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相思相愛の鏡と姫
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「デートですか!? そうなら早く言ってくださいよ!!」
「すまんな。雪白…なんというかその…お前の昨日の表情がだいぶ辛そうだったからな。言うことすら吹き飛んでいたのだ」
「あっ…。そうですね昨晩はかなり落ち込んでいましたが、ですがもう大丈夫ですよ!! なので、デート行きましょう。こうなれば高速で身支度しなければ」
私はそう言い捨てるように言いながら、衣装棚からメソアメリカ系の民族的デザインのTシャツとジーパンを引っ張り出して。
急ぎ足でお風呂の脱衣所に向かって、テスカトルさんを待たさないように。
テキパキ着替えて、寝癖があまりつかない黒の長髪を櫛で綺麗に数回といてから。リビングに置いてある休日用の鞄を持ち、優しい紫士兄さんがうっかり屋さんの私を思って、リビングのダイニングテーブルの上に置いてくれた私の財布と定期を持って玄関に向かえば。
「そんなに慌てなくとも良いのだが? まあそういうところが雪白らしいが」
「もうテスカトルさんったら…だって、その…ある意味昨夜からお待たせしてたようなものですし」
「確かにそうはなるが、そんな事など些細な問題だ。あとお前、急ぐのは良いが何処へ行くのかぐらいは聞け!! 俺ではないものにもそういう態度していたら、うっかり殺されるぞ」
テスカトルさんはちょっとだけ叱るように言うので、確かに何処に行くのかもわからないのに。
衝動的に行動をして、ここまで来てしまっていたので。
「そうですね!! 今後は気をつけます…で、そのテスカトルさん? 何処に私を連れて行ってくださるのですか?」
「そうだ、気をつけろ。気をつけた方がお前は良い…。あとお前を連れていくのは、遊園地?テーマパークとかいう場所だ。どうやら俺の甥のランゼルトがな、馴染み深い場所にとても似ているそうだからと教えてくれたから、だからお前にも見せたくてな」
「テーマパークですか? あっ…!? わかりました。ゆめみるランドシーの事ですね」
私はそう答えながら、可愛らしい動物のキャラクター達のアニメが元の全世界で最も有名なテーマパークにまさか行くことになるとは思ってはなかったので。
思わず持っていた財布を開けて、手持ちを確認すれば…。
案の定チケット代まではなく、せいぜい食べ歩きフードとポップコーンだけしか楽しめない予算だったので。
「嗚呼…どうしましょう。私、チケット代まで持ってないです…どうしましょう行けそうにないかもしれません」
「…あのな。雪白、なんでお前はそう勝手にすぐ行動するのだ。チケットならもう持っているし、お前は黙って俺について来い!! いいな、金の事など考えず俺だけを考えろ!!じゃないと…拗ねそうになる」
「はい、ごめんなさい。ではそうさせていただきます…テスカトルさん、ほんとありがとうございます。雪白、全力で楽しみますね!」
「すまんな。雪白…なんというかその…お前の昨日の表情がだいぶ辛そうだったからな。言うことすら吹き飛んでいたのだ」
「あっ…。そうですね昨晩はかなり落ち込んでいましたが、ですがもう大丈夫ですよ!! なので、デート行きましょう。こうなれば高速で身支度しなければ」
私はそう言い捨てるように言いながら、衣装棚からメソアメリカ系の民族的デザインのTシャツとジーパンを引っ張り出して。
急ぎ足でお風呂の脱衣所に向かって、テスカトルさんを待たさないように。
テキパキ着替えて、寝癖があまりつかない黒の長髪を櫛で綺麗に数回といてから。リビングに置いてある休日用の鞄を持ち、優しい紫士兄さんがうっかり屋さんの私を思って、リビングのダイニングテーブルの上に置いてくれた私の財布と定期を持って玄関に向かえば。
「そんなに慌てなくとも良いのだが? まあそういうところが雪白らしいが」
「もうテスカトルさんったら…だって、その…ある意味昨夜からお待たせしてたようなものですし」
「確かにそうはなるが、そんな事など些細な問題だ。あとお前、急ぐのは良いが何処へ行くのかぐらいは聞け!! 俺ではないものにもそういう態度していたら、うっかり殺されるぞ」
テスカトルさんはちょっとだけ叱るように言うので、確かに何処に行くのかもわからないのに。
衝動的に行動をして、ここまで来てしまっていたので。
「そうですね!! 今後は気をつけます…で、そのテスカトルさん? 何処に私を連れて行ってくださるのですか?」
「そうだ、気をつけろ。気をつけた方がお前は良い…。あとお前を連れていくのは、遊園地?テーマパークとかいう場所だ。どうやら俺の甥のランゼルトがな、馴染み深い場所にとても似ているそうだからと教えてくれたから、だからお前にも見せたくてな」
「テーマパークですか? あっ…!? わかりました。ゆめみるランドシーの事ですね」
私はそう答えながら、可愛らしい動物のキャラクター達のアニメが元の全世界で最も有名なテーマパークにまさか行くことになるとは思ってはなかったので。
思わず持っていた財布を開けて、手持ちを確認すれば…。
案の定チケット代まではなく、せいぜい食べ歩きフードとポップコーンだけしか楽しめない予算だったので。
「嗚呼…どうしましょう。私、チケット代まで持ってないです…どうしましょう行けそうにないかもしれません」
「…あのな。雪白、なんでお前はそう勝手にすぐ行動するのだ。チケットならもう持っているし、お前は黙って俺について来い!! いいな、金の事など考えず俺だけを考えろ!!じゃないと…拗ねそうになる」
「はい、ごめんなさい。ではそうさせていただきます…テスカトルさん、ほんとありがとうございます。雪白、全力で楽しみますね!」
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