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血を吸われるなら貴方に
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しおりを挟む「なんだアキツシマ? やはり腰が痛むのか…もしそうなら私が優しく診てやろう」
「いえっ…そうではありません…ですが朝から私を意識が飛ぶまでなさるなんて酷いです!!」
と私はそう少し拗ねたような声音で言いながら、口元には笑みを浮かべて、
心配そうな顔付きのランゼルト様に話しかける。
「っ…それは仕方がないだろう…私とて、お前をそこまで抱くつもりではなかったのだが…お前が愛おしすぎて、愛らしすぎる行為をするから…理性が消えてしまっただけだ」
ランゼルト様はそう少し照れたように、言いながらさらに強く私を抱きしめ。
私の顔に自分の顔を近づけて赤く熟れた果実のような唇を舐めるかのように口付けをし始め、私の咥内を舌で熱く、激しく搔きまわすかのような…。
まるでランゼルト様が私に抱いている恋情をそのまま表現した、息もつけぬ激しいキスを。
私はその愛に応えるかのように全て受け入れ…。
口づけによってもたらされる甘く痺れる快感に身を震わせながら、うっとりとトロけた瞳で愛しのランゼルト様を見つめれば。
あまり見ることが出来ないほど余裕のない顔つきで私を見つめていたので…。
私はさらにドキドキと胸を高鳴らせながら目を瞑れば。
「お前っ…僕をどうにかしたいのか?」と言ってくるので。
「…どうにかとはどいう意味でしょうか?」と私はそう答えると。
「…ああもう、そいう所が僕をどうにかさせるのだっー!!お前はさらに腰を痛めたいのかっ…」と。
ランゼルト様はそう怒るように言いながら、唇から唇をはなし。
私の着ている着物をまた朝のように脱がしはじめてくるので…。
「ランゼルト様っ!!もうっ…セレンゼル様みたいなことしないでくださいよっ!!一日に何回すれば気がすむんですか?」と制止させようと、そう怒って言えば。
「…別にアキも僕も人間じゃないんだから、良いだろう?…それともアキツシマはこんな些細なSEXという運動すら出来ない、か弱いものだったのか」
「…わかりました。そうランゼルト様が仰るのなら、貴方を護るモノとして創られ、貴方様より何十倍も強い私が。
貴方様のお相手をさせて頂きます」
「はははっ…そうかならば。再度私の寝屋に来るがいい、そこで再度またたっぷりと、お前に愛を注いでやろう」
ランゼルト様はそう意地悪く言いながら、私から離れ。
後ろで一つに縛った長い髪をなびかせながら、会議室から出ていってしまったので。
一人取り残された私は、さっき自分がいった言葉に恥ずかしさを感じて、思わず顔を真っ赤にさせながら…。
誰も居ない部屋の中で。
「私のばかっー!!煽られたからといって、あんなこと言ってしまうなんてっ!!ほんとばかばかばかっー!!」
とこの後からくるであろう、ランゼルト様との第二ラウンドのことを思いながら。
そう叫んだ。
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