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第四章
大人達の会議⑤
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|・ω・`)コッショリ…
中々更新できずに申し訳ありません…
とりあえず、生きてます…
────────────────────
〈父:フリッツィSide〉
「もしかしてカーラ嬢から頻繁に手紙が届く様になったのはそのせいなのかい?」
そう、カーラ嬢がウィルフリードに一目惚れをしたと思われるあの日から、頻繁に手紙や贈り物が届く様になった。
「えぇ。実はあの日の帰り、カーラは“運命の人に、出逢った”と。
その相手はウィルフリードくんで、お互いに好き合っているから結婚させて欲しいと…。
何というか、カーラは昔から思い込んだらソレ一筋で、なかなか融通が利かないのです。
もちろんウィルフリードくんの気持ちもありますし、カーラとウィルフリードくんは結婚できないとちゃんと説明しました。
しかし、カーラは諦めきれず、あの日から手紙や贈り物でアプローチを続けていました。
まぁ、返事はその内の10回に1回あればいい方だったのですがね」
うん…。ウィルフリードは毎日の様に届く手紙や、何かにつけて届く贈り物に辟易していたね。
あの外面がいいウィルフリードが顔をしかめる程だ。手紙の内容はさもありなん、“好きだ””結婚がしたい”などと書かれていたんだろうね。
「あまり手紙や贈り物を送りすぎても、相手の負担になるだけだと宥めたのですが効果はなくて…。
それどころか、子ども達の小さなお茶会を頻繁に開催、出席し、ウィルフリードくんの情報を集めていたり、“自分がウィルフリードくんの運命の相手で、将来は結婚する”と豪語していた様です。
まぁ、誰にも相手にされていなかった様ですがね」
アーデルハードが苦笑いしながら話す。
しかし、カーラ嬢はそんな事までしていたのか。
我が家はエルシーアが産まれた事もあり、ここ数年領地に籠っており、ウィルフリードをお茶会などに出席させていなかった。
まぁ、参加しろと言ったところで、エルが大好き過ぎて離れなかっただろうけど。
「カーラの様子が更にエスカレートし始めたのは1年程前からでしょうか?
最初はカーラから嗅ぎなれない香水が臭う様になりました。そして徐々に化粧が濃くなっていき、“自分達は想い合っているのに、結婚できないのは悲劇だ”と妄想が酷くなっていきました。
私はピアノの演奏会で頻繁に家を空けるため、使用人達に心当たりがないか聞いてみると、カーラはどうやらその頃から、とある占い師の元に頻繁に通っていた様なんです。
最初のきっかけは家で働いている下女の紹介だと、とてもよく当たる占い師なのだと使用人に話していたみたいです。
その下女から詳しく話を聞こうと思ったのですが、その肝心の下女がどこを探しても居らず、私自身も家令もそんな下女を雇った覚えが無かったのです」
「何それん…。完全にホラーねん…」
アーデルハードの話にドン引きするエミリー。
確かに、雇った覚えのない下女がいつの間にか居て、そして姿を消す。
貴族の屋敷にとって、それはとても恐ろしい事だ。
どんな情報を持ち出されるかわからないし、また逆に吹き込まれるかもしれない。
カーラ嬢の場合は後者だったのだろう。
今回、カーラ嬢は悪意を吹き込まれるだけで済んだが、最悪の場合、誘拐や殺害をされていた可能性もある。
「アーデルハード。これは失態だぞ。我が一族が下女なんぞに遅れを取り、あまつさえ自分の娘を危険に晒したのだ」
「わかっています、兄上。これは明らかな失態であると…。
ですが兄上、言い訳に過ぎないのですが、聞いていただきたいのです。
カーラから感じたあの嗅ぎなれない香水の臭いですが、アレは人の思考を鈍らせ、狂わせる作用があるのかも知れません。
何故なら、私もハンナも“運命だ”“一目惚れだ”と騒ぐカーラを徐々に疎ましく、嫌悪感を抱く様になっていったからです。
そして私達夫婦は、とうとう親として、人として、決してしてはならない選択をしたのです…」
「アーデルハード、あなた一体何を選択しようとしたの…?」
その選択を思い出したのか、顔を青白くさせるアーデルハードに、妻が戸惑いながら尋ねる。
「……命の選択です」
中々更新できずに申し訳ありません…
とりあえず、生きてます…
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〈父:フリッツィSide〉
「もしかしてカーラ嬢から頻繁に手紙が届く様になったのはそのせいなのかい?」
そう、カーラ嬢がウィルフリードに一目惚れをしたと思われるあの日から、頻繁に手紙や贈り物が届く様になった。
「えぇ。実はあの日の帰り、カーラは“運命の人に、出逢った”と。
その相手はウィルフリードくんで、お互いに好き合っているから結婚させて欲しいと…。
何というか、カーラは昔から思い込んだらソレ一筋で、なかなか融通が利かないのです。
もちろんウィルフリードくんの気持ちもありますし、カーラとウィルフリードくんは結婚できないとちゃんと説明しました。
しかし、カーラは諦めきれず、あの日から手紙や贈り物でアプローチを続けていました。
まぁ、返事はその内の10回に1回あればいい方だったのですがね」
うん…。ウィルフリードは毎日の様に届く手紙や、何かにつけて届く贈り物に辟易していたね。
あの外面がいいウィルフリードが顔をしかめる程だ。手紙の内容はさもありなん、“好きだ””結婚がしたい”などと書かれていたんだろうね。
「あまり手紙や贈り物を送りすぎても、相手の負担になるだけだと宥めたのですが効果はなくて…。
それどころか、子ども達の小さなお茶会を頻繁に開催、出席し、ウィルフリードくんの情報を集めていたり、“自分がウィルフリードくんの運命の相手で、将来は結婚する”と豪語していた様です。
まぁ、誰にも相手にされていなかった様ですがね」
アーデルハードが苦笑いしながら話す。
しかし、カーラ嬢はそんな事までしていたのか。
我が家はエルシーアが産まれた事もあり、ここ数年領地に籠っており、ウィルフリードをお茶会などに出席させていなかった。
まぁ、参加しろと言ったところで、エルが大好き過ぎて離れなかっただろうけど。
「カーラの様子が更にエスカレートし始めたのは1年程前からでしょうか?
最初はカーラから嗅ぎなれない香水が臭う様になりました。そして徐々に化粧が濃くなっていき、“自分達は想い合っているのに、結婚できないのは悲劇だ”と妄想が酷くなっていきました。
私はピアノの演奏会で頻繁に家を空けるため、使用人達に心当たりがないか聞いてみると、カーラはどうやらその頃から、とある占い師の元に頻繁に通っていた様なんです。
最初のきっかけは家で働いている下女の紹介だと、とてもよく当たる占い師なのだと使用人に話していたみたいです。
その下女から詳しく話を聞こうと思ったのですが、その肝心の下女がどこを探しても居らず、私自身も家令もそんな下女を雇った覚えが無かったのです」
「何それん…。完全にホラーねん…」
アーデルハードの話にドン引きするエミリー。
確かに、雇った覚えのない下女がいつの間にか居て、そして姿を消す。
貴族の屋敷にとって、それはとても恐ろしい事だ。
どんな情報を持ち出されるかわからないし、また逆に吹き込まれるかもしれない。
カーラ嬢の場合は後者だったのだろう。
今回、カーラ嬢は悪意を吹き込まれるだけで済んだが、最悪の場合、誘拐や殺害をされていた可能性もある。
「アーデルハード。これは失態だぞ。我が一族が下女なんぞに遅れを取り、あまつさえ自分の娘を危険に晒したのだ」
「わかっています、兄上。これは明らかな失態であると…。
ですが兄上、言い訳に過ぎないのですが、聞いていただきたいのです。
カーラから感じたあの嗅ぎなれない香水の臭いですが、アレは人の思考を鈍らせ、狂わせる作用があるのかも知れません。
何故なら、私もハンナも“運命だ”“一目惚れだ”と騒ぐカーラを徐々に疎ましく、嫌悪感を抱く様になっていったからです。
そして私達夫婦は、とうとう親として、人として、決してしてはならない選択をしたのです…」
「アーデルハード、あなた一体何を選択しようとしたの…?」
その選択を思い出したのか、顔を青白くさせるアーデルハードに、妻が戸惑いながら尋ねる。
「……命の選択です」
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