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新しい神
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縁側で寛ぐこらえ。
山神が気づいて隣に座る。
何時もならそこに幼子が来てポチと戯れる。
けれどもういない。
「寂しいですね」
「そうだな」
頬に口づけをする山神。
「そういえばなんでいっつも山神様は頬とかにキスをされるんですか?」
「そりゃあ止まらぬからな。触れるだけじゃあ」
なるほどとこらえは頷く。
「それに口を塞いだら可愛い声が消えなくなるではないか」
「そういう問題ではないと」
押し倒される。
何時もいきなりなのに、床にぶつかるわけでもない。
優しく腕の中に包まれる。
山神の顔だけが視界の中に収まる。
「こらえが己を呼ぶ声がとても甘くてな。病みつきなのだ。早々に塞ぐわけにはいかぬ」
「山神様、あのどうしていつも押し倒すのですか」
「うむ。あまりに誘惑すると逃げようとするからな。これならば逃げられず間近でこらえの顔がよく見える。隣か後ろにしかおらぬことが多いからな」
確かに照れくさくなって逃げ腰になったりはするが。
隣ですら緊張するのに、目の前に迫られたらその顔の良さに、気絶しそうになる。
「あの、恥ずかしいんですけど」
夜ならいざしれず今は明るい日差しの中で、山神の顔がよく見えてしまう。
「ではこらえは何故いつも前に立たぬのだ?」「両親には神に従うならそうしとけと」
「ほう?」
目を細めてくる姿に思わず口から溢れる。
「いや。だって、山神様がかっこよすぎて尊いんですよ」
顔を覆いながら告げる。
言ってしまったとしばらく無言だが、山神は驚いたように見つめてくる。
「己が、かっこいい?」
不審そうな山神に、こらえは何度も頷く。
「いや。しかし怪我もしておるだろう?どこがかっこいいんだ?」
「え、っと、そりゃあ、男らしいお声も、整った顔立ちも、その綺麗な瞳も、木々を思わせる彩り豊かな髪色も」
こらえが羞恥に顔を背ける。
「逞しい背中も、ほのかに香る木の香りも、キレイな整った指に、全部ですよ!怪我もそういう傷跡が男らしいと好きな人だっているでしょ!そういうことですよ」
もう、やだと逃げ出そうとする愛らしい嫁を抱きしめ直す。
むしろ逃さない。
「己の嫁が愛らしいとさらに思い直してしまう」
「山神様?うわっ」
流石に縁側で襲うわけにはいかないと担ぎ上げて部屋へと向かう。
だがどこからともなく雷の音にこらえが悲鳴を上げてしがみついてくる。
山神が気づいて隣に座る。
何時もならそこに幼子が来てポチと戯れる。
けれどもういない。
「寂しいですね」
「そうだな」
頬に口づけをする山神。
「そういえばなんでいっつも山神様は頬とかにキスをされるんですか?」
「そりゃあ止まらぬからな。触れるだけじゃあ」
なるほどとこらえは頷く。
「それに口を塞いだら可愛い声が消えなくなるではないか」
「そういう問題ではないと」
押し倒される。
何時もいきなりなのに、床にぶつかるわけでもない。
優しく腕の中に包まれる。
山神の顔だけが視界の中に収まる。
「こらえが己を呼ぶ声がとても甘くてな。病みつきなのだ。早々に塞ぐわけにはいかぬ」
「山神様、あのどうしていつも押し倒すのですか」
「うむ。あまりに誘惑すると逃げようとするからな。これならば逃げられず間近でこらえの顔がよく見える。隣か後ろにしかおらぬことが多いからな」
確かに照れくさくなって逃げ腰になったりはするが。
隣ですら緊張するのに、目の前に迫られたらその顔の良さに、気絶しそうになる。
「あの、恥ずかしいんですけど」
夜ならいざしれず今は明るい日差しの中で、山神の顔がよく見えてしまう。
「ではこらえは何故いつも前に立たぬのだ?」「両親には神に従うならそうしとけと」
「ほう?」
目を細めてくる姿に思わず口から溢れる。
「いや。だって、山神様がかっこよすぎて尊いんですよ」
顔を覆いながら告げる。
言ってしまったとしばらく無言だが、山神は驚いたように見つめてくる。
「己が、かっこいい?」
不審そうな山神に、こらえは何度も頷く。
「いや。しかし怪我もしておるだろう?どこがかっこいいんだ?」
「え、っと、そりゃあ、男らしいお声も、整った顔立ちも、その綺麗な瞳も、木々を思わせる彩り豊かな髪色も」
こらえが羞恥に顔を背ける。
「逞しい背中も、ほのかに香る木の香りも、キレイな整った指に、全部ですよ!怪我もそういう傷跡が男らしいと好きな人だっているでしょ!そういうことですよ」
もう、やだと逃げ出そうとする愛らしい嫁を抱きしめ直す。
むしろ逃さない。
「己の嫁が愛らしいとさらに思い直してしまう」
「山神様?うわっ」
流石に縁側で襲うわけにはいかないと担ぎ上げて部屋へと向かう。
だがどこからともなく雷の音にこらえが悲鳴を上げてしがみついてくる。
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