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レンがテストの結果表を持ってやってくる。
「おじさん。テスト」
保健室登校で受けたテスト。
その結果を受け取りに行き、保健室で時間を潰して帰ってきたらしい。
「見て」
「どうだった?」
晩御飯の準備をしつつ、ソウヘイが聞く。
「じゃじゃーん。一年の中で三十名以内に入ってます」
「おー。おめー」
「おじさん。約束」
頬を膨らませながら告げれば、お皿にご飯を盛り付けてから封筒を渡す。
「はいはい。どーぞ」
「なにこれ」
中を開けば、出てきたのは遊園地のチケット。
「遊園地だぁ」
「せっかくなんで少々奮発して、近くのビジネスホテルに泊まって二泊三日楽しもうじゃないか」
「お仕事大丈夫なの?」
「有給使って平日だけど三日ほど休み取れたから行くぞ。二週間後だな」
「学校、は今更かぁ。勉強いいの?」
「ま、遠足とか体育祭とかあったけどその日も勉強してたしな。その返上だと思えばいい」
「えへへ」
嬉しそうにチケットを眺めていれば回収される。
「無くすとまずいからまた当日にな」
「むー。あ、観音寺さんは?」
「あぁ。今の時期は問題ないらしいからな」
「そっか」
えへへと嬉しくなる。
声に玄関に走る。
「観音寺さん。見て」
テストの結果を示しに走る。
よやったと嬉しそうな声がするのを聞きながら、封筒を旅行用の鞄へと入れる。
(明日は一悶着あるんだけどなぁ)
そんなことを考えつつも、レンの嬉しそうな様子に早く席につくよう声をかける。
ぐっすりとレンが寝ているのを確認してからキョウヘイがソウへイの部屋に行く。
「ソウヘイ?」
「ん?」
ソウへイがノートパソコンを閉じて見てくる。
「明日、仕事休みなのか?」
「あぁ。ちょっと買い出しに行ってくるよ」
「俺も行く」
「キョウヘイは農作業あるだろう。今度の連休のために休めないんだろう」
「くっ」
悔しそうなキョウヘイ。
「じゃあ、どこにもよらずに帰ってこい」
「こらこら。嫉妬もほどほどにな」
「ちょっと混じり合いしたい」
「どっちにしたって昼間もレンいるからできないだろう。今だって必死に声抑えてんだしさ。まぁ、楽しいけど」
「くっ。レン君は悪くない。レン君は悪くない」
「はいはい」
「声を出させるほど上手なのが悪い」
「あっれぇー?俺褒められてんの。貶されてんの?」
キョウヘイはソウへイを押し倒す。
「じゃあ、今日はソウへイは大人しくしてろ。俺が全部やる」
「キョウヘイ。キョウヘイ」
「なんだ?」
「別にそれはそれで萌えるからいいけど。ちゃんと声殺せよ。先に満足するなよ」
「いいからやろう。明日の夕方まで足腰立たなくしてやる」
燃えるキョウヘイを呑気にガンバレーと応援しながら抱きしめるソウヘイ。
「おじさん。テスト」
保健室登校で受けたテスト。
その結果を受け取りに行き、保健室で時間を潰して帰ってきたらしい。
「見て」
「どうだった?」
晩御飯の準備をしつつ、ソウヘイが聞く。
「じゃじゃーん。一年の中で三十名以内に入ってます」
「おー。おめー」
「おじさん。約束」
頬を膨らませながら告げれば、お皿にご飯を盛り付けてから封筒を渡す。
「はいはい。どーぞ」
「なにこれ」
中を開けば、出てきたのは遊園地のチケット。
「遊園地だぁ」
「せっかくなんで少々奮発して、近くのビジネスホテルに泊まって二泊三日楽しもうじゃないか」
「お仕事大丈夫なの?」
「有給使って平日だけど三日ほど休み取れたから行くぞ。二週間後だな」
「学校、は今更かぁ。勉強いいの?」
「ま、遠足とか体育祭とかあったけどその日も勉強してたしな。その返上だと思えばいい」
「えへへ」
嬉しそうにチケットを眺めていれば回収される。
「無くすとまずいからまた当日にな」
「むー。あ、観音寺さんは?」
「あぁ。今の時期は問題ないらしいからな」
「そっか」
えへへと嬉しくなる。
声に玄関に走る。
「観音寺さん。見て」
テストの結果を示しに走る。
よやったと嬉しそうな声がするのを聞きながら、封筒を旅行用の鞄へと入れる。
(明日は一悶着あるんだけどなぁ)
そんなことを考えつつも、レンの嬉しそうな様子に早く席につくよう声をかける。
ぐっすりとレンが寝ているのを確認してからキョウヘイがソウへイの部屋に行く。
「ソウヘイ?」
「ん?」
ソウへイがノートパソコンを閉じて見てくる。
「明日、仕事休みなのか?」
「あぁ。ちょっと買い出しに行ってくるよ」
「俺も行く」
「キョウヘイは農作業あるだろう。今度の連休のために休めないんだろう」
「くっ」
悔しそうなキョウヘイ。
「じゃあ、どこにもよらずに帰ってこい」
「こらこら。嫉妬もほどほどにな」
「ちょっと混じり合いしたい」
「どっちにしたって昼間もレンいるからできないだろう。今だって必死に声抑えてんだしさ。まぁ、楽しいけど」
「くっ。レン君は悪くない。レン君は悪くない」
「はいはい」
「声を出させるほど上手なのが悪い」
「あっれぇー?俺褒められてんの。貶されてんの?」
キョウヘイはソウへイを押し倒す。
「じゃあ、今日はソウへイは大人しくしてろ。俺が全部やる」
「キョウヘイ。キョウヘイ」
「なんだ?」
「別にそれはそれで萌えるからいいけど。ちゃんと声殺せよ。先に満足するなよ」
「いいからやろう。明日の夕方まで足腰立たなくしてやる」
燃えるキョウヘイを呑気にガンバレーと応援しながら抱きしめるソウヘイ。
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