悪夢の中で見るフシアワセな夢

面蛸とおる

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夢の中で見るシアワセな悪夢

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「ラーニャっ…大好きだから、キスして?」と甘えた子猫のような声を出して、ランゼルト様の紫色のネクタイをぎゅっと掴んで引っ張れば…。

「もちろん、姫に優しい口づけを贈るのが王子様の役目だからな」

ランゼルト様はそう優しく嬉しそうに呟いてから。

ーー今度はどこまでも甘くて、今にでも幸福的でシアワセな世界に飛んで行きそうな程のキスを私に贈るので。

私はふわふわとした甘い口づけに、唯々溺れるかのように。
彼の背に手を回して、私とは違ってしわ一つない白のカッター シャツを身にまとったランゼルト様に、少しだけヤキモチを焼きながら…。

どこまでも深くて、長くて、息すらも忘れてしまう程の口づけを味わいつつ、
頭の片隅で今日の職務は何があったのだろうかと思えば。

私に対して、とてつもなくよく見ているランゼルト様はそれにすぐ気付いて。
深く絡みあった舌を一気に引き剥がして、

「…他の事を考えれる程には、余裕がまだあるのか」と嫉妬を剥き出したような声音で、私にそう高圧的に言い放つので。

「ちょっ…そんなっ…余裕あるわけないですよ。だって、ほらっ…こんなに上手くっ…喋れないのに」

私は乱れた息で彼にそう告げながら、キスによる刺激で思うように動かない左手で彼の手を掴んで。

キスの快感で、今にでもどうにかなりそうな私の股間の方へそっとその手を導けば。

嫉妬を剥き出しにしていたランゼルト様も、とても機嫌が良くなったようで…。

「キスで、こんな風にしてくれたのか…。全く、可愛い奴め。本当に大好きだよ僕のアキツシマ」

「だってっ…ラーニャ、キスがお上手なんですもん。こんな風になってしまうぐらい…気持ちいいです」」

「気持ちいいのか…そうか、そうなんだね。なら最高に嬉しいよ、アキにそう思って貰えてっ…僕、本当に幸せだよ」

ランゼルト様はそう幸福的で幸せな瞬間を、心の底から嬉しく思う人物のように笑って答えるので。

「アキも、幸せですよ。こんな風に幸せすぎて良いのでしょうかと、そう思うぐらいに」

「おいおい、そんな縁起の悪い事を言うなアキツシマ。だが、気持ちはとてもよく分かるぞ…」

ランゼルト様は私の思いにそう答えてから、優しく私を布団の上に押し倒すので。

(ラーニャとエッチ、久しぶりのエッチ。今日はどんな風に愛されてしまうのでしょうか? 私的には中出しとか、喉の奥までいっぱいコースとか、そういう激しくて実感できるのが良いな…)と、

願望じみた呟きを、胸の中だけで小さく思いながら。
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