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俺と一緒に年を越すの?
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「今年も……アレクセイと二人っきりで年越か……」
この箱庭世界では、ほぼ存在しないと言われている黒髪蒼目のヴィクトルは。
そう今年最後のバー納めとして訪れたCOWARDのカウンター席で、ぼやくように小さく呟けば。
「ちょっとヴィクトル? 僕と一緒に新しい年を迎えるのは嫌みたいな事言わないでよね。君に言われるとものすごく傷つくな……というか、君のこの後の返答次第では……今年で最期にしても良い気分にもなる」とすぐ側で度数の高価そうなお酒を優雅に飲んでいた、金のような銀色の髪をショートにまとめた左右で赤と紫という猛烈に珍しくもあり、どこか闇を抱えたミステリアスな瞳を持つアレクセイは。前半は明るく楽しげだったが、後半につれてどんどん冷やかに冷淡に言い返すので。
ヴィクトルはそんな彼の反応に焦った表情と素ぶりを見せて、思いっきり否定するかのように……。
「バカっ……!? べ、別に俺は!! 嫌って言ってないし、というかなむしろ……俺なんかと今年も一緒で良いのかよ、アンタは貴族様なんだぞ? なんかそう言う高貴な集まりとかしなくて良いのかよって思ってさ……」
「ああ、成る程。その事は君は気にしなくても良いよ……。今年も僕の大切な弟オレーグにその手のは任せて来てるから、大丈夫かな。まあでも色々とそっち方面は明後日にするから。今日と明日だけはヴィクトルの側に、こうやってずっと居たいな」
「なっ……何を言ってんだよな、ほんとアレクセイは変わり者だよな。俺みたいなこの世界で生きているだけで蔑まされる邪悪の象徴みたいな容姿の俺を、年の始めに置いときたいなんてさ」
ヴィクトルはそうツンと素っ気なく言いながらも、髪を綺麗に切りそろえたぱっつんヘアーが特徴的で、ポニーの尻尾のような短いポニーテールがトレードマークでもある。このバーで最も優れたバーテンダーであるロブロイに、取り敢えずふと目についたメニューとして。
カクテルのキャロルを指差して、一杯だけくれと合図を送れば……。
ロブロイはそれに笑って答え、一回だけ会釈をしてから。
手際の良い動きでカクテルを作り、あっという間にヴィクトルの元へキャロルを送り届けてから。
「……ヴィクトルさん、そんなに自分の事を悪く言わなくても良いと思いますよ。俺からしたら貴方の姿はこの世界で最も慈悲深くて、美して、気高くて、どんな勝負事にも勝てそうな感じがしますから」
「ちょっ……何を言ってんだよ、俺そんな風なんかじゃないから……」
「それはどうかな? 僕も君のことはこの世界で最も美して、気高くて、愛らしいと思ってるから。素直に受け入れると良いよ。と言うか、ここに居る者達は全員ヴィクトルを邪悪の化身なんかとは思わないよ。だってむしろ……僕たちの方が……いや、これは今言うのはやめとこう」
アレクセイはそう言い放ちながら、カクテルを受け取って飲もうとしていたヴィクトルを。
──後ろからぎゅっと抱きしめてからそっと、唇に甘い口づけを。
深く深く、苦しみも悲しみも全て奪い去るように……激しく官能的に落とせば。
「っ……もうなんだよな。カクテル飲む前から、アンタで酔いそうなんだけど。つうか……マスターが居ないからってさ。アンタ大胆すぎるぞ、こんなエッチなキスすんなよバカ!! アンタ自分がその手のめちゃくちゃ上手い事忘れんなよな、嗚呼ほんと信じらんねぇ!! つうかアレクセイのせいでちょっと勃ったんだけど……」
「あはは、ごめんね……でも君が可愛いから仕方がないよね。 ほんと感じやすいよね、まあ……どんな鈍感でも感じて気持ちよくなるように触ってるから当然の反応だけど。僕によって乱れる君を見るのは心が澄み渡る程良い光景だよ」
この箱庭世界では、ほぼ存在しないと言われている黒髪蒼目のヴィクトルは。
そう今年最後のバー納めとして訪れたCOWARDのカウンター席で、ぼやくように小さく呟けば。
「ちょっとヴィクトル? 僕と一緒に新しい年を迎えるのは嫌みたいな事言わないでよね。君に言われるとものすごく傷つくな……というか、君のこの後の返答次第では……今年で最期にしても良い気分にもなる」とすぐ側で度数の高価そうなお酒を優雅に飲んでいた、金のような銀色の髪をショートにまとめた左右で赤と紫という猛烈に珍しくもあり、どこか闇を抱えたミステリアスな瞳を持つアレクセイは。前半は明るく楽しげだったが、後半につれてどんどん冷やかに冷淡に言い返すので。
ヴィクトルはそんな彼の反応に焦った表情と素ぶりを見せて、思いっきり否定するかのように……。
「バカっ……!? べ、別に俺は!! 嫌って言ってないし、というかなむしろ……俺なんかと今年も一緒で良いのかよ、アンタは貴族様なんだぞ? なんかそう言う高貴な集まりとかしなくて良いのかよって思ってさ……」
「ああ、成る程。その事は君は気にしなくても良いよ……。今年も僕の大切な弟オレーグにその手のは任せて来てるから、大丈夫かな。まあでも色々とそっち方面は明後日にするから。今日と明日だけはヴィクトルの側に、こうやってずっと居たいな」
「なっ……何を言ってんだよな、ほんとアレクセイは変わり者だよな。俺みたいなこの世界で生きているだけで蔑まされる邪悪の象徴みたいな容姿の俺を、年の始めに置いときたいなんてさ」
ヴィクトルはそうツンと素っ気なく言いながらも、髪を綺麗に切りそろえたぱっつんヘアーが特徴的で、ポニーの尻尾のような短いポニーテールがトレードマークでもある。このバーで最も優れたバーテンダーであるロブロイに、取り敢えずふと目についたメニューとして。
カクテルのキャロルを指差して、一杯だけくれと合図を送れば……。
ロブロイはそれに笑って答え、一回だけ会釈をしてから。
手際の良い動きでカクテルを作り、あっという間にヴィクトルの元へキャロルを送り届けてから。
「……ヴィクトルさん、そんなに自分の事を悪く言わなくても良いと思いますよ。俺からしたら貴方の姿はこの世界で最も慈悲深くて、美して、気高くて、どんな勝負事にも勝てそうな感じがしますから」
「ちょっ……何を言ってんだよ、俺そんな風なんかじゃないから……」
「それはどうかな? 僕も君のことはこの世界で最も美して、気高くて、愛らしいと思ってるから。素直に受け入れると良いよ。と言うか、ここに居る者達は全員ヴィクトルを邪悪の化身なんかとは思わないよ。だってむしろ……僕たちの方が……いや、これは今言うのはやめとこう」
アレクセイはそう言い放ちながら、カクテルを受け取って飲もうとしていたヴィクトルを。
──後ろからぎゅっと抱きしめてからそっと、唇に甘い口づけを。
深く深く、苦しみも悲しみも全て奪い去るように……激しく官能的に落とせば。
「っ……もうなんだよな。カクテル飲む前から、アンタで酔いそうなんだけど。つうか……マスターが居ないからってさ。アンタ大胆すぎるぞ、こんなエッチなキスすんなよバカ!! アンタ自分がその手のめちゃくちゃ上手い事忘れんなよな、嗚呼ほんと信じらんねぇ!! つうかアレクセイのせいでちょっと勃ったんだけど……」
「あはは、ごめんね……でも君が可愛いから仕方がないよね。 ほんと感じやすいよね、まあ……どんな鈍感でも感じて気持ちよくなるように触ってるから当然の反応だけど。僕によって乱れる君を見るのは心が澄み渡る程良い光景だよ」
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