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当麻を送っていこうかと告げるタクマに大丈夫だと念押す。
むしろ、何かあるとすればタクマのほうだと思える。
とはいえ名残惜しい。
歩きながら思い出して、不審者情報をついでに調べようと鞄を持ち上げる。
携帯を鞄から取りながら角を曲がる。
「そこの人」
無視して携帯で連絡を送る。
「ま、まってっ」
コートを広げて、その裸体を示す。
「俺の体どう」
貧相なそれを蹴って潰す。
「ぐふんっ」
そのままそれを抑えて蹲る。
何か目覚めそうな姿にドン引き。
「親父。同じ男としてそれはどうなんだ?」
どこから見ていたのか蹲る男を哀れな目で見ている息子。
「知らん。それよりこれ。サツに引取ってもらえ」
「へぇへぇ。っていうか親父、スーツ似合わねぇなぁ」
部下を呼んで、男を引き取らせる。
道路にあった車に乗りつつ、告げる。
「ほっとけ。会合ぐらいだったからな。着るのは」
「でも最近スーツ着ること多くなりましたよね。親父」
運転手の部下は楽しそうに、息子が乗ったのを確認して車を出す。
「ソウマ。お前が来る必要なかったんだぞ」
「最近親父がコソコソしてるのが気になったんで。風俗って感じじゃないようだけど」
じっと見てくる息子に、恋人、それも男ができたとはそうそう言えない。
というか言ってギスギスするのも今後に影響してくる。
「若も大変っすね」
「せめてどこで何しているか言ってほしいけどな」
ナニをしているとは言いづらいので不審者情報、と携帯を見ればメールが届いている。
「またお待ちしております」
その言葉に慌てて返信を打つ。
(また行く)
短い文面に、もっと気が向いた言葉はないかと周囲を見回し、しかし諦めて送る。
「親父?話聞いているか?」
息子が睨んでくるので聞いているとだけ答える。
外を見てから、流れゆく景色を眺める。
(もう五年。まだ五年)
拭った涙を思い出して指を見る。
(まだ早かったか)
携帯を取り出して再び文を送る。
(明日は無理だが明後日行ってもいいか?)
「いつでもどうぞ」
優しい返事に笑みを必死に耐える。
「親父!聞いてんのか!」
叫び声に聞いていると耳を押さえる。
息子のお小言など聞き飽きているというのに。
「おめぇこそ、結婚しねぇのか?孫の顔ぐれぇ早く見せろ」
お小言が止むので今度からこれで攻めようと決める。
むしろ、何かあるとすればタクマのほうだと思える。
とはいえ名残惜しい。
歩きながら思い出して、不審者情報をついでに調べようと鞄を持ち上げる。
携帯を鞄から取りながら角を曲がる。
「そこの人」
無視して携帯で連絡を送る。
「ま、まってっ」
コートを広げて、その裸体を示す。
「俺の体どう」
貧相なそれを蹴って潰す。
「ぐふんっ」
そのままそれを抑えて蹲る。
何か目覚めそうな姿にドン引き。
「親父。同じ男としてそれはどうなんだ?」
どこから見ていたのか蹲る男を哀れな目で見ている息子。
「知らん。それよりこれ。サツに引取ってもらえ」
「へぇへぇ。っていうか親父、スーツ似合わねぇなぁ」
部下を呼んで、男を引き取らせる。
道路にあった車に乗りつつ、告げる。
「ほっとけ。会合ぐらいだったからな。着るのは」
「でも最近スーツ着ること多くなりましたよね。親父」
運転手の部下は楽しそうに、息子が乗ったのを確認して車を出す。
「ソウマ。お前が来る必要なかったんだぞ」
「最近親父がコソコソしてるのが気になったんで。風俗って感じじゃないようだけど」
じっと見てくる息子に、恋人、それも男ができたとはそうそう言えない。
というか言ってギスギスするのも今後に影響してくる。
「若も大変っすね」
「せめてどこで何しているか言ってほしいけどな」
ナニをしているとは言いづらいので不審者情報、と携帯を見ればメールが届いている。
「またお待ちしております」
その言葉に慌てて返信を打つ。
(また行く)
短い文面に、もっと気が向いた言葉はないかと周囲を見回し、しかし諦めて送る。
「親父?話聞いているか?」
息子が睨んでくるので聞いているとだけ答える。
外を見てから、流れゆく景色を眺める。
(もう五年。まだ五年)
拭った涙を思い出して指を見る。
(まだ早かったか)
携帯を取り出して再び文を送る。
(明日は無理だが明後日行ってもいいか?)
「いつでもどうぞ」
優しい返事に笑みを必死に耐える。
「親父!聞いてんのか!」
叫び声に聞いていると耳を押さえる。
息子のお小言など聞き飽きているというのに。
「おめぇこそ、結婚しねぇのか?孫の顔ぐれぇ早く見せろ」
お小言が止むので今度からこれで攻めようと決める。
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