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晴れの日にこんにちは
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しおりを挟む窓を激しく叩く雨音が響く図書室で。
俺は変な汗をかきながら、あたりを静かに見渡すと、そこには。
あの時と同じように座って本を読んでいる由也がいて…。
俺は思わずこう言葉をかけた。
「どうして…ここに」
「…うん。君突然何?僕は今読書中なんだけど…」
「ええっ…ああごめん由也」
俺はそう言いながら、由也の目を見ながら話けると。
由也はとても驚いた顔をしながら、
「あっ!?…テメェなんで俺の名前知ってんだよ。もしかして昔どこかでしめた奴か?」と言い捨て、
俺の顔に指をかけながら、こう続けていった。
「うーん?どっかで見たような、見てないような…顔だな」
「なっ…俺がわかんねぇのかよ!! バカ!! 昨日俺を襲ったクセに!!」
「襲っただと!? それは性的な意味でか、まあ確かに俺の好みの顔してるしな…」
由也はそう言いながら、俺の頰をイヤラしく触り始めてきたので…。
俺はそれから、逃げるように。
首を横にふりながら。
こう、小さく呟いた。
「今度は俺がはじめましてこんにちはに、なるのか…」
こんにちははじめまして 終
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