幸福からくる世界

林 業

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精霊たち井戸端会議

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心臓核を属性石にして、ルーンティルに渡す。
「上手になったねぇ」
様々な属性石。
売り物として売っても問題ないと頷く。
「もう二年ですからね。弟子になって」
えっへんと胸を張る。
「じゃあ、次は、別のものに属性を付与させようか」
「別のもの?」
「そっ。えーっと」
戸棚から箱を取り出して、机の上に置く。
中には大中小関係ない貴金属が置かれている。
魔力は帯びていないので普通のどこにでもある金属。
「金属に魔力を流しながらこう、柔らかくなるように」
硬いはずの金属を揉みだし、数分もしないうちに、粘土のような柔らかさへと変化している。
「そして柔らかくなったら、今度はどんな形にするかイメージしながら、揉みこむ」
特別何かを作っているわけではなく、ただ捻っているだけなのに指輪へと形を変えていく。

そして魔力を通すのを止めると硬さが戻り、そしてそこに属性文字を刻んでいく。
「変わった」
「属性変化。属性金属というんだ。別に頼んだやつに刻んでもいいんだけどね。最初はこっちで金属の手応えを覚えたほうが遠回りに思うけど近道なんだ。刻んだ魔力石と魔力の動線にも出来るからね」
「へぇ」
早速と金属を受け取り魔力を流す。
だが一向に柔らかくならない。
「し、師父」
「金属の元々持っている魔力属性を見極めなきゃ。その魔力属性に合うように魔力を流すんだよ。感じなきゃわかりにくいけどね」
四苦八苦しながら首を捻る。
数時間も向き合っていれば僅かに反応を始める。

ぱあと顔を明るくしてこちらを見て褒めてほしそうである。
頑張れと応援しておく。

その間にと属性石を同じように練り上げて、様々な形へ変化させる。
「そっちのほうが楽そうです」
「やってみる?」
一つ受け取るがやはりこちらも、むしろ金属よりも反応がない。
「どうなってるんですか?」
「さぁ、頑張ろうか。これは感覚のお話だからね。一度掴んだら早いけど掴むまでが大変なんだよ」
満面の笑顔に、うーんと唸りながら金属へと持ち帰る。
一時間、金属を触り、一時間、属性石を触る。

その間に様々な金属や属性石を指輪から糸、鎖に、簡易のナイフ、ペン先に変化させていく。


その様子を見ながらひたすら金属と向き合う。


「これってどれぐらいでできるようになるんですか?」
「んー。人によると思うな。十年かかったって師匠は言ってたし、自分は金属だけなら半年ぐらいだったけど属性石はもっとかかったしね」
「えぇ」
「これを乗り切れば、基礎はほぼ終了なんだよ。まぁ、できない期間に回路とか、そっちもやっちゃうからのんびりでいいよ」
「はぁ」
頑張ろうとひたすら向き合う。


「あ、そうだ。明後日あたりで精霊の集会が行われるそうだから行くよね」

いきなりと思わず叫びそうになりつつも行くと返事する。


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