激しくしても良いのに

面蛸とおる

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相思相愛の鏡と姫

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フードショップに着くと人はまばらで、今すぐにでも買えそうだったので。

ルンルン気分で店舗の窓口まで歩き、

「すみません、串焼き二つください」と注文し、財布からお金を出してから。

出来上がっている串焼きを二本受け取って、テスカトルさんが居るはずのあの場所へ戻ろうとすれば。

「お前は…すぐに行動するのはいいが、後先も自分がさっき言った事も忘れるのだな」

「へっ…? さっき言った事ですか? あっ!? 串焼きっ…自分で買っちゃいました、何やってんだ…ですね」

「ほんと、何をやってんだ…だか、俺の事を楽しませようと考えたら、身体が勝手にって感じだろう?」

私がフードショップまで、一人で向かって行った事にテスカトルさんは、心配と寂しさをミキサーでかき混ぜたような声音で問いかけるので。

「勿論ですよ。それ以外で私がすると思いますか?」

「だよな…分かっているからこそ、ふらふらと何処かに行かれると心配だ。誰かに危害を加えられそうで」

「そんな事ないですよ!! ここは夢をみるテーマパークですし、そんな悪い人なんかいないはずです」

私はそうあるわけないですよと言い放つように、喋りながら。
買った串焼きをテスカトルさんに手渡して、近くのベンチでゆっくりと食べようと思い。
とことこと歩いて、木製に見えるけど安全安心設計のプラスチック製のベンチに腰掛ければ。

「えっ…!? 雪白君? うそっ…こんな所で会うなんて、お盆休みぶりだね」

「…テスカトル様、それと雪白。昨日ぶりですね…大変お元気そうで何よりです」と、口々に言う。


秋津志摩さんとランゼルトさんが隣のベンチに居たので。
私はこんな偶然な事があるのでしょうかと、驚いて。

隣に居るテスカトルさんの顔を見れば…。

何か企んでいるような笑みを浮かべていたので。

(もしや、こうなるように…。何か操作したんじゃ? 普通の人なら無理だけど、テスカトルさんなら軽く出来てしまいますし…。でも、ちょっとランゼルトさんに会うの気まずいです)



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