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第四章

大人達の会議②

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こんにちわ、あるいはこんばんわ。
(◉ɷ◉ )〈ぬこ〉です。
中々更新できずにおりますが、生存報告の意味も込めて、お話をUPさせていただいます。
よろしくお願いします。(*´ᵕ`ㅅ)

 ────────────────────



〈父:フリッツィSide〉



「ペルル殿、シロガネ殿。サロンに場所を移します。私が抱えて移動しても構いませんか?」

〔うん、お願い〕

【うむ。苦しゅうない】

「ふふっ、それでは失礼しますね」

ペルル殿とシロガネ殿を抱き上げ、落とさないように両腕で抱える。
抱きかかえた両腕にペルル殿とシロガネ殿の柔らかい毛が触れる。
いつだったかエルが“もふもふ最高ぉ~っ!!”っと興奮しながら嬉しそうにはしゃいでいたが、今ならその気持ちがわかる気がする。
ペルル殿とシロガネ殿の毛皮にそっと顔を埋める。ペルル殿からはほんのりジャスミンの香りが、シロガネ殿からは新緑の香りがする。
あぁ…、先程の騒動でささくれた心が癒やされてゆく。

〔ちょっと…、くすぐったいんだけど?〕

はっ!!

「申し訳ない。どうやら自分で思っている以上に疲れている様です」

私は苦笑いをしながらペルル殿とシロガネ殿に謝る。

「旦那様、サロンに着きましたら、気分が落ち着くハーブティーをご用意させていただきます」

「あぁ、ありがとう。ベアティ」

私はベアティにお礼を言うと、ペルル殿とシロガネ殿を連れてサロンへと向かった。




サロンに着き、ソファーに腰を落ち着ける。

「ふぅ…」

「では旦那様、わたくしは気分が落ち着くハーブティーを用意して参ります。
ペルル様とシロガネ様はいかがなさいますか?」

〔ボク、リンゴジュース〕

【我はミルクを所望する】

「かしこまりました。では少々お待ちください」

スッと一礼してサロンを出ていくベアティを見送る。

「ペルル殿、シロガネ殿。お願いしたい事と、お聞きしたい事があります。
ペルルの殿には申し訳ありませんが、遮音結界をお願いしてもいいでしょうか?」

〔どうせ内容はエル絡みなんでしょ?結界ぐらいいいよ。
『遮音結界発動』。はい、もういいよ。
で?お願いしたい事と聞きたい事って何?〕

「では、まずはお願いしたい事から。
この後、カーラ嬢についてアーデルハードと話し合いをします。
そうすると必ずエルの話になるでしょう。2歳にも満たない幼子が、あれだけの魔力を使ったのです。誤魔化しは効かないでしょう。ですので、アーデルハードにエルが愛し子である事を打ち明けたいのです。
また、ミラもエルが魔力を使う様子を見ています。今回タウンハウスに滞在するのは1週間だけですか、今後エルを確実に守り切るため、チャールズやミラ、アンヌルフ、リオニーにもエルの事を打ち明けたいのです。許可を頂けますか?」

〔どうする?シロガネ〕

【うむ。まずは其方の弟であるアーデルハードだが、真に信用できる者なのか?】

全てを見透かす様な黄金の瞳でこちらを見つめてくるシロガネ殿。
下手な誤魔化しは効かない。ここは私の思いを正直に話すべきだ。

「ペルル殿、シロガネ殿。今は姓こそ違いますが、アーデルハードも『王国の裏の番犬』であるヴァイマル家の一員です。
アーデルハードは普段はピアニストとして世界各地を回っております。しかしそれは表の仮の姿であって、裏の真の姿は諜報と暗殺を担当する番犬です。
諜報と暗殺を担うものが裏切れば、そこにあるのは“死”のみ。
アーデルハードが裏切り、エルの情報を表に出す事は無いでしょう。
もし、その様な素振りを見せれば私自らの手で始末します。
チャールズやミラ、アンヌルフ、リオニーも同じ理由です。
あの者達も番犬の一員。普段はタウンハウスを管理しながら、王国に仇をなす者を監視・管理しています。王国の裏の醜さ全てを知り尽くしている者達です。裏切ることはありません。私が保証いたします。
それでも信用できないのであれば、彼ら個人に制約をかけても構いません。制約については私が納得させます。
これでもエルが愛し子である事を打ち明ける事は叶いませんか?」




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