僕のおじさんは☓☓でした

林 業

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朝起きて、できていたご飯を口にする。
ソウスケは新聞を読みつつ欠伸を噛み殺しながら告げる。

「佐藤君御一行は山の中の、ちょっとした崖に滑って、蹲ってるところを発見された」
「あ。見つかったんだ。良かった」
「山に行って、落ちて、いつの間にか真っ暗で、暗闇で降りるのも登るものもできなくなってたなぁ」
ソウスケが告げて、そっかぁと頷く。
「ちゃんと言いつけ守って良い子だけどたまには反抗していいんだからな」
「うん。でもさすがに今回は命の危険を感じた。それにおじさん、危ないことを先に忠告してくれる」
「まぁな。お前一応預かってるって名目だからな。正直、男の子だから多少の怪我は許容してもらう」
「誰に?」
「親と親戚。擦り傷程度で文句言い出しそう」
「へぇ」
あんまり知らない人たちだったと葬式を思い出す。
「あぁ。そうだ。今度の休み買い出しに行くんだが行くか?」
「行きたい」
「ついでに、ほしいもの一つ買ってやる」
「服とか参考書?」
「服と参考書は必要なら買ってやるから、言ってこい。それでいいならいいけど玩具とか、漫画とか、好きな本とかでもいいぞ」
「でもなんで?」
「子供の命救ったんだ。おもちゃの一つぐらい安いだろ。たまには見返りがあったっていいと思うんだよな」
「うんっ」
「ただ、学校で言うなよ」
「なんで?」
「面倒だぞ。本人たちと同じクラスなら尚更な。バレたりしたら家の手伝いしたからって言っとけ」
「はーい」
「さ、仕事行くか」
「行ってらっしゃい。僕も行ってきます」
「気をつけて」
キョウヘイがぼそりと呟き、笑顔で手を降る。




欠伸を噛み殺しながら、家へと帰宅する。
(疲れたぁ。今日結局寝れねぇし。ご飯当番俺だったよなぁ。何作ろ)
のんびりと歩いてリビングへと入れば、すでにご飯ができている。
「おかえりなさい。おじさん」
「ただいま。どうした?」
「観音寺さんと作ってみた」
ちらりとキョウヘイを見れば、こちらを伺っている。
「そっか。ありがとうな。レン。それにキョウヘイ」
「たまにはいいだろう」
「そうかい」
苦笑しながら服を脱ぐ。

「おじさん。無理しないでね。僕も色々と手伝うからね」
「レンはまずは土地になれることだな」
「うん。でも、お手伝いしていいでしょう?」
「当然。断る理由がない」
即答して、レンは嬉しそうに笑う。


「さて、早速飯にするか。ところでレン。ほしいものは決まっているのか?」
「んー。どうしようかなって」
「とりあえず、総合店舗に行こうとは思っているけど、服とか、靴とか、ついでに散髪しとこうか」
「そんなに伸びてる?」
「そこまで気にならないけど次の休みまでには伸びるだろ」
「はーい」
「後は、なんかあるか。あぁ。ゲームソフトも見とくか?お前好きだろう」
「え、ソフトもいいの」
「んっ。ちゃんと勉強しろよ」
「うん。でもお金大丈夫?」
「あのな」
「僕高校生になったらバイトするね」
「言っとくけど、一応入学金とか、大学の費用とかはお前の両親がためてくれていたお金や学費用の保険があるから、それを俺が引き継いで継続しているから問題ない。俺もキョウヘイも働いてて少々の蓄えはあるからお前が心配しているほどうちは貧乏じゃない。早晩食えなくなるってほどじゃない」
そっかと頷く。
「ソウスケはホスト時代に稼いでいるから」
「なわけあるか」
即座に突っ込みつつ、お前は余計なことを言うなと黙らせる。
「ともかくだ。ソフトの一つぐらいなら問題ない」
「じゃあ、じゃあ、ほしいソフトあるんだけど」
身を乗り出せば、わかったわかったとご飯に集中させる。
「なぁ、キョウヘイ。このへんにバイトできるところあったか?」
「俺の畑。同業の畑。後は、んー。ん。あ、ソウスケのとこは」
「駄目駄目。昼の仕事しかないからな。できても夏休みぐらいだ。ま、後三年ほどで期待するか町中の寮の高校に通うかだな」
「やっぱ寮だよね」
「アパートでもいいけど、その場合はどうしても行きたい、やりたいと思った学校のみな。お前一人になっちまうし」
「はーい。っていうか付いては来ないんだ」
「流石に仕事がある」
「この近く畑ある」
キョウヘイが無理無理と拒否を示す。




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