僕のおじさんは☓☓でした

林 業

文字の大きさ
上 下
6 / 24

6

しおりを挟む
自転車を使って走る。
アスファルトのところもあれば、砂利や土の道もある。
(観光業って言ってたけどこんなところ観光になるのかな)

そんな失礼なことを考えつつ走る。

しばらく走っていれば、畑仕事中の観音寺を発見する。
しばらく観察していれば観音寺がこちらを見て、そして何か作業をすると袋に詰めて持ってくる。
「これ持って帰れ。後で飯に使う」
「あ、はい。わかりました」
しばらく無言で、居心地悪さを感じる。
「え、えっと。えーっと。今何育ててるんですか!」
「キャベツ。人参」
「み、見てていいですか?」
「駄目」
「そうですか」
しょんぼりと肩を落とす。

嫌われてるのかとその場を後にする。



ソウスケがキャベツをざく切りにしているのを眺める。
「おじさん。今日の晩御飯何?」
「焼きそば」
「ソースたっぷり?」
「おう」
手伝うと野菜を炒める。
「ねぇ。ソウスケおじさん。観音寺さんって僕のこと嫌い?」
「人見知り発動してるだけだろ」
「だって畑見てたらだめとか」
「作業見られて恥ずかしいだけだろ」
「キャベツ、渡されたのは?」
「実際はお前に食べてほしいのにすぐ食べれるものがなかったから持って帰ってもらっただけだろ」

「そう、かな」
「まだ出会って二、三日だ。そう簡単に大人と仲良くなれるなら人生、苦はない」
「そうかな」
「っていうかあいつと仲良くなりたいのか?」
「一応一緒に住んでるし。住まわせてもらってるし」
「それに関して、俺にも思ってほしいところだぞ」
「思ってるよ」
見上げれば、頭を撫でられる。
「まぁ。これだけは言えるぞ」
「何?」
「もう少し落ち着いたらあいつの本音聞ける機会作ってやるからそれまで頑張れ」
「何時?」
「最低でも一ヶ月は頑張れ」
「はーい。ところでおじさん」
「んー?」
「禁煙しないの?観音寺さん、禁煙してほしいんでしょ」
先程まで庭で吸っていたのがバレたらしい。
答えず無言で食事を作る。
「後でごめんなさいする」
「多分意味ない気がするよ」
小学生に言われては世話がないとしょんぼりと肩を落とす。

「ソウスケ。風呂上がった」
「服着てるよな」
声にソウスケがすかさず叫ぶ。
「いいだろ。男同士」
「レンがいるだろうが。教育の悪いことすな!」
わかった。と返事すると部屋へと向かう。
「僕の父さんもよくパンツ姿で出歩いてたけど?」
ソウスケはレンを見下ろして頭を撫で回す。

「それでもさすがにな」
「?」
レンにお皿を取ってもらい、盛り付ける。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

オメガなパパとぼくの話

キサラギムツキ
BL
タイトルのままオメガなパパと息子の日常話。

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

どうして、こうなった?

yoyo
BL
新社会として入社した会社の上司に嫌がらせをされて、久しぶりに会った友達の家で、おねしょしてしまう話です。

チョコのように蕩ける露出狂と5歳児

ミクリ21
BL
露出狂と5歳児の話。

年越しチン玉蕎麦!!

ミクリ21
BL
チン玉……もちろん、ナニのことです。

処理中です...