血を吸うなら首を

面蛸とおる

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血を吸われるなら貴方に

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時計のベルの音がかすかに聞こえる。
そのベルの音は、普段聞き慣れないもので…。

何故その音なのかを疑問に思いながら目を覚ませば、
あまり見慣れない美しいヴィクトリア調の天井が目に見えて…。

私はだるく鈍った思考で『何故、私はランゼルト様のベットで寝ているのだろうと…』

まだ覚めきらぬ頭で思いながら上体を起こせば。
なんとそこにはお腹から下にかけてたくさんのキスマークや、首筋に噛み跡。

そして普段ランゼルト様とする時には絶対に痛むことのない乳首がジクジクと甘く痺れていて…。

私はふと自分が朝からランゼルト様とたくさん愛しあい、そしてその愛に耐えきれずそのまま意識を手放したということを思い出し、思わず恥ずかしさと嬉しさで声にならない声で叫びそうになった…。

だが、流石に今が何時かもわからないのに、大声をあげてしまったら周りに迷惑だろうと思い。

私は体に優しくかけてあったシーツで顔を隠しながら、こう呟く。

「…もうランゼルト様ったら、本当に激しいんですよ」

と、心のそこから溢れる幸せを噛み締めるかのように言いながら、
利き手の指でランゼルト様を受け入れたであろう蕾に指を這わせ。

その中に指を入れて掻きまわしてみれば…。

どうやら、中には愛しき人の精液はなく…。

私の身を思って全て綺麗にしてくれた事に感謝を思いながら。

でも少しだけ残念に感じつつ、蕾から指を離した。
そして離した指を、近くにあった布で綺麗に拭いながらベットの側に畳んである。 

 私が朝着ていたであろう紺の着物に腕を通しながら、黒髪を肩まで伸ばしたクセのある髪を綺麗に整え、一所懸命綺麗にし。

  頭の中でひたすら『いちはやく、職務に戻らねば』と思いながら…。  ランゼルト様の部屋から飛び出す勢いで、部屋から出ると。 

 なんと、そこにある景色は夕暮れで。 

 私はあまりのことに驚き。口を大きくあげながら。

 「…そんな。もう夕刻だなんて…ああどうしましょう。今日は管理者全てが集まっての議会があったのに」

「これでは…私がサボったように、思われてしまいます」と焦った声音で呟きながらはや歩きで、皆が集まっているであろう議会室へと向かい、息を切らせながら議会室の扉を勢いよく開けると。

そこには、誰もおらず…。

高級そうな黒革のソファーとダークブラウンの机だけがそこに合ったので。

私は間に合わなかったんですね…と、心の中で呟き。
時間に守れなかったことに少し落ち込みながら、ため息を一つつけば。

なんと、後ろから誰かにだきしめられて…。

私は思わず、護衛としてのクセで臨戦体制に入ろうと身構えた瞬間。

聞きなれた声で、
「アキツシマ…もう起きて大丈夫なのか」と。
優しく言われたので。

私は「ランゼルト様っ…」といいながらその腕に優しく手をかけ。

臨戦体制をすぐさまといた。



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