激しくしても良いのに

面蛸とおる

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相思相愛の愚者と人形

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自分の言った返しに真面目にそう返されてしまったので、ちょっとした恥ずかしさを感じつつ、話を逸らす為に彼を朝食に誘えば……。 

「起き抜けに強引だな、まあでも良いよ。秋はお腹空きすぎると機嫌悪くなるからな」
 
「ちょっ……何言ってらっしゃるんですか、そんな事ないですよ! お腹空いたぐらいで機嫌なんか悪くなりませんからね!!」

「それはどうかな? でも……そう言うところも可愛いから、僕は好きだよ。ほんと大好きだからキスしたいな」

「なっ……もうっ……。朝から調子狂うこと言わないでくださいよ、ほら着替えてください、あと今はキス禁止ですから!!」

冗談混じりに揶揄いながら言い放つランゼルト様に、私は『このままでは、朝からベッドで愛し合うコースになってしまう』と予測して、彼のお願いを本当は退けたくないけど……。

これからの絶対に外せない予定の為に、駄目ですからと意思表示すれば。自分の言った返しに真面目にそう返されてしまったので、ちょっとした恥ずかしさを感じつつ、話を逸らす為に彼を朝食に誘えば……。

「仕方がないな、秋がそこまで言うならね。あと、ハムスターみたいにごはんもぐもぐ食べる秋も面白そうだから、それを見るだけの朝もアリだからな」

「何ですか……それ、私そんな面白い感じに食べてないですからね!!」

彼の言葉にそう返しつつ、レストランに行っても恥ずかしくない格好にお互い着替えて。

──仲良く、どうでも良い取り留めのない世間話をひたすら語り合いながら。

南国のリゾートを彷彿する、ハワイアンな内装の廊下を抜けて。
ウクレレの音と鳥たちの歌声が印象的な、バイキングレストランに二人で同時に入ると……。

なんと其処には、私の親代わりでもあり、父でもある誓愛さんとその恋人の昌風さんが待合用のソファーに座っていたので。

思わず、私は。

「父様もこの時間に来ていたんですね、偶然ですね」

「そうだな。というか秋津志摩こそ、こんな朝早くによく起きれたな。父さんビックリだよ」

「いえいえ、私だって偶にはちゃんと起きれますから!! そうですよね、ランゼルト様?」

「嗚呼、勿論」

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