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第四章

王都1日目⑤

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チャールズさんの先導でタウンハウスのサロンに向う。
サロンに向う途中、バメイは“タウンハウスの調理場を確認したい”と、ひとり調理場に向かった。

案内されたサロンに入ると、そこは白と金を基調とし、天井にはクリスタルでできたシャンデリアがある、華やかなサロンだった。
天井近くまで設けられたガラス窓は多くの光で室内を明るく照らしている。
そのガラス窓からは、タウンハウスの庭が見渡せるようになっていた。
また、サロンに置かれた家具は淡いクリーム色のロココ調家具でまとめられている。
うん。タウンハウスのサロン、めっちゃ豪華。

まぁ、貴族は春から夏にかけて王都で社交するものだし、タウンハウスはそんな社交をするお客様をおもてなしする為の大事な場所でもあるしね。
これぐらいが当然というか、普通なのかな??

サロンに入ると、おとしゃまは上座の一人掛けソファーに座り、左側にお兄ちゃんズとお姉ちゃん、右側にはかぁしゃまとわたし、エミリーちゃんが座る。
因みにペルルはわたしの膝の上、シロガネはかぁしゃまの膝の上に居る。
家族全員とエミリーちゃんがソファーに座り、落ち着いたのを確認したチャールズさんは、お茶の準備とともに、わたし達に紹介する人を連れてくるとの事だった。

お茶の準備が整うまでの間、わたしはペルルのお腹辺りを中心にもふもふする。

〔きゅっ!!やめろっきゅ!!くすぐったいっきゅぅ~っ!!〕

ペルルが抵抗して、わたしの手の中でもごもご動く。
そんなペルルを無視して、ひたすらもふもふする。
実はわたし、ペルルのお腹をもふもふしながら現実逃避してます。
なぜなら…

《きゃ~っ!!えるだぁ~っ!!》
《みんなぁ、ほんもののえるだよぉ~っ》
《えるだ、えるだぁ~》
《わぁ~いっ!!ぺるるとしろがねさまもいるぅ~っ!!》
《もふもふぅ~っ》

はい。ご覧のとおり、王都に居る精霊さん達が集まり始めたからです。
いきなり集まり始めた精霊さんが気になるのか、エミリーちゃんの契約精霊、シュワーツちゃんが、エミリーちゃんの髪の毛の間から顔をひょっこり覗かせて居る。
ごめん。うるさいよね…。

《ねぇねぇ、あそぼぉ~っ!!》
《うんうん、いっしょにあそぼぉ~っ!!》

精霊さん達がぶんぶん飛び回り、中には髪の毛をぴんぴん引っ張ってくる子も居る。

[ごめんね。今日はみんなと遊べないの。
明日以降なら大丈夫だよ]

《えぇ~っ!!しょうがないなぁ~》
《あした、ぜったいにあそんでねぇ~》
《やくそくだよぉ~??》
《やくそく、やくそく》

[わかったわかった。
ところでさ、君達とは初めて会うけど、何でわたしの事知ってるの??]

《えぇ??いつもえるのそばにいる、かぜのこにきいたぁ~》
《ねぇ~っ、きいたんだよねぇ》
《うんうん。うわさ、うわさぁ~》

えっ!?噂って何!?
わたしの個人情報が精霊さんに流れてるだと!?
なにそれ…。こわっ!!

「あらあら、エルちゃん。さっきからお顔の表情がコロコロと変わるけど、どうかしたの??
もしかして、このたくさん集まってきてる精霊達と何か関係があるのかしら?」

ぬぬっ!?わたしってば、そんなに百面相をしていたのかな??
しかし、かぁしゃまってば鋭い。

[うん。王都に居る精霊さん達が、わたしの事を知ってたから“何で知ってるの?”って聞いたら、領地に居る風の精霊さんがわたしの噂をしてたみたい。それでビックリしちゃって]

「まぁ、そうだったの」

〔ちっ!!アイツら余計な事を…〕

[ペルル、どうしたの??]

〔何でもないっきゅ。気にするなっきゅ
(おい、シロガネ。後で話がある)〕

(あい、わかった)

[そうなの??だったらいいけど…]

まぁ、ペルルが何でもないって言うのだから大丈夫でしょう!!
わたしは気にする事なく、ペルルのお腹を再びもふもふするのです。

〔ききゅっ!!だから止めるっきゅぅ~っ!!〕

コンコンコン
「失礼します。旦那様、皆さまのお茶をお持ちしました」

「入ってくれ」

おとしゃまの言葉に、ベアティがサロンの扉を開ける。

「失礼いたします」
「「「失礼いたします」」」

扉が開くと、お茶を乗せたワゴンを押すチャールズさんが入ってくる。
その後ろには20代と思われるメイド服を着た女性と、10代後半と思われる従者とメイド服を着た男の子と女の子が入って来た。


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