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中学
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タナカは家に向かって歩く。
「そういえば今日カラスなんか言いたそうだったな」
今度聞かなきゃと思いつつ次に会えるのは一週間後。
会うたびに面白いと思ってしまう。
後言動がちょいちょいこちらをからかってくるのでドキドキしてしまう。
「わかっててやってるんだろうなぁ」
しかもそれを悪くないと思ってしまうと言うことだってわかっている気がする。
家へと入れば従兄弟が飛びついてくる。
「アゲハ」
うるさいやつが来たと考える。
振り払って見れば、彼は嬉しそうに笑う。
「可愛い僕が来てあげたんだから地味な君はもっと喜んでいいんだよ?」
上目遣いを見て、気色悪いと思う。
いくら同性が好きとはいえ、タイプでない人間に、迫られ、罵られても嬉しくない。
こいつの場合はただ自分をちゃほやしてほしいだけ。
タナカを好きではないのだから質が悪い。
そう思うとちゃんとタナカを見てくれるカラスはいいやつだと思う。
何より好みにドストライクだし。
「前から思ってたんだけど地味地味うるさい」
背後からの声に驚いて振り返る。
買い物袋を持ったカラスに、驚いて見つめる。
私服姿のほうがかっこよく思える。
「カラス」
「君誰だよ」
「俺はタナカ君に用事があってね」
「どうした?」
袋からお菓子を渡す。
「食べたいって言ってたやつ見つけたからあげる」
「あ、ありがとう」
お菓子を受け取るのだが、そのために来てくれたのかと思うと照れくさい。
「な、なんだよ。君は。僕を無視するなぁ」
「俺は二週間前にも一度自己紹介したのに、どこかであったじゃなくて君誰?とか敵意たっぷりで礼儀なく言える人間と会話する理由はないと思っている」
それだけいうとタナカを見る。
「二丁目のスーパーにあったよ」
「あ、あそこか」
スーパーの名前を呟き、美味しかったら買ってこようときめる。
「し、失礼なのはどっちだよ。ねぇ。いっちー。そうだ。君、僕にもお菓子頂戴」
カラスは溜息を溢して冷ややかな瞳を向ける。
それはもう、拒絶というか、家畜より劣ると言わんばかりの瞳。
(あ。ちょっと癖になりそう)
「俺は普段お菓子食わないんだよ。この中も食材だけなんでね」
「食べない、のか?」
「お菓子を食べなくても生きていけるからね?」
それはそうだけどと悩む。
少し感性が違うが、その美しい肉体の維持はそこから来ているのかと納得。
「そんな人間いるわけ無いじゃん」
「お前も脳に言われるがまま食ってるとそのうち豚になって出荷されるぞ。じゃ。ま。タナカ君。また今度な」
そのまま帰っていく。
「じゃ、俺も宿題あるから」
茫然としているので今のうちとドアを閉めて、鍵も閉める。
早々に部屋へと篭もる。
開けてという恨み言は無視することにする。
あいつに関わると宿題が進まない。
ちなみにタナカ、帰宅後先に宿題をしないといけないと幼少期に叩き込まている。
そのためそのルーティンだけは外せないでいる。
「そういえば今日カラスなんか言いたそうだったな」
今度聞かなきゃと思いつつ次に会えるのは一週間後。
会うたびに面白いと思ってしまう。
後言動がちょいちょいこちらをからかってくるのでドキドキしてしまう。
「わかっててやってるんだろうなぁ」
しかもそれを悪くないと思ってしまうと言うことだってわかっている気がする。
家へと入れば従兄弟が飛びついてくる。
「アゲハ」
うるさいやつが来たと考える。
振り払って見れば、彼は嬉しそうに笑う。
「可愛い僕が来てあげたんだから地味な君はもっと喜んでいいんだよ?」
上目遣いを見て、気色悪いと思う。
いくら同性が好きとはいえ、タイプでない人間に、迫られ、罵られても嬉しくない。
こいつの場合はただ自分をちゃほやしてほしいだけ。
タナカを好きではないのだから質が悪い。
そう思うとちゃんとタナカを見てくれるカラスはいいやつだと思う。
何より好みにドストライクだし。
「前から思ってたんだけど地味地味うるさい」
背後からの声に驚いて振り返る。
買い物袋を持ったカラスに、驚いて見つめる。
私服姿のほうがかっこよく思える。
「カラス」
「君誰だよ」
「俺はタナカ君に用事があってね」
「どうした?」
袋からお菓子を渡す。
「食べたいって言ってたやつ見つけたからあげる」
「あ、ありがとう」
お菓子を受け取るのだが、そのために来てくれたのかと思うと照れくさい。
「な、なんだよ。君は。僕を無視するなぁ」
「俺は二週間前にも一度自己紹介したのに、どこかであったじゃなくて君誰?とか敵意たっぷりで礼儀なく言える人間と会話する理由はないと思っている」
それだけいうとタナカを見る。
「二丁目のスーパーにあったよ」
「あ、あそこか」
スーパーの名前を呟き、美味しかったら買ってこようときめる。
「し、失礼なのはどっちだよ。ねぇ。いっちー。そうだ。君、僕にもお菓子頂戴」
カラスは溜息を溢して冷ややかな瞳を向ける。
それはもう、拒絶というか、家畜より劣ると言わんばかりの瞳。
(あ。ちょっと癖になりそう)
「俺は普段お菓子食わないんだよ。この中も食材だけなんでね」
「食べない、のか?」
「お菓子を食べなくても生きていけるからね?」
それはそうだけどと悩む。
少し感性が違うが、その美しい肉体の維持はそこから来ているのかと納得。
「そんな人間いるわけ無いじゃん」
「お前も脳に言われるがまま食ってるとそのうち豚になって出荷されるぞ。じゃ。ま。タナカ君。また今度な」
そのまま帰っていく。
「じゃ、俺も宿題あるから」
茫然としているので今のうちとドアを閉めて、鍵も閉める。
早々に部屋へと篭もる。
開けてという恨み言は無視することにする。
あいつに関わると宿題が進まない。
ちなみにタナカ、帰宅後先に宿題をしないといけないと幼少期に叩き込まている。
そのためそのルーティンだけは外せないでいる。
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