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支配の騎士と夜空

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(ーー今日はウィズ・バングか…。確かウィズ・バングはウィスキーベースのカクテルで、

ドライ・ベルモットとかを入れた度数のきついカクテルだったかな…)


(なんというか、流石隆虎さんだな。俺からしたら、こんな高いアルコールのお酒を、

最初の一杯目から飲むなんて…。真似したくても、真似できないよ)


(だって俺、バーテンダーだけどお酒は普通に飲める程度だから…

隆虎さんみたいに度数のきつすぎるお酒とかは、一杯か2杯ぐらいしか飲めない感じなんだよね。

だからほんと、きついお酒も楽しめるカッコいい大人的男に、俺もなりたいよ)と、


そんな小さな願望を頭の中で考えながら、ミキシンググラスに材料を入れて。


上手くいくように願いを込めながら、静かにかき混ぜて。


容器を満たす赤茶色の液体が、綺麗に混ざり溶けるのを、唯々見届けながら、

俺は氷を入れたカクテルグラスにそれを注いだ。


 
(うん。見た感じ上手くいけたかな)



 そう自画自賛しながら、注文してくださった隆虎さんに、


俺は「お待たせしました」と言いながら、ウィズ・バングを手渡すと。


「ありがとう楓」とそう言いながら受け取った隆虎さんは、渡したカクテルグラスに口をつけて、一口飲み。


そして、少し口元に笑みを見せながら、あっという間にカクテルを飲み干した…。

俺はそんな隆虎さんを見て、ホッと安堵しながら、彼にこう話しかける。


「隆虎さん、その…どうでした?」


「うん?ああ…とても俺好みで良かったよ」


 俺のそんな問いかけに、そう気分の言い声音で、隆虎さんは言い返してきたので、思わず俺は。


「本当ですか‼︎」と嬉しさのあまり思わずガッツポーズを、してしまったので…。


 そんな浮かれた俺を見た隆虎さんは、からかうような声音で。


「おいおい。嬉しいからって、そんなことするなよ。本当楓は可愛いな」と、俺をまじまじ見ながら呟くので。


「もう、隆虎さん 俺は可愛くないですから‼︎」と、


 俺は隆虎さんの言葉にそう強く言い返しながら、少しむくれた顔をした。


 何故なら、


(カッコよくて、すごく憧れてる隆虎さんに『可愛いい』って、

からかわれて言われるのが、ちょっとだけ癇に障るからだ)


(だから、なんというか。この人にだけはきちんと見てもらいたいって、

気持ちが、俺の中に強くあるからなのかは分からないけど…。

どうしても、からかわれて言われると、どんなお世辞でも嫌に感じてしまう)


(本当俺、どうしちゃったんだろう…)



 そんなことを頭の中でひたすら思っていたら、不意に



「楓…そうむくれるなよ」と、そう話かける隆虎さんの声が聞こえてきたので、








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