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ノータイトル
どうして?7
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「怖いことをまた言って……。冗談でもキツイぜ?」
「そう思い込みたいならどうぞ、でも……もしもの時は頑張って逃げてね!」
嘘か本当かを見極めるには、かなり曖昧なニュアンスの言い回しで彼はそう答えてから。
容赦なんか知らない言葉のような態度で、俺を抱き抱えて。
──大事なモノを運ぶように、肩に俺を乗せながら……。
スタスタと歩いて、このバーから出て行こうとして、黒にくすんだ金色がアクセントになっているアールデコ調の扉に手をかけてから。
「楓、後は任せた……。あと、お金は最初のアレで足りたよね?」
「はい、勿論です。むしろ多いぐらいですね」
「そうか、ならフラントと一緒に残りは使うと良い。久しぶりに二人だけで、このバーで飲み明かせばいい……。あとこれは僕からの命令だから、必ずするように! 勿論出来るよね?」
「当たり前じゃないですか!! むしろ、良いのですか?」
ロブロイさんは目を輝かせながら、嬉しげに答えるその姿に。
──ふと一瞬だけ、既視感を感じて。
一体何処で見たんだろうと、そう考え終わる前に。
我が道を行く男であるアレクセイに、ガチャリと扉を開けられてしまい。
「良いよ。たまには羽を伸ばせばいい。では、また新月の夜に」とそう答えてから、先が真っ暗で何にも見えない扉の中へと……。
俺を抱えて、道が見えるかのように歩き出すのだった。
「そう思い込みたいならどうぞ、でも……もしもの時は頑張って逃げてね!」
嘘か本当かを見極めるには、かなり曖昧なニュアンスの言い回しで彼はそう答えてから。
容赦なんか知らない言葉のような態度で、俺を抱き抱えて。
──大事なモノを運ぶように、肩に俺を乗せながら……。
スタスタと歩いて、このバーから出て行こうとして、黒にくすんだ金色がアクセントになっているアールデコ調の扉に手をかけてから。
「楓、後は任せた……。あと、お金は最初のアレで足りたよね?」
「はい、勿論です。むしろ多いぐらいですね」
「そうか、ならフラントと一緒に残りは使うと良い。久しぶりに二人だけで、このバーで飲み明かせばいい……。あとこれは僕からの命令だから、必ずするように! 勿論出来るよね?」
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一体何処で見たんだろうと、そう考え終わる前に。
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「良いよ。たまには羽を伸ばせばいい。では、また新月の夜に」とそう答えてから、先が真っ暗で何にも見えない扉の中へと……。
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