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第六話姫と休息を
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「ふうっ…やっと少し落ち着けそうだね」
「うん、そうだね姫っ…やっと落ち着ける」
俺はそう言ったと同時に、美しい模様が描かれた絨毯にダイブするかのように、
目的の場所に倒れ込めば…。
「ちょっと…騎冬っ…そんな風にしたら危ないよ」
「大丈夫、大丈夫だよ姫。ほらこの通り平気だぜ!」
「平気って…そんな可愛く言っても、危ないものは危ないよ…。
だって、騎冬が今狙われてるんだよ」
紫士は絶望して目が死んだゲームのヒロインのような顔をしながら言って、
俺の上に覆いかぶさるように倒れてくるので。
「ちょっと姫っ…これじゃあ、俺が姫になっちゃうよ」
「…ここで、姫と騎士が入れ替わるのもドラマチックで良いと思うけどね。
私の可愛い、姫騎冬」
「ばっ…馬鹿馬鹿っ…やめろよ!!は、恥ずかしいっ…。
俺が姫なんて、無理無理っ…はずいもん」
俺はそう顔を真っ赤にしながら、
俺を押し倒したような姿勢でかっこよく笑う紫士に返せば。
「本当に無理なの…?本当は、
騎士じゃなくて姫になりたいんじゃないの?」
「そんな事あるわけないだろう…。俺は騎冬なんだから、
騎士のようにいなくちゃダメって、
家族にもそう言われてるんだよっ…!!だから俺は騎士なんだ。
じゃないと…俺っ…」
「嫌われるっ…って、そう思ってるよね騎冬は」
まさか俺が言う言葉を、先に紫士に言われるとは思っていなかったので。
俺は目が点になりながら…。
「どうして、分かるんだよ…。紫士は一体何者なんだよ…」
「私は…そうだね。君の姫であり…君の事ならなんでも分かる者だよ。
そう…私は君の事ならなんでも分かるさ、だってこの学校で始めて君を見た時からずっと、
騎冬の事だけを見て、調べているのだから分からない訳ないさ」
「なっ…えっ…それって、もしかして俺のうまれとかも知ってるのか?」
「もちろんだよ騎冬。君が生まれたと同時に両親に捨てられて、
祖父母に育てられた事も、それ以外の事も知ってるさ」
紫士はそう何もかもお見通しと宣告するように言いながら、俺の頰を優しく撫でるので。
言ってる事とやってることのあまりの違いに、俺は…。
訳もわからず泣いてしまって。
「あっ…くっ…。やめろっ…俺を見ないで、俺の全てを知らないでっ…」
とポロポロと泣きながら、紫士の青い瞳をじっと見つめれば。
「ごめんね騎冬…。でも君の事が好きで、
好きで好きで好きで好きで好きで好きでどうしても知りたくなるんだ。
だからごめんね許してほしい…。そのかわりに、私の全てを君だけに教えてあげるから」
紫士はそう言って、頰から手を離して。
俺の唇に優しいキスを一度だけしてから…。
「聞いて騎冬…私、姫氏原紫士は、
三騎冬の事以外をどうでも良いと思っているぐらい愛しています。
そう、今こことは違う場所にいる雪白の事ですら…。騎冬を困らせるなら、
死ねば良いとも思っているよ…」
「えっ…ええええええぇええええっ…!!ちょっとまって紫士、
それって、もしかしてアンタ、俺に…ヤンデレなのかよ」
紫士の告白に俺は素っ頓狂な声を出して、
ゲームとかでよくあるヤンデレ属性のヒロイン達を脳裏で思い浮かべれば…。
確かに、出会った時から少し…いやだいぶそいう態度をしていたなと。
今になって、全てを理解して。
「うん、そうだね姫っ…やっと落ち着ける」
俺はそう言ったと同時に、美しい模様が描かれた絨毯にダイブするかのように、
目的の場所に倒れ込めば…。
「ちょっと…騎冬っ…そんな風にしたら危ないよ」
「大丈夫、大丈夫だよ姫。ほらこの通り平気だぜ!」
「平気って…そんな可愛く言っても、危ないものは危ないよ…。
だって、騎冬が今狙われてるんだよ」
紫士は絶望して目が死んだゲームのヒロインのような顔をしながら言って、
俺の上に覆いかぶさるように倒れてくるので。
「ちょっと姫っ…これじゃあ、俺が姫になっちゃうよ」
「…ここで、姫と騎士が入れ替わるのもドラマチックで良いと思うけどね。
私の可愛い、姫騎冬」
「ばっ…馬鹿馬鹿っ…やめろよ!!は、恥ずかしいっ…。
俺が姫なんて、無理無理っ…はずいもん」
俺はそう顔を真っ赤にしながら、
俺を押し倒したような姿勢でかっこよく笑う紫士に返せば。
「本当に無理なの…?本当は、
騎士じゃなくて姫になりたいんじゃないの?」
「そんな事あるわけないだろう…。俺は騎冬なんだから、
騎士のようにいなくちゃダメって、
家族にもそう言われてるんだよっ…!!だから俺は騎士なんだ。
じゃないと…俺っ…」
「嫌われるっ…って、そう思ってるよね騎冬は」
まさか俺が言う言葉を、先に紫士に言われるとは思っていなかったので。
俺は目が点になりながら…。
「どうして、分かるんだよ…。紫士は一体何者なんだよ…」
「私は…そうだね。君の姫であり…君の事ならなんでも分かる者だよ。
そう…私は君の事ならなんでも分かるさ、だってこの学校で始めて君を見た時からずっと、
騎冬の事だけを見て、調べているのだから分からない訳ないさ」
「なっ…えっ…それって、もしかして俺のうまれとかも知ってるのか?」
「もちろんだよ騎冬。君が生まれたと同時に両親に捨てられて、
祖父母に育てられた事も、それ以外の事も知ってるさ」
紫士はそう何もかもお見通しと宣告するように言いながら、俺の頰を優しく撫でるので。
言ってる事とやってることのあまりの違いに、俺は…。
訳もわからず泣いてしまって。
「あっ…くっ…。やめろっ…俺を見ないで、俺の全てを知らないでっ…」
とポロポロと泣きながら、紫士の青い瞳をじっと見つめれば。
「ごめんね騎冬…。でも君の事が好きで、
好きで好きで好きで好きで好きで好きでどうしても知りたくなるんだ。
だからごめんね許してほしい…。そのかわりに、私の全てを君だけに教えてあげるから」
紫士はそう言って、頰から手を離して。
俺の唇に優しいキスを一度だけしてから…。
「聞いて騎冬…私、姫氏原紫士は、
三騎冬の事以外をどうでも良いと思っているぐらい愛しています。
そう、今こことは違う場所にいる雪白の事ですら…。騎冬を困らせるなら、
死ねば良いとも思っているよ…」
「えっ…ええええええぇええええっ…!!ちょっとまって紫士、
それって、もしかしてアンタ、俺に…ヤンデレなのかよ」
紫士の告白に俺は素っ頓狂な声を出して、
ゲームとかでよくあるヤンデレ属性のヒロイン達を脳裏で思い浮かべれば…。
確かに、出会った時から少し…いやだいぶそいう態度をしていたなと。
今になって、全てを理解して。
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