転生幼女の怠惰なため息

(◉ɷ◉ )〈ぬこ〉

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第三章

サロンにて⑦

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[なるほどぉ~っ。じゃあ、ウィルにぃの側にいつも居る氷と水の精霊が“契約したい”って騒いでるけど───]

〔エぇルぅ~~~っ!!!!〕

「「「「えっ!?!?」」」」

〔こらエルっ!!何で喋っちゃうっきゅかっ!!〕

[───もがががっ…!!]

「エルよ…」

ペルルがわたしの口を両手で塞いで怒り、シロガネはあちゃ~っ…といった感じで頭を抱えた。

[もがっ!!だって…だって、うるさかったんだもんっ!!
目の前をブンブン飛び回られて、“契約したい”って騒がれてみてよ。嫌にやるからっ!!]

いや本当にマジで嫌になるから。
もうね、チラチラブンブン、目が回るっちゅーねんっ!!はぁっ…。

「精霊がうるさいって、エルちゃん…」

エミリーちゃんが困ったように「あらあらぁ…」と言う。

チラリとウィルにぃを見ると、顎に手を当て、何かを真剣に考えている。

〔ウィルフリード、今はお前の精霊契約を認めない。明日から王都なんだ。これ以上騒ぎを起こすな。
精霊、お前達も勝手に契約しようとするなよ。もし、そんな事をしたら消してやる〕

ウィルにぃと精霊への警告のためか、ペルルが低い声でグウグウと唸る。

「ウィルフリード、一生精霊契約を認めないと言う訳ではない。だからせめて王都から帰ってきて、落ち着いてからにするのだ」

シロガネがペルルの言葉をフォローする様に、ウィルにぃに話かける。

「わかっていますよ。ペルル、シロガネ。
僕にはその“契約をしたい”と言ってくれている精霊の姿を見ることも、声を聞くこともまだ出来ていません。
今回はたまたま精霊契約の話になったので、精霊達が便乗してエルにお願いしたのでしょう。
僕は焦っていませんし、王都から帰ってきたらゆっくりと考えますよ」

ウィルにぃが落ち着いた声で答える。

[ウィルにぃ、勝手な事言ってごめんなさい…]

「僕は大丈夫だよ。むしろ僕が精霊契約できるって教えてくれてありがとう。
あと、僕が精霊契約が出来る事、お父様が帰ってきたら伝えないとね。もちろんお母様にも」

わたしが期待させるような事を言ってしまったのに、ウィルにぃは大丈夫だよって言ってくれる。
流石は一番上のお兄ちゃんだ。心の広さが違う。わたしは心が狭いから、『報告』っていう言葉だけで、心臓がビックビクなのです…。
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