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黒き双子にご注意を
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「ねぇ父様、どうしてあの人間にあそこまで慈悲をお与えになったのですか?」
「どうしたイヴァン…何故そんな事を聞くのだ?」
「父様、父様それに関してはザハールもそう思ってますっ…!!」と、
楓達とはかなり離れた場所でザハールとイヴァンはそう彼に問いかければ。
「…二人揃ってそう思っていたのか、まあそう思うのも仕方がないとは思うから…。
何故この私が、あの人間ごときに慈悲を与えたのかを教えてやろう、
そうそれはあの人間が私に純米酒をふるまったからだ」
「純米酒…ええっ…、それで…」
「嗚呼それで、慈悲を与えたのだ…。だってまさか、
こんな場所でアキツシマが私の為に作った『蜻蛉島』が出てくるなんて思ってもみてなかったからな…いや待て、もしかしたらアキツシマが見越してあの人間に渡していたのかもしれんな」
「えぇぇっー!!!あの人間、ラジーチィリのお酒持ってたの!!ああっ…だから、
父様はここへの招待状を渡すという慈悲をお与えしたのですね。それなら納得です」
イヴァンとザハールそう同時に言いながら、視線を天井の方に向けて。
「流石管理者最強、父上より強いラジーチィリ…そんなラジーチィリが大好き」
と可愛らしくそう交互に言えば。
「あれ?こんなところにランゼルト様が居るなんて、ちょービックリなんだけど!!」
という生意気そうな少年の声が聞こえてきたので。
イヴァンはその聞こえた方向に視線を向けると。
そこには、クセのある金髪と左耳あたりから垂れ下がる三つ編みが、
とても印象的な争いの騎士ルドルフがいたので…。
「あっ…ルドルフ君だ!!わーいようこそっ…!!
今日も顔にあるソバカスと緑の目が良いね」
「なっ…ちょっとイヴァン様、またそれですかっ…!!俺そいうの嫌いなんだけど」
「うふふっ…ごめんねルドルフ君、
イヴァンはそいう風に嫌がる顔見たがりだから…ほんと、ごめんね」
ザハールはそうクスクス笑いながら、
赤いTシャツと青の半パンスタイルのルドルフに挨拶のハグをすると。
ランゼルト様と呼ばれた、イヴァンとザハールの父様は。
さっきまでの雰囲気とは一気に真逆の態度で、こう言葉をかけた。
「争いの騎士…随分と遅かったな。今まで何をしていたのだ?」
「えっ…あっ…すみませんランゼルト様、そのっ…バルテルが、
ちゃんとご飯食べてから行くんだよ!!いいねってしてきてっ…その遅れてしまいました」
ルドルフはそうものすごく怯えた声で答えながら、緑の目を泳がせるので。
「…そこまで思うのなら、さっさと来い」
「すみません、ランゼルト様。このような事は今後一切ないように気をつけます」
「そうしてくれ…。さてと、こんなお話はここでおしまいにして、
お前にしてもらいたいことがあるのだが…」
とランゼルトはそう冷ややかに、無感情に言い放ち。
そして続けて、この世界の死の管理者だから言うことが出来る、
悍ましい制裁の言葉をルドルフに告げた。
「そう、それは…この街の人間を例外なく争わせ、苦痛、怒り、
そして絶望を与えることだ。もちろん出来るだろう?」
「おまかせくださいっ…!!」
ルドルフはそう強く言って、ランゼルト様に見せるようにガッツポーズをすれば。
二人のやりとりを静かに聞いていたイヴァンとザハールは、
キラキラとした目でランゼルトを見て。
嬉しそうにこう叫んだ。
「わわわ、父様はほんとすごいです…。
だからフラントにあの人間と一緒にいてもいいよって言ったのですね」
「ああ、そうだ…あの馬鹿者に少しだけ躾をせねば、主人として良くないからな…」
「ですね。ほんと、騎士のくせに人間なんかに甘い顔するなんて…。
ほんとルドルフ君にその関係ごとズタズタにされるべきですね」
イヴァンはそうニッコリとした天使の笑みで、どこまでも冷たく言い放ち。
今ここには居ない、二人に向けて。
嗜虐的な笑みを、天使の祝福のように贈った…。
「ねぇ父様、どうしてあの人間にあそこまで慈悲をお与えになったのですか?」
「どうしたイヴァン…何故そんな事を聞くのだ?」
「父様、父様それに関してはザハールもそう思ってますっ…!!」と、
楓達とはかなり離れた場所でザハールとイヴァンはそう彼に問いかければ。
「…二人揃ってそう思っていたのか、まあそう思うのも仕方がないとは思うから…。
何故この私が、あの人間ごときに慈悲を与えたのかを教えてやろう、
そうそれはあの人間が私に純米酒をふるまったからだ」
「純米酒…ええっ…、それで…」
「嗚呼それで、慈悲を与えたのだ…。だってまさか、
こんな場所でアキツシマが私の為に作った『蜻蛉島』が出てくるなんて思ってもみてなかったからな…いや待て、もしかしたらアキツシマが見越してあの人間に渡していたのかもしれんな」
「えぇぇっー!!!あの人間、ラジーチィリのお酒持ってたの!!ああっ…だから、
父様はここへの招待状を渡すという慈悲をお与えしたのですね。それなら納得です」
イヴァンとザハールそう同時に言いながら、視線を天井の方に向けて。
「流石管理者最強、父上より強いラジーチィリ…そんなラジーチィリが大好き」
と可愛らしくそう交互に言えば。
「あれ?こんなところにランゼルト様が居るなんて、ちょービックリなんだけど!!」
という生意気そうな少年の声が聞こえてきたので。
イヴァンはその聞こえた方向に視線を向けると。
そこには、クセのある金髪と左耳あたりから垂れ下がる三つ編みが、
とても印象的な争いの騎士ルドルフがいたので…。
「あっ…ルドルフ君だ!!わーいようこそっ…!!
今日も顔にあるソバカスと緑の目が良いね」
「なっ…ちょっとイヴァン様、またそれですかっ…!!俺そいうの嫌いなんだけど」
「うふふっ…ごめんねルドルフ君、
イヴァンはそいう風に嫌がる顔見たがりだから…ほんと、ごめんね」
ザハールはそうクスクス笑いながら、
赤いTシャツと青の半パンスタイルのルドルフに挨拶のハグをすると。
ランゼルト様と呼ばれた、イヴァンとザハールの父様は。
さっきまでの雰囲気とは一気に真逆の態度で、こう言葉をかけた。
「争いの騎士…随分と遅かったな。今まで何をしていたのだ?」
「えっ…あっ…すみませんランゼルト様、そのっ…バルテルが、
ちゃんとご飯食べてから行くんだよ!!いいねってしてきてっ…その遅れてしまいました」
ルドルフはそうものすごく怯えた声で答えながら、緑の目を泳がせるので。
「…そこまで思うのなら、さっさと来い」
「すみません、ランゼルト様。このような事は今後一切ないように気をつけます」
「そうしてくれ…。さてと、こんなお話はここでおしまいにして、
お前にしてもらいたいことがあるのだが…」
とランゼルトはそう冷ややかに、無感情に言い放ち。
そして続けて、この世界の死の管理者だから言うことが出来る、
悍ましい制裁の言葉をルドルフに告げた。
「そう、それは…この街の人間を例外なく争わせ、苦痛、怒り、
そして絶望を与えることだ。もちろん出来るだろう?」
「おまかせくださいっ…!!」
ルドルフはそう強く言って、ランゼルト様に見せるようにガッツポーズをすれば。
二人のやりとりを静かに聞いていたイヴァンとザハールは、
キラキラとした目でランゼルトを見て。
嬉しそうにこう叫んだ。
「わわわ、父様はほんとすごいです…。
だからフラントにあの人間と一緒にいてもいいよって言ったのですね」
「ああ、そうだ…あの馬鹿者に少しだけ躾をせねば、主人として良くないからな…」
「ですね。ほんと、騎士のくせに人間なんかに甘い顔するなんて…。
ほんとルドルフ君にその関係ごとズタズタにされるべきですね」
イヴァンはそうニッコリとした天使の笑みで、どこまでも冷たく言い放ち。
今ここには居ない、二人に向けて。
嗜虐的な笑みを、天使の祝福のように贈った…。
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