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どんな○○をしてるの?

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「ヴィクトル、こっち来いよ!! お前に良いものタダで飲ませてやるぜ」

「はぁっ……またどうせ、ろくなもんじゃねぇだろうそれ?というか、何だよその色のカクテルは?」

 ふざけたテンションで言い放つ、このバーのマスターであるエリックの、ガハガハと耳障りな笑い声に。

 アールデコ調のお洒落なバーカウンターの隅の席に、座って居る獣の耳のような独特な癖毛がある、黒髪蒼目の青年ヴィクトルは、鬱陶しそうに答えると……。

「嗚呼、そりゃ……これは『面白い事が起きるカクテル』だからな、そうだから、怪しいピンク色だぜ」

「面白い事が起きるカクテルだと……? 随分と、ふざけてるけど。どうせ、甘いだけだろう?」

 ヴィクトルはツンとした態度をしながら、エリックが用意したカクテルを、ごくりごくりと飲みほしてから。

「……やっぱ、めっちゃ甘ぇ……あと、なんかふわふわする感じだ。店に出すのは、やめた方がいい」

「辛辣だな、まあ……でも、時間が経ったらその評価、変わるかもよ? という事でセシュ! ヴィクトルと仲良く、お喋りしといてくれよな。俺は今からちょっと、仕込みをしないといけないからさ」

 エリックはそう言い捨てながら、二人を残して、一目散に逃げ出すように、この場から去って行くので……。

 そんな状況を、近くでずっと黙って見ていた、赤いボブカットヘアーに、黒縁メガネのおっとり系青年のセシュは、驚いた表情を見せて。

「えっ……ちょっと、エリック!! そんな自分勝手な事して……後でこっち来たら、文句言おうねヴィクトル」

「そうだな、全くあのおっさん……俺達を、何だと思ってんだよ!!」

「だね? でも、ちょうど良かったかな……実はさ、ぼく聞きたいことが、ずっと前からあってさ」

 セシュは辿々しく照れたように言いながらも、ヴィクトルの方ではなく。
 ここから離れて行ったエリックの方を、じっと、愛おしそうに見つめながら。

「その……ヴィクトルは、アレクセイさんと、どんなHしてるのかな?」と、悪気なんて一切ない声音と表情で、そう言い終わってから、ヴィクトルの方に振り向くので。

 そんなスケベな質問を、受けたヴィクトルは。

(──こいつ、恥ずかしいという感情すらないのか……)と、心の中で猛烈に舌打ちしながら。

 ──相手にはそんな思いなど、一ミリも悟らせないように……。

 友人に向けるような何気ない笑みを見せて、こう答える。

「おいおい、そんな話聞くなよな!! 別に……変なプレイなんか、してねぇぞ?」

「えっ……そうなの!? てっきり、アブでノーマルだけしかしてないのかなって、思ってたんだけど!!」

「なっ……そんなのしてねぇよ。まあ、首は絞めたり……吸血プレイとか……だしな、今のところは」

 ヴィクトルは少し照れたように、ボソリボソリと、そう小さく呟くので。

「いや、それ……アブでノーマルじゃん!! というか、そんな上位レベルのプレイしてるのなら、おもちゃで放置プレイとか、もう経験済み?」

「それはない、というか、おもちゃを使ったら……お前を後悔させてやるって、俺がアレクセイを脅してるから、多分これからも、一生ないよ」

「……そうなの? 意外すぎるね。てっきり、その……そういうの経験済みかなって、ぼく思ってたからさ。良さげなオモチャがあれば、教えて貰おうかなって、そう思って話かけてたから。なんか、ほんと意外だよ」と、セシュはヴィクトルのまさかの返答に、少し戸惑いを見せつつも。 気弱そうに、どこか愛想笑いのような笑みを浮かべて、静かにそう答えるので。

「……意外で悪かったな。というか、セシュ達はオモチャ使ったりするんだ? そっちのが意外……だってさ、この前マスターが言ってたけど。やる時は生だな、ゴム買う金もったいないし……とか、言ってたからさ」

「あっ……えっ……!? ちょっ……ヴィクトルやめてよね!! 流石にその話は恥ずかしすぎるから!! というか、マスターのバカ、ゴムなしエッチしてる事を、ペラペラ喋るなんて、破廉恥だよ」

「俺に『どんなエッチしてるの?』って、聞いてきたセシュも、だいぶ破廉恥だと思うけどな。ほんとな……たまたま今は、俺だけしか居ないから良かったけどさ。こういう話とかを、アレクセイの居るところでやったら、どうなってもしらねぇ……」と、ヴィクトルが言い終える前に。

 背後から低く、怒りのこもった声で……。

「そうだね、どうなっても知らないよね。僕の最推しにクソみたいな質問する奴なんか……どうなっても、良いよね?」と言い放つ、今最も来て欲しくない人物である……。

 金のような銀の髪を短くカットした、赤と紫という左右で瞳の色が違う、ミステリアスで、どこか恐ろしい雰囲気を持つアレクセイが、そこに居たので……。

 ヴィクトルは思わず額に、手を当てて。

(終わった、これはもうダメだ……。この後、めちゃくちゃお仕置きされるやつだ、朝まで寝かさないぞって、ヤツだ!! というか……なんでこうも、タイミング悪く来るんだよ!!)

 そう胸の中で叫ぶように言いながら、この後来るであろう事態を、脳裏で予想した瞬間……。

 むくりと、自身の屹立が、突如勃ち上がってしまい。
 ヴィクトルはあまりの恥ずかしさに、この場所から逃げ出そうとすれば……。

「何逃げようとしてるの? 逃げちゃダメだよ? それとも、僕に追いかけまわされたい? されたいんだね? それなら仕方がないな……。ほんと、仕方がないよね」と、ヴィクトルの反応に対して、まるでゲームを楽しむかのように、恍惚とした表情を見せて、アレクセイはそう答えるので。

「……おまっ……ちょっ……もう、その……な。そういう態度マジでやめろよな!! 気分悪くなるから、ちょっと吐いてくる」

 ヴィクトルはツンツンとした態度で、そんな悪態を吐きながら。
 バーのトイレへと、走って向かって行くと……。

 アレクセイは、そんな態度を自分に見せたヴィクトルに、はぁーと一回ため息を、大きく吐いてから。

 ──彼の後を追いかけるように、トイレへと向かえば。

 洋式トイレの扉の前で、どこか様子がおかしいヴィクトルが。

「……アレクセイ、あのさっきのは嘘だから。その……本当に嘘だから」と、吐息混じりでそう答えてくるので。

「わかってるよ、そんなのはね……。そんな事より、わざわざ僕を、ここに呼んでどうしたの? まさか、本当に気分が悪い?」

「それは違うっ……気分は、悪くはないけど、その……あの……ちんこ勃っちゃったから、えっと……その……」

「成る程ね、勃起しちゃったんだ……もう、ほんと可愛いな。そんな風に、顔真っ赤にして言ってさ、僕を萌え殺す気かな?」

 アレクセイは嬉しげに答えながら、ヴィクトルを洋式トイレの中にぎゅっと乱暴に押し込んで……。

 ──ガチリと、扉の鍵を絞めてから。


 ヴィクトルの黒のスラックスを、引きちぎる勢いで下におろしてから。
深緑色のボクサーパンツをズラして、血色のいい柔らかそうなお尻を感じるようにさわさわと撫でながら。
 細くて長い指先を、綺麗な色をしたお尻の蕾の中へと一本、二本、三本と言った感じに入れてから。

 クチュクチュと、ヴィクトルがどこを弄れば気持ちよくなるのかを全て把握した動きで、中をかき混ぜれば。

「ひゃあっ……やめっ……そこ、気持ちぃいいっ……良すぎるからっ……!!」

「あははは、そうだろうね。君が気持ちよくなる場所しか触ってないからさ」

「あぁぁああっ……ダメっ……そんな風にされたら、すぐイッちゃうっ……。アレクセイのデカマラじゃなくて、指でイッちゃうの嫌!!」

「……どこで、そんな言葉使い覚えてきたの? 君の口から下品な言葉が出るとびっくりするけど、興奮するよ。でも……今回は挿れてあげない、だってあのクソメガネに、僕達の愛の営みをペラペラ喋ったから、だから……してあげない」

「そんなっ……酷いっ……挿れてよ、俺の中をめちゃくちゃにしてよ、指なんかやだよ!!」
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