であり、僕の双子の弟セレンゼルに何度生まれかわろうとも続く、狂気の愛の呪いをかけられた私にはそれは少しだけ苦しい」と、
ランゼルト様はそう私にだけ聞こえる声で言うので。
私はその苦しみをどうやったら癒せるのだろうかと思いながらも。
行動だけは示し続けねばならないと思い…。
太ももの上から顔を上げ、今度は彼の胸の上に頭をのせて。
「でもっ…私はっ…貴方とこうしていたいのです」
と目に涙を浮かべながら、ランゼルト様にぬいぐるみのように抱きつくと。
「…アキっ…やめろっ…いやっ…やめなくていい。お前の気持ちは本当にどこまでも、
どこまでも優しくて甘くて、愛おしくて、今すぐにでも狂いそうになるのだがっ…それでも私は」
とランゼルト様は抱きつく私をぎゅっと抱きしめながら、そう言って。
何度も、何度も私の頬に口づけを、おとしてくれたので…。
私はそんな彼に、心の底から嬉しい時にだけしか見せない笑顔を見せて。
どこまでも、どこまでもこの時が続けば良いと思いながら。
「…ランゼルト様もっと強く抱きしめて…」と。
小さくそう言えば。
「ああっ…」と言って、
ランゼルト様は私を抱き枕にするかのように静かに目を閉じ始めたので。
私もそれに続くかのように、目を閉じて。
極夜に輝く宝石のような美しい街並みが見える、この寝室で…。
彼が目覚めるまで、不思議な不思議な夢をみる。
…そう私は夢を見る。
『私が、モノではなくて…高校生として生きる』
喜劇に見せかけた最高の悲劇を。
私は今日も見るのだ…。
これが遠い昔の出来事だった事すらも、知らずに…。
両手でドームの扉を開けながらこう言った。
「…少しだけ私とここにいてくれないか?」
「はいっ…勿論ですっ!!アキツシマは貴方様の側から離れろと言われても離れませんのでっ…!!」
「いや、そこまで言わなくても良いのだが…」と、
ランゼルト様は少し照れた声音でそう言いながら。
私を、キラキラと輝く素敵な夜景が見える窓辺の方へ連れて行き。
「…どうだ綺麗か?」と小さく尋ねながら、
窓辺の側にある雪のように白いベットの上にゆっくりと腰掛けて、優しく誘うように笑うので。
「はい、綺麗ですっ…まるで宵闇に輝く星のようで、
なんて素晴らしいのでしょうか…ほんとこれを今すぐ絵にしなくてはいけませんね」
「…そうかなら嬉しい。だが、まだはやいぞアキツシマ」
「えっ…そうなんですか? こんなに綺麗なのに、まだダメなんですか?」
私はそう残念そうに言いながら、ベットの上に座っているランゼルト様のすぐ隣へ飛び込むような勢いでにダイブしてから、こう続けて言った。
「もう…ほんと意地悪な人…でもそんなランゼルト様が大好きです」
「っ…なっ…お前、こいうタイミングで言うのはやめろっ…。
また私にかけられた呪いが強く出てしまいそうだ」
「えっ…あっ…ごめんなさいランゼルト様、
こんなタイミングで言ってしまって…そのっ…わざとでは決してありません」
私はそう狼狽えるように謝ると、ランゼルト様は私より苦しそうな顔をして。
「そんな事は分かっているっ…!! あと私に謝るなアキツシマ、
悪いのは愛の呪いをかけられた私だ…」と強く言い放つので。
私はその言葉に、
「ですがその呪いがあったからこそ…。
私達は今こうして愛しあうことが出来るようになりました」
と彼の言葉を否定するかのように言いながら。
彼の太ももの上に顔をのせて、
私を散々犯し貫いてくださったランゼルト様の屹立に優しくズボン越しの口づけを贈ると。
「アキツシマは本当に…誰よりも優しいのだな。だが、
この世界の全ての愛を管理する管理者であり、僕の双子の弟セレンゼルに何度生まれかわろうとも続く、狂気の愛の呪いをかけられた私にはそれは少しだけ苦しい」と、
ランゼルト様はそう私にだけ聞こえる声で言うので。
私はその苦しみをどうやったら癒せるのだろうかと思いながらも。
行動だけは示し続けねばならないと思い…。
太ももの上から顔を上げ、今度は彼の胸の上に頭をのせて。
「でもっ…私はっ…貴方とこうしていたいのです」
と目に涙を浮かべながら、ランゼルト様にぬいぐるみのように抱きつくと。
「…アキっ…やめろっ…いやっ…やめなくていい。お前の気持ちは本当にどこまでも、
どこまでも優しくて甘くて、愛おしくて、今すぐにでも狂いそうになるのだがっ…それでも私は」
とランゼルト様は抱きつく私をぎゅっと抱きしめながら、そう言って。
何度も、何度も私の頬に口づけを、おとしてくれたので…。
私はそんな彼に、心の底から嬉しい時にだけしか見せない笑顔を見せて。
どこまでも、どこまでもこの時が続けば良いと思いながら。
「…ランゼルト様もっと強く抱きしめて…」と。
小さくそう言えば。
「ああっ…」と言って、
ランゼルト様は私を抱き枕にするかのように静かに目を閉じ始めたので。
私もそれに続くかのように、目を閉じて。
極夜に輝く宝石のような美しい街並みが見える、この寝室で…。
彼が目覚めるまで、不思議な不思議な夢をみる。
…そう私は夢を見る。
『私が、モノではなくて…高校生として生きる』
喜劇に見せかけた最高の悲劇を。
私は今日も見るのだ…。
これが遠い昔の出来事だった事すらも、知らずに…。
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