7 / 7
この身で触れるなら
1(恋愛面がダメな攻めと健気受け)
しおりを挟む手袋越しに伝わる貴方のぬくもりを今日もこの身で感じながら。
ふと『今日も直接触れてはくださらないのですね』と心の中で淋しく思い。
思わず私は、輝く銀色の髪を後ろで一つに縛ったランゼルト様に抱きつきこう言葉をかける。
「もっと…私の近くに…来てください」と。
─そう嬉しそうに笑いながら、蒼い目を幸せそうに輝かせて。
『淋しくなんかない』と自分に言い聞かせながら彼の背中に腕を回せば…。
どうやら私の些細な異変に彼は気がついたようで…。
「どうした、何を不安そうにしている?」と心配そうに話しかけて来るので。
私は唯々彼の特徴的な片方ずつ色が違う赤と紫色の瞳を、じっと見つめながら。
「…不安なんて、ありませんよ。ある訳ないじゃないですか」と言い放つ。
─すると彼は少し怒った声音で「アキツシマ嘘をつくのはやめろ…。
そんな偽りの言葉など私には見え透いてるぞ」とそう答えてくるので。
「っ…。なんですかそれ」と私は思わず彼の言葉にそう返して。
彼の胸を優しく一、二回叩いた…。
「こらこらアキツシマ。あまり私を叩くな、お前は管理者の中で一番強いのを忘れたのか」
「いえそれは忘れてはおりませんよ。ですが、これは私の気持ちだと思ってお受けください」
私はそう言いながら獣の耳のようにはねたクセのある黒髪を、振り回すかのように揺らし…。
彼の居る方向とは違う場所に視線を向ける。
「アキ、そう怒るな…。愛しいお前の顔が見えなくなるのは流石に辛い」
「私は、別に怒ってなどおりません!」
「なら何で私を見ない…。そんなに私の顔は気に入らぬと云うのか」
彼はそう苛立ったような声を出しながら、私の顔に手をかけてくるので。
私はそんな彼の行動に、少し戸惑った 表情を見せて…。
(…ほんとイジワルな人っ…。私はただ貴方に直接触れて欲しいだけなのに…)と、
そう心の中で彼への不満を爆発させると。
─そんな私の思いなど、全てわかっているぞというかのように…。
ランゼルト様は赤く色付く私の唇を、黒手袋をはめた指で優しく一度だけ撫でてから。
綺麗にはめている黒の手袋を、私に見せつけるかのようにゆっくりと外し…。
─私の頬を、その剥き出しになった日焼けすらない手で。
優しく、撫でるように触り始めてきたので…。
私はその行為に、嬉しさを感じて「なっ…何をなさるのですか?…っこんなのらめぇですっ!」
と歓喜の声をあげながら、うっとりとした目で彼を見つめると。
「ダメなのか?…やはり私になど触れられたくないのだな」と彼は検討違いなことを言い始めたので…。
「そうじゃないです…違います。違うんですランゼルト様」と私はそう訂正するかのように言いながら。
━もう本当に恋愛方面はダメなんだからと心の中でぼやきつつ。
優しく撫でる彼の温かな手の感触に、この身を震わせながら…。
口元に幸せそうな笑みを浮かべると。
そんな私をずっと見ていたランゼルト様は、
「そうか…なら良い。…やはりお前は笑っている方が美しいのだな」
とそう甘く囁くように言いながら、私と同じぐらい嬉しそうな顔を見せてくれたので。
私は堪らず「もうっ…ランゼルト様ったら、そんな恥ずかしいこと言わないでくださいよ」と
そう彼に答えて、嬉しそうに笑う彼の唇に深い口づけを贈ると。
どうやら、その行為が彼にとっては以外だったようで…。
「アキっ…可愛いことはやめろ、可愛すぎて悶えておかしくなりそうだ」
とランゼルト様は、ジリルミストが見たら二度見するような、かなり照れた顔でそう言うので。
私は心の中だけで、ランゼルト様も可愛いですよと思いながら…。
そんな彼にこの身を捧げるために。
身にまとった緑色の着物を脱ぎ捨てて…。
─めくるめくる夜の甘き夢を、二人だけで見ようと思い。
部屋の明かりを静かに消せば…。
すぐさま彼は私の肌に赤い印をつけ始め、気がつけば首もお腹も赤く染まっていたので…。
私は思わず苦情めいた「こんなにしないでください」と云う言葉を彼の与える愛撫に感じながらそう彼に伝えると。
「それは無理な相談だな」とニヤリと意地悪く言い返されてしまい。
私は「もうランゼルト様っ…」とさらに言い返せば。
彼はやわやわと揉んでいた私のお尻を、いきなり強く掴んで揉み始めたので…。
私は堪らず「ラーニャのエッチ…変態」と怒りながら、そう彼に言葉を返すと。
「エッチで悪いか…変態でも構わんだろう…。私だってな本来だったらこんなことなどしてなどないのだ…。だがお前が、お前が可愛くて愛おしくて、堪らないのがいけないのだっ…それに私がこうなる事をお前はわかっているだろう…」と今にでも暴れ出しそうな愛を、必死に抑えつけるかのように彼はそう言うので。
私はそんな彼に『ラーニャ大丈夫?無理させてごめんなさい…』というかのように、今度は私から彼の頰に手をあてて…。
優しく微笑みながら、こう語りかけた。
「…私も…あなたのことが堪らなく愛おしくて大好きです。…だからお願い、私の中にきてラーニャ」
「っな…お前っ…何をいうのだ…くそっ理性が保たんっ…」
「ラーニャっ…ラーニャっ…大丈夫、大丈夫だからアキを…孕まして、アキのお腹を貴方様の愛で一杯にして欲しいの…」
「っ…!!!!!!」と、
そうランゼルト様は声にならない声を上げて。
まるで人が変わったかのように、いきり勃った大きくて太い屹立を。
私のお尻の蕾に何度も、何度も挿れて…。
激しく私の中をかき回すかのように荒々しく、攻めたて淫らに犯すので…。
─私はいつも冷静で落ち着きのあるランゼルト様が、
こんなに乱れて一心不乱に私を求めてくださると言うことに言い知れぬ嬉しさを感じ…。
思わず歓喜の涙を瞳に浮かべながら、何度もくる絶頂に意識を飛ばし…。
彼のたっぷり詰まった愛をこの身に受けれる幸せに唯々感謝しながら、
目に溢れる涙をポロポロとこぼして、こう思う。
(━嗚呼これが、幸福的で幸せな時なのだと…)
0
お気に入りに追加
21
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
クソザコ乳首アクメの一日
掌
BL
チクニー好きでむっつりなヤンキー系ツン男子くんが、家電を買いに訪れた駅ビルでマッサージ店員や子供や家電相手にとことんクソザコ乳首をクソザコアクメさせられる話。最後のページのみ挿入・ちんぽハメあり。無様エロ枠ですが周りの皆さんは至って和やかで特に尊厳破壊などはありません。フィクションとしてお楽しみください。
pixiv/ムーンライトノベルズにも同作品を投稿しています。
なにかありましたら(web拍手)
http://bit.ly/38kXFb0
Twitter垢・拍手返信はこちらから
https://twitter.com/show1write
公開凌辱される話まとめ
たみしげ
BL
BLすけべ小説です。
・性奴隷を飼う街
元敵兵を性奴隷として飼っている街の話です。
・玩具でアナルを焦らされる話
猫じゃらし型の玩具を開発済アナルに挿れられて啼かされる話です。
珍しい魔物に孕まされた男の子が培養槽で出産までお世話される話
楢山コウ
BL
目が覚めると、少年ダリオは培養槽の中にいた。研究者達の話によると、魔物の子を孕んだらしい。
立派なママになるまで、培養槽でお世話されることに。
召喚された美人サラリーマンは性欲悪魔兄弟達にイカされる
KUMA
BL
朱刃音碧(あかばねあおい)30歳。
ある有名な大人の玩具の開発部門で、働くサラリーマン。
ある日暇をモテ余す悪魔達に、逆召喚され混乱する余裕もなく悪魔達にセックスされる。
性欲悪魔(8人攻め)×人間
エロいリーマンに悪魔達は釘付け…『お前は俺達のもの。』
鍵っ子少年のはじめて
Ruon
BL
5時45分頃、塾帰りのナツキは見知らぬ男の人に後をつけられていると知らずに帰宅した瞬間、家に押し入られてしまう。
両親の帰ってくるまで二時間、欲塗れの男にナツキは身体をいやらしく開発されてしまう。
何も知らない少年は、玩具で肉棒で、いやらしく堕ちていく─────。
※本作品は同人誌『鍵っ子少年のはじめて』のサンプル部分となります。
奴隷騎士の雄っぱい牧場
丸井まー(旧:まー)
BL
敗戦国の騎士リンデは、敵兵に捕らえられ、奴隷となった。リンデは、他の者達と共に移送された先の施設で、何故の注射をされた。それから平穏な日々を過ごしていたリンデ達だが、ある日から乳が出るようになり、毎日雌牛のように乳を搾られるようになった。奴隷となった騎士リンデは、貴族の男に買われ、美しい男ダーナディルに乳を飲ませることになった。奴隷騎士の搾乳雌堕ちデイズ!
※てんつぶ様主催の「奴隷騎士アンソロジー」に寄稿させていただいた作品です。
※ムーンライトノベルズさんでも公開しております。
ゆるふわメスお兄さんを寝ている間に俺のチンポに完全屈服させる話
さくた
BL
攻め:浩介(こうすけ)
奏音とは大学の先輩後輩関係
受け:奏音(かなと)
同性と付き合うのは浩介が初めて
いつも以上に孕むだのなんだの言いまくってるし攻めのセリフにも♡がつく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
作品登録しときますね(^^)
ありがとうございます