16 / 17
やっと逢えたね
16
しおりを挟む
「心臓に悪いねかっ……あっ……!? そう言えばヴィクトル、足の痛みはどうなの? 君のはしゃぎようで、すっかり忘れてたんだけど。どんな感じなのかな」
「……へぇ、何だよ覚えてたのかよ。足の痛みか……俺痛いのには慣れ過ぎてるから、正直よくわかんないけど。歩くとちょっと痛いって感じだけどさ……。それよりも心臓がずっと変な感じでっ……」
俺は自身の心臓の上に手をゆっくりあてて、そう素っ気なく言葉を吐いてから。
近くにあった柔らかで真っ白なベットに腰掛けて。
──俺の事を心配してくれる初めての他人に、弱音を吐いても良いのだろうか?
それとも弱音を吐かずに、その優しさを突っぱねるべきなのだろうか?
いやでも……弱った俺をさらに虐めて、アイツらにみたいに酷い事してくるかもしれない。
もしそうだったら、こわっ……い? いや違う怖くないっ……むしろアレクセイになら酷い事されても良いと思える。
だってよくよく考えたら彼は、俺が辛くて痛い出来事があった時に思い浮かべる。
『銀髪の怪しいドSの美青年』に物凄く近かったから、今日起きた身体的な痛みは全部彼にされたんだと思えば。
足の痛みでさえも、甘く甘美なものに感じてきて……。
自分のマゾヒスト的な欲求に、情けなさを感じつつも。
痛い目にしか合わない人生でしか生きれない自分が、唯一救われる為にそうなった嗜虐的思考を少しずつ解放しながら。
「痛くて、苦しいっ……でも、これはいつもあるから大丈夫。我慢出来るから、アンタが心配する事はないからな」
そう強く言い放ちながら、精神的ストレスで不規則に脈を打つ心臓の痛みに甘く耐えつつ。
毅然とした態度を見せて、俺は本当に大丈夫だよと言うように、にこりと笑って見せれば。
「……そう言われても、心配するよ。というかむしろ……治してやりたい。いや違う、治させろ! 僕はもう我慢ならないんだ!! 大切な君が、僕以外の誰かに痛めつけられてるのは……!!ああもう、耐えられない!! 早く君から汚い証を消したい……」
アレクセイは心の叫びを吐き出すような声音で、言葉を叩きつけるように言い放ってから。
ベットに腰掛ける俺を、勢いよく押し倒して……。
俺のブラウン色のコートを綺麗に脱がしながら、ネクタイと土埃などで少し汚れてしまったカッターシャツも外して行くので。
「なっ……やだっ……やめて、服脱がさないでっ……酷いからっ……見られたくない」と、俺は彼に素肌が見られる事に恐怖を感じながら、ふるふると首を横に振ってそう答えてから。
心の中で続けてこう叫んだ。
「……へぇ、何だよ覚えてたのかよ。足の痛みか……俺痛いのには慣れ過ぎてるから、正直よくわかんないけど。歩くとちょっと痛いって感じだけどさ……。それよりも心臓がずっと変な感じでっ……」
俺は自身の心臓の上に手をゆっくりあてて、そう素っ気なく言葉を吐いてから。
近くにあった柔らかで真っ白なベットに腰掛けて。
──俺の事を心配してくれる初めての他人に、弱音を吐いても良いのだろうか?
それとも弱音を吐かずに、その優しさを突っぱねるべきなのだろうか?
いやでも……弱った俺をさらに虐めて、アイツらにみたいに酷い事してくるかもしれない。
もしそうだったら、こわっ……い? いや違う怖くないっ……むしろアレクセイになら酷い事されても良いと思える。
だってよくよく考えたら彼は、俺が辛くて痛い出来事があった時に思い浮かべる。
『銀髪の怪しいドSの美青年』に物凄く近かったから、今日起きた身体的な痛みは全部彼にされたんだと思えば。
足の痛みでさえも、甘く甘美なものに感じてきて……。
自分のマゾヒスト的な欲求に、情けなさを感じつつも。
痛い目にしか合わない人生でしか生きれない自分が、唯一救われる為にそうなった嗜虐的思考を少しずつ解放しながら。
「痛くて、苦しいっ……でも、これはいつもあるから大丈夫。我慢出来るから、アンタが心配する事はないからな」
そう強く言い放ちながら、精神的ストレスで不規則に脈を打つ心臓の痛みに甘く耐えつつ。
毅然とした態度を見せて、俺は本当に大丈夫だよと言うように、にこりと笑って見せれば。
「……そう言われても、心配するよ。というかむしろ……治してやりたい。いや違う、治させろ! 僕はもう我慢ならないんだ!! 大切な君が、僕以外の誰かに痛めつけられてるのは……!!ああもう、耐えられない!! 早く君から汚い証を消したい……」
アレクセイは心の叫びを吐き出すような声音で、言葉を叩きつけるように言い放ってから。
ベットに腰掛ける俺を、勢いよく押し倒して……。
俺のブラウン色のコートを綺麗に脱がしながら、ネクタイと土埃などで少し汚れてしまったカッターシャツも外して行くので。
「なっ……やだっ……やめて、服脱がさないでっ……酷いからっ……見られたくない」と、俺は彼に素肌が見られる事に恐怖を感じながら、ふるふると首を横に振ってそう答えてから。
心の中で続けてこう叫んだ。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
あなたの隣で初めての恋を知る
ななもりあや
BL
5歳のときバス事故で両親を失った四季。足に大怪我を負い車椅子での生活を余儀なくされる。しらさぎが丘養護施設で育ち、高校卒業後、施設を出て一人暮らしをはじめる。
その日暮らしの苦しい生活でも決して明るさを失わない四季。
そんなある日、突然の雷雨に身の危険を感じ、雨宿りするためにあるマンションの駐車場に避難する四季。そこで、運命の出会いをすることに。
一回りも年上の彼に一目惚れされ溺愛される四季。
初めての恋に戸惑いつつも四季は、やがて彼を愛するようになる。
表紙絵は絵師のkaworineさんに描いていただきました。

記憶の代償
槇村焔
BL
「あんたの乱れた姿がみたい」
ーダウト。
彼はとても、俺に似ている。だから、真実の言葉なんて口にできない。
そうわかっていたのに、俺は彼に抱かれてしまった。
だから、記憶がなくなったのは、その代償かもしれない。
昔書いていた記憶の代償の完結・リメイクバージョンです。
いつか完結させねばと思い、今回執筆しました。
こちらの作品は2020年BLOVEコンテストに応募した作品です

巻き戻りした悪役令息は最愛の人から離れて生きていく
藍沢真啓/庚あき
BL
婚約者ユリウスから断罪をされたアリステルは、ボロボロになった状態で廃教会で命を終えた……はずだった。
目覚めた時はユリウスと婚約したばかりの頃で、それならばとアリステルは自らユリウスと距離を置くことに決める。だが、なぜかユリウスはアリステルに構うようになり……
巻き戻りから人生をやり直す悪役令息の物語。
【感想のお返事について】
感想をくださりありがとうございます。
執筆を最優先させていただきますので、お返事についてはご容赦願います。
大切に読ませていただいてます。執筆の活力になっていますので、今後も感想いただければ幸いです。
他サイトでも公開中
美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした
亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。
カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。
(悪役モブ♀が出てきます)
(他サイトに2021年〜掲載済)

罰ゲームって楽しいね♪
あああ
BL
「好きだ…付き合ってくれ。」
おれ七海 直也(ななみ なおや)は
告白された。
クールでかっこいいと言われている
鈴木 海(すずき かい)に、告白、
さ、れ、た。さ、れ、た!のだ。
なのにブスッと不機嫌な顔をしておれの
告白の答えを待つ…。
おれは、わかっていた────これは
罰ゲームだ。
きっと罰ゲームで『男に告白しろ』
とでも言われたのだろう…。
いいよ、なら──楽しんでやろう!!
てめぇの嫌そうなゴミを見ている顔が
こっちは好みなんだよ!どーだ、キモイだろ!
ひょんなことで海とつき合ったおれ…。
だが、それが…とんでもないことになる。
────あぁ、罰ゲームって楽しいね♪
この作品はpixivにも記載されています。

そんなの真実じゃない
イヌノカニ
BL
引きこもって四年、生きていてもしょうがないと感じた主人公は身の周りの整理し始める。自分の部屋に溢れる幼馴染との思い出を見て、どんなパソコンやスマホよりも自分の事を知っているのは幼馴染だと気付く。どうにかして彼から自分に関する記憶を消したいと思った主人公は偶然見た広告の人を意のままに操れるというお香を手に幼馴染に会いに行くが———?
彼は本当に俺の知っている彼なのだろうか。
==============
人の証言と記憶の曖昧さをテーマに書いたので、ハッキリとせずに終わります。

もういいや
ちゃんちゃん
BL
急遽、有名で偏差値がバカ高い高校に編入した時雨 薊。兄である柊樹とともに編入したが……
まぁ……巻き込まれるよね!主人公だもん!
しかも男子校かよ………
ーーーーーーーー
亀更新です☆期待しないでください☆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる