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第三章
サロンにて⑥
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〈父:フリッツィSide〉
「さて、話はまとまった事だし、各々、明日からのスケジュールは大丈夫だね?
私は陛下に謁見の先触れを出すために、一度王宮に戻るけど、君たちはどうする?」
私は先触れのために王宮に戻るが、妻や息子、娘達、そしてエミリーは夕食までの時間をどの様に過ごすかを確認する。
「わたくしは、明日からのスケジュールの最終確認を、執務室でセバスと行いますわ」
「ありがとう。よろしく頼むよ」
王都でのスケジュール調整は全て妻に任せっきりとなってしまっている。
しかし、セバスとであれば、任せてしまっても大丈夫だろう。
「あらぁんっ♡じゃあ、あたくしは夕食までの時間、子ども達を独占しようかしらんっ♪」
「うっ…」
「げっ…」
「お゛ぉ゛んっ!?」
ウィルフリードとバルドリックの拒否の反応に、エミリーがこめかみをピクピクさせている。
「そう。だったらウィルちゃんと、バルちゃんは部屋に戻りなさいな。
あたくしは、ルイーザちゃんとエルちゃんとの女の子同士で過ごすわんっ♪女子会よぉ~っ♡!!」
エミリーが、ウィルフリードとバルドリックに対して、シッシッとぞんざいに手を払う。
「「なっ…!?!?」」
「あらぁん??あたくしと一緒に過ごすのは嫌なのでしょう?無理しなくてもいいのよん??
ルイーザちゃん、あたくし、エルちゃんと一緒にルイーザちゃんのお部屋でおしゃべりしたい気分だわぁ~っん♡」
「「ぐぬっ…」」
にやにや笑うエミリーに、悔しがるウィルフリードとバルドリック。
これはふたりの負けだね。
「エミリー、うちの息子達をぞんざいに扱わないでおくれ。
それと、ウィルフリード、バルドリック。君達の負けだよ。エルと一緒に居たかったら、大人しくエミリーに従いなさい」
「「………わかりました。」」
うん。随分と溜めたね…。
うちの息子達は、本当にエミリーの事が苦手だよね。
「じゃあ、私は一度王宮に戻るよ。エミリー、子ども達を頼んだよ」
「わたくしも執務室に参りますわ。
わたくしは打ち合わせが終わり次第、サロンに戻るけど、よろしくお願いね、エミリー」
「はいはぁ~いっ☆任せなさいなんっ♪」
私は子ども達をエミリーに任せ、王宮へと向かった。
────────────────────
「エルちゃん、あたくしね、エルちゃんに紹介したい子が居るのよん」
おとしゃまとかぁしゃまがサロンを退室した後、エミリーちゃんがわたしに声をかけてきた。
[紹介??]
紹介したい子って誰だろう?これから家に来るのかな??
「あたくしのお友達よんっ♪エルちゃん、よく見ていてねんっ☆」
そう言うと、エミリーちゃんは、腰まである藤色の髪をふわりとかき上げる。すると、その長い髪の中から、黒く光り輝く精霊が出てきた。
[精霊さん??]
「ええ、そうよ。この子は闇の精霊。あたくしの契約精霊で、名前はシュワーツというの。仲良くしてあげてねんっ♪」
エミリーちゃんの契約精霊は女の子で、墨色の目と髪を持っている。全長は10cm程度だけど、人間で言うところの10歳位の姿をしている。
いつもわたしの周りを飛び回っている精霊は、全長2cm程度で、だいたい2~3歳位の姿だ。
[わたしの周りにいる精霊さんと姿が全然違う。エミリーちゃん、何で??]
「あぁ。それはね、この子は契約精霊で、契約精霊は契約主の魔力を糧に成長するからよ。
シュワーツもね、最初は3歳位の姿たったのよん」
エミリーちゃんは、自分の肩に座るシュワーツの頭を人差し指で優しく撫でている。
シュワーツも嬉しそうだ。
[エミリーちゃん、精霊契約はどうやったらできるの??]
「ん~っ。そうねぇ、まずは精霊に好かれないとダメねん。精霊が“この人だったら契約してもいいかな”って人を選ぶのよ。
そうすると、次は精霊側からアクションを起こすわ。具体的には姿が見える様になるとか、声が聞こえる様になるとかねん。で、選ばれた側の人が精霊に唯一の名前を与え、契約完了ね」
[なるほどぉ~っ。じゃあ、ウィルにぃの側にいつも居る氷と水の精霊が“契約したい”って騒いでるけど───]
〔エぇルぅ~~~っ!!!!〕
「さて、話はまとまった事だし、各々、明日からのスケジュールは大丈夫だね?
私は陛下に謁見の先触れを出すために、一度王宮に戻るけど、君たちはどうする?」
私は先触れのために王宮に戻るが、妻や息子、娘達、そしてエミリーは夕食までの時間をどの様に過ごすかを確認する。
「わたくしは、明日からのスケジュールの最終確認を、執務室でセバスと行いますわ」
「ありがとう。よろしく頼むよ」
王都でのスケジュール調整は全て妻に任せっきりとなってしまっている。
しかし、セバスとであれば、任せてしまっても大丈夫だろう。
「あらぁんっ♡じゃあ、あたくしは夕食までの時間、子ども達を独占しようかしらんっ♪」
「うっ…」
「げっ…」
「お゛ぉ゛んっ!?」
ウィルフリードとバルドリックの拒否の反応に、エミリーがこめかみをピクピクさせている。
「そう。だったらウィルちゃんと、バルちゃんは部屋に戻りなさいな。
あたくしは、ルイーザちゃんとエルちゃんとの女の子同士で過ごすわんっ♪女子会よぉ~っ♡!!」
エミリーが、ウィルフリードとバルドリックに対して、シッシッとぞんざいに手を払う。
「「なっ…!?!?」」
「あらぁん??あたくしと一緒に過ごすのは嫌なのでしょう?無理しなくてもいいのよん??
ルイーザちゃん、あたくし、エルちゃんと一緒にルイーザちゃんのお部屋でおしゃべりしたい気分だわぁ~っん♡」
「「ぐぬっ…」」
にやにや笑うエミリーに、悔しがるウィルフリードとバルドリック。
これはふたりの負けだね。
「エミリー、うちの息子達をぞんざいに扱わないでおくれ。
それと、ウィルフリード、バルドリック。君達の負けだよ。エルと一緒に居たかったら、大人しくエミリーに従いなさい」
「「………わかりました。」」
うん。随分と溜めたね…。
うちの息子達は、本当にエミリーの事が苦手だよね。
「じゃあ、私は一度王宮に戻るよ。エミリー、子ども達を頼んだよ」
「わたくしも執務室に参りますわ。
わたくしは打ち合わせが終わり次第、サロンに戻るけど、よろしくお願いね、エミリー」
「はいはぁ~いっ☆任せなさいなんっ♪」
私は子ども達をエミリーに任せ、王宮へと向かった。
────────────────────
「エルちゃん、あたくしね、エルちゃんに紹介したい子が居るのよん」
おとしゃまとかぁしゃまがサロンを退室した後、エミリーちゃんがわたしに声をかけてきた。
[紹介??]
紹介したい子って誰だろう?これから家に来るのかな??
「あたくしのお友達よんっ♪エルちゃん、よく見ていてねんっ☆」
そう言うと、エミリーちゃんは、腰まである藤色の髪をふわりとかき上げる。すると、その長い髪の中から、黒く光り輝く精霊が出てきた。
[精霊さん??]
「ええ、そうよ。この子は闇の精霊。あたくしの契約精霊で、名前はシュワーツというの。仲良くしてあげてねんっ♪」
エミリーちゃんの契約精霊は女の子で、墨色の目と髪を持っている。全長は10cm程度だけど、人間で言うところの10歳位の姿をしている。
いつもわたしの周りを飛び回っている精霊は、全長2cm程度で、だいたい2~3歳位の姿だ。
[わたしの周りにいる精霊さんと姿が全然違う。エミリーちゃん、何で??]
「あぁ。それはね、この子は契約精霊で、契約精霊は契約主の魔力を糧に成長するからよ。
シュワーツもね、最初は3歳位の姿たったのよん」
エミリーちゃんは、自分の肩に座るシュワーツの頭を人差し指で優しく撫でている。
シュワーツも嬉しそうだ。
[エミリーちゃん、精霊契約はどうやったらできるの??]
「ん~っ。そうねぇ、まずは精霊に好かれないとダメねん。精霊が“この人だったら契約してもいいかな”って人を選ぶのよ。
そうすると、次は精霊側からアクションを起こすわ。具体的には姿が見える様になるとか、声が聞こえる様になるとかねん。で、選ばれた側の人が精霊に唯一の名前を与え、契約完了ね」
[なるほどぉ~っ。じゃあ、ウィルにぃの側にいつも居る氷と水の精霊が“契約したい”って騒いでるけど───]
〔エぇルぅ~~~っ!!!!〕
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