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挑戦の日々♥ありがとう
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アレクサンドラはこれ作ると、料理本を家のコックと会話する。
だがコックも今まで生暖かく見守っていた使用人達もそれを示してすぐに皆が慌てている。
これ作りたいと示したのは、材料を細切れにして、混ぜて、捏ねて、焼く。
そんな工程。
たったそれだけのことだが心配症の彼らは必死に説得を開始する。
やりたいのにとしょんぼりと落ち込むアレクサンドラ。
そんな姿にやるだけやりましょうと励まして、早速、材料を買いに出掛ける。
珍しく食材を購入するアレクサンドラに不思議そうにしながらもおまけをつけていく町の人たち。
アレクサンドラの笑顔の「ありがとう」を聞きたいがために。
そして始める料理。
コックはアレクサンドラが帰ってくるまでに人の料理の仕方の本を読んで、それを忠実に守ってアレクサンドラに教える。
「指は丸めましょうね」
頷きながら、野菜を適当な大きさに切る。
そして横では、コックがアレクサンドラに気づかぬよう細切れにする。
オニオンを切り刻んでいれば、涙が止まらない。
拭えば拭うほど涙がこぼれ落ちてゆく。
慌てて濡れタオルで拭われて、ようやく涙が落ち着いてくる。
二、三度繰り返してようやく良さげな大きさになる。
ひき肉となったお肉に、細切れのオニオン、コカトリスの卵、パンの粉を乳で浸した物を用意して混ぜる。
それを薄い丸形にして焼いていく。
いい音がするとふうと息をついた瞬間に、何故かアレクサンドラが熱いと手を離す。
どうやら竜人族のフライパンは持ち手も鉄でできている為火傷をしたらしい。
慌てて水で冷やして手当を始める。
その間に焼けていく肉。
焦げが付き始めて、慌ててコックの一人がひっくり返す。
いくつか作るが一番マトモなお肉ですら焦げが目立つ。
やっぱり向いていないのかと落ち込むアレクサンドラに、改めて、別の提案をする。
サンムーンは意気揚々と登城する。
部下はそのご機嫌な様子に、恐怖すら感じたと聞く。
そしてお昼にその理由が判明する。
愛する人からの愛妻弁当。
新品のお弁当箱に入った少々焦げ付いたハンバーグと目玉焼きやお野菜。
そして何らかのソース。
そして二つに切られたパンを別に取り出す。
それらを好みの量に挟んでサンムーンは口に運ぶ。
コックの苦肉の作。
全部パンに挟んでしまえばいい。
そう考えやんわりと提案。
アレクサンドラのお弁当を使いたいという提案も考えた結果。
事情を知らぬサンムーンは大喜びで口に運んでいく。
帰ってきたその日に喜びを示したという。
後日、別の使用人からその旨を告げられ、労いの言葉をかけていたのは此処だけの話。
その日からアレクサンドラは時々、コックの手伝いを、下働きの人間と行うようになったという。
サンムーンや養父母たちから人間用の調理器具のプレゼントが検討もされていると噂が流れたりもした。
上達までの道のりは遠くて近い。
だがコックも今まで生暖かく見守っていた使用人達もそれを示してすぐに皆が慌てている。
これ作りたいと示したのは、材料を細切れにして、混ぜて、捏ねて、焼く。
そんな工程。
たったそれだけのことだが心配症の彼らは必死に説得を開始する。
やりたいのにとしょんぼりと落ち込むアレクサンドラ。
そんな姿にやるだけやりましょうと励まして、早速、材料を買いに出掛ける。
珍しく食材を購入するアレクサンドラに不思議そうにしながらもおまけをつけていく町の人たち。
アレクサンドラの笑顔の「ありがとう」を聞きたいがために。
そして始める料理。
コックはアレクサンドラが帰ってくるまでに人の料理の仕方の本を読んで、それを忠実に守ってアレクサンドラに教える。
「指は丸めましょうね」
頷きながら、野菜を適当な大きさに切る。
そして横では、コックがアレクサンドラに気づかぬよう細切れにする。
オニオンを切り刻んでいれば、涙が止まらない。
拭えば拭うほど涙がこぼれ落ちてゆく。
慌てて濡れタオルで拭われて、ようやく涙が落ち着いてくる。
二、三度繰り返してようやく良さげな大きさになる。
ひき肉となったお肉に、細切れのオニオン、コカトリスの卵、パンの粉を乳で浸した物を用意して混ぜる。
それを薄い丸形にして焼いていく。
いい音がするとふうと息をついた瞬間に、何故かアレクサンドラが熱いと手を離す。
どうやら竜人族のフライパンは持ち手も鉄でできている為火傷をしたらしい。
慌てて水で冷やして手当を始める。
その間に焼けていく肉。
焦げが付き始めて、慌ててコックの一人がひっくり返す。
いくつか作るが一番マトモなお肉ですら焦げが目立つ。
やっぱり向いていないのかと落ち込むアレクサンドラに、改めて、別の提案をする。
サンムーンは意気揚々と登城する。
部下はそのご機嫌な様子に、恐怖すら感じたと聞く。
そしてお昼にその理由が判明する。
愛する人からの愛妻弁当。
新品のお弁当箱に入った少々焦げ付いたハンバーグと目玉焼きやお野菜。
そして何らかのソース。
そして二つに切られたパンを別に取り出す。
それらを好みの量に挟んでサンムーンは口に運ぶ。
コックの苦肉の作。
全部パンに挟んでしまえばいい。
そう考えやんわりと提案。
アレクサンドラのお弁当を使いたいという提案も考えた結果。
事情を知らぬサンムーンは大喜びで口に運んでいく。
帰ってきたその日に喜びを示したという。
後日、別の使用人からその旨を告げられ、労いの言葉をかけていたのは此処だけの話。
その日からアレクサンドラは時々、コックの手伝いを、下働きの人間と行うようになったという。
サンムーンや養父母たちから人間用の調理器具のプレゼントが検討もされていると噂が流れたりもした。
上達までの道のりは遠くて近い。
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