転生幼女の怠惰なため息

(◉ɷ◉ )〈ぬこ〉

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第四章

王都1日目⑥

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チャールズさんがピッチャーから全員分の紅茶を注いでくれる。
ガラスのピッチャーの中には輪切りになったオレンジがたくさんの入っているのが見える。
この香りからすると、今日はオレンジとアールグレイのアイスティかな??
注がれたアイスティをひと口飲むと、口の中にオレンジとアールグレイの爽やかな香りが広がる。
うん。美味しい。
お茶請けのラングドシャとも相性がピッタリだね。 




「旦那様、お茶を飲んで落ち着かれたところで、皆さまにこの者達を紹介させていただいてもよろしいでしょうか?」

「あぁ、よろしく頼む」

あっ。
運ばれてきたアイスティとラングドシャに夢中になって忘れていたけど、そういえばチャールズさんの後ろにメイドさんと従者さんが居たな。

「かしこまりました。ではまず、わたくしの隣に居りますのが、タウンハウスのメイド長を務めておりますミラにございます」

「ミラでございます。よろしくお願いいたします」

ミラさんがスカートを摘んでお辞儀をする。
ミラさんはホワイトブロンドの髪をサイドテールにし、目の色はアクアマリン。
年は20代後半って感じかな??

「続きまして、従者服を着ておりますのがアンヌルフ、メイド服を着ておりますのがリオニーでございます。
アンヌルフはお坊ちゃま方を、リオニーはルイーゼお嬢様のお世話を担当させていただきます


「アンヌルフです」
「リオニーです」
「「よろしくお願いいたします」」

アンヌルフとリオニーが揃ってお辞儀をする。
アンヌルフはサイドを刈り上げたショートカットのホワイトブロンドの髪に目の色はブルーグレー。
リオニーはブルーグレーの髪をツインテールにし、目の色はアクアマリン。
ふたりとも10代後半って感じかな??
でも何だろう??アンヌルフはチャールズさんに、リオニーはミラさんに似ているような気がする。

「アンヌルフとリオニーはわたくしとミラの息子と娘でございます。
ですので、気兼ねなくお使いください」

んんっ!?!?
チャールズさん、今、何とおっしゃいましたっ!?!?
どう見てもチャールズさんは50代後半だし、ミラさんは20代後半。
そんなふたりから10代後半の息子と娘はできませんけどぉ~~っ!!!!

「えっ…はんっもがっ!!!!」

「エルちゃん。あのねん、ミラはエルフなのよん。
だから変な想像はしちゃ、メッ!!
エルちゃんにはまだまだ早いわぁんっ!!」

わたしが全てを言い切る前に、隣に座って居たエミリーちゃんによって口を塞がれ、ミラさんが実はエルフだったと言う事の真相を知った。

「「「「「エル…」」」」」

家族のみんなは、口を塞がれているわたしを見て、やれやれといった風に首を振っている。
ぶぅ~っ…。確かにわたしが悪いけどぉ~っ…。

でもぉ おみみ ちゃんがる ないでも耳が尖ってないよ?

「ミラの耳はね、魔法隠してるのよん。
ミラ、エルちゃんに見せてあげてん?」

「かしこまりました」

ミラさんが両耳を手で包み込み、パッと離すと、そこにはエルフの象徴でもある、尖った耳があった。

「おぉぉぉ~っ!!」

わたしは思わずパチパチと拍手をしてしまう。

「エルちゃん、わかったかんらん?
ミラはね、あの見た目だけどん、見た目の50倍以上は年を取っているのよん。
騙されちゃダメよん?」

おぉぅ…。恐るべしエルフ…。
ん??
チャールズさんは人間で、ミラさんはエルフ。
ってことは、その息子と娘はハーフエルフ??
ちらりとアンヌルフとリオニーを見る。でも、耳の形はわたしと一緒。

えみりーちゃん ふちゃりは??エミリーちゃん、ふたりは??

エミリーちゃんの服をツンツンと摘みながら聞いてみる。
たぶん、ふたりはハーフエルフだと思うんだけど、違うのかな??

「すまない。ふたりとも、エルが興味を持ってしまったようだ。
エルに教えてやってくれないか?」

わたしとエミリーちゃんのやり取りを見ていたおとしゃまが、アンヌルフとリオニーに声をかけてくれる。

「「かしこまりました」」

アンヌルフとリオニーは、先程のミラさん同様、両耳を手で包み込み、パッと離す。
そこには尖った耳があった。

「エルシーアお嬢様のご推察どおり、私達わたくしたち兄妹はハーフエルフになります。
日頃は母も私達兄妹も、耳は魔法で隠して居るのです」

「にゃるほどぉ~っ!!」

アンヌルフがわたしの疑問に思っていた事を答えてくれる。

「ふふっ、エルシーアお嬢様は本当に、ただ純粋に興味がおありだっただけの様ですね」

「う? にゃあに??」

「いいえ、何でもございません」

くすくすっとリオニーが笑う。
わたし、何かしなかな??

「さて、お話も一段落ついた事ですし、皆さまを各お部屋へとご案内いたしましょう」

チャールズさんの掛け声で、家族とエミリーちゃんが立ち上がり、それぞれの部屋へと移動となった。


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