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第三章
裏庭で⑧
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〔エル、何をしたっきゅか?〕
[ペルル、なんのこと?]
何もわからない振りをしてとぼけてみる。
〔とぼけるなっきゅ。さっきの梅干しの種の事に決まってるっきゅ!!〕
ちぇっ。やっぱりかぁ…。でも、わたしも原因は知らないんだよねぇ~。
[そんな事言われても、わたしもわからないんだよ?
ただ、インベントリの中にあった梅干しを食べさせただけだし、食べただけだもん]
そう。わたしは本当にインベントリの中に収納されていた梅干しを出しただけ。
〔じゃあ、梅干しに原因があるっきゅか?〕
ペルルが両腕を組み、首を傾げて聞いてくる。
[それはないと思うよ?]
〔…一応鑑定するから出すっきゅ〕
[まぁ、いいけど…。ちょっと待ってね]
ペルルは信じていないのか、鑑定をすると言う。
わたしはインベントリの中から、梅干しが入っている壺を取り出す。
[はい。この梅干しだよ?]
〔エル、鑑定をするっきゅ〕
[ほんとうに何もないと思うけどなぁ~。
まぁ、いいや。鑑定]
ブオンッ
────────────────────
〈大婆様印の梅干し〉
南高梅を使い、大婆様の製法で漬けた梅干し。
食べた後の種を植えれば、最高級の南高梅が。
これであなたもLet's梅干し生活!!
【疲労回復・血行促進・カルシウム吸収率UP・食欲増進・整腸作用】
────────────────────
ガクぅ…っ
わたしは梅干しの鑑定結果に思わず崩れ落ちる。
いやいや、Let's梅干し生活って!!
〔ほら、やっぱりっきゅ〕
ペルルが“それみたことか”と言わんばかりに言う。
[だって…だって知らなかったんだもんっ!!
だって梅干しだよっ!?そんな効果があるとは思わないじゃんかぁ~っ!!]
そうだよ。なんで大婆様の梅干しにそんな効果があるのさっ!!絶対にインベントリというか、エアネスト様が絡んでるはずっ!!
「まあまぁ、エルもペルルも落ち着け。過ぎてしまった事はどうする事もできん。
エルを止められなかった、我らにも多少の落ち度はあろう。本当にほんの多少だがな。
エル、今後インベントリの中身を使う時は事前に鑑定をしなさい。
今回は裏庭とはいえ、ヴァイマル家内で起きた事だからよかったものの、これと同じ様な事が家の外、特に王都で起こるのはマズい。
気をつけるのだぞ」
[うにゅ~っ…。わかった。今度からは気をつける]
「うむ。わかればよろしい。ペルルもそれでよいな?」
〔エルにインベントリの中身を使うなって言うのは難しいだろうから、それでいいっきゅよ〕
ペルルは渋々っといった形で了承をする。
項垂れるわたしに、シロガネが前足でぽむぽむと頭を撫でてくれた。
「では後は精霊樹の葉っぱだけだな。
エル、精霊樹は生きておる。葉っぱが欲しければ頼んでみるがよい」
[えっ!?そうなの!?]
確かに植物だって意識があって、クラシックとかを聴かせると綺麗な花が咲くとかは聞いたことあるけど。
そっかぁ。本当に生きてるんだね。
「試してみるがよい」
精霊樹にお願いか。
わたしは大樹となった精霊樹に抱きつく。
誰かが生きている木に抱きつくと、水を吸い上げる音が聞こえるっていってたな。
わたしは抱きつきながら目を閉じ、耳を澄ます。
こぽっ こぽっ こぽぽっ
確かに精霊樹が水を吸い上げる音が聞こえる。
この精霊樹は生きているんだね。
[精霊樹さん、精霊樹さん。
あのね、わたしの大切な人たちを護るために、お薬を造りたいの。そのためには精霊樹さんの葉っぱが必要なの。
お願いします。わたしに精霊樹さんの葉っぱを分けてくれませんか?]
わたしが精霊樹にお願いをすると、サワサワサワッと精霊樹の葉が揺れる音がする。
その音に目を開け見上げると、精霊樹さんが葉っぱを降らせてくれている。
[…いいの?]
わたしが精霊樹さんに尋ねると、ほんのり木の幹が温かくなったのを感じた。
[精霊樹さん、ありがとうっ!!]
わたしが精霊樹にお礼を言うと、まるで“どういたしまして”と言わんばかりに、葉っぱがサワサワと揺れた。
[ペルル、なんのこと?]
何もわからない振りをしてとぼけてみる。
〔とぼけるなっきゅ。さっきの梅干しの種の事に決まってるっきゅ!!〕
ちぇっ。やっぱりかぁ…。でも、わたしも原因は知らないんだよねぇ~。
[そんな事言われても、わたしもわからないんだよ?
ただ、インベントリの中にあった梅干しを食べさせただけだし、食べただけだもん]
そう。わたしは本当にインベントリの中に収納されていた梅干しを出しただけ。
〔じゃあ、梅干しに原因があるっきゅか?〕
ペルルが両腕を組み、首を傾げて聞いてくる。
[それはないと思うよ?]
〔…一応鑑定するから出すっきゅ〕
[まぁ、いいけど…。ちょっと待ってね]
ペルルは信じていないのか、鑑定をすると言う。
わたしはインベントリの中から、梅干しが入っている壺を取り出す。
[はい。この梅干しだよ?]
〔エル、鑑定をするっきゅ〕
[ほんとうに何もないと思うけどなぁ~。
まぁ、いいや。鑑定]
ブオンッ
────────────────────
〈大婆様印の梅干し〉
南高梅を使い、大婆様の製法で漬けた梅干し。
食べた後の種を植えれば、最高級の南高梅が。
これであなたもLet's梅干し生活!!
【疲労回復・血行促進・カルシウム吸収率UP・食欲増進・整腸作用】
────────────────────
ガクぅ…っ
わたしは梅干しの鑑定結果に思わず崩れ落ちる。
いやいや、Let's梅干し生活って!!
〔ほら、やっぱりっきゅ〕
ペルルが“それみたことか”と言わんばかりに言う。
[だって…だって知らなかったんだもんっ!!
だって梅干しだよっ!?そんな効果があるとは思わないじゃんかぁ~っ!!]
そうだよ。なんで大婆様の梅干しにそんな効果があるのさっ!!絶対にインベントリというか、エアネスト様が絡んでるはずっ!!
「まあまぁ、エルもペルルも落ち着け。過ぎてしまった事はどうする事もできん。
エルを止められなかった、我らにも多少の落ち度はあろう。本当にほんの多少だがな。
エル、今後インベントリの中身を使う時は事前に鑑定をしなさい。
今回は裏庭とはいえ、ヴァイマル家内で起きた事だからよかったものの、これと同じ様な事が家の外、特に王都で起こるのはマズい。
気をつけるのだぞ」
[うにゅ~っ…。わかった。今度からは気をつける]
「うむ。わかればよろしい。ペルルもそれでよいな?」
〔エルにインベントリの中身を使うなって言うのは難しいだろうから、それでいいっきゅよ〕
ペルルは渋々っといった形で了承をする。
項垂れるわたしに、シロガネが前足でぽむぽむと頭を撫でてくれた。
「では後は精霊樹の葉っぱだけだな。
エル、精霊樹は生きておる。葉っぱが欲しければ頼んでみるがよい」
[えっ!?そうなの!?]
確かに植物だって意識があって、クラシックとかを聴かせると綺麗な花が咲くとかは聞いたことあるけど。
そっかぁ。本当に生きてるんだね。
「試してみるがよい」
精霊樹にお願いか。
わたしは大樹となった精霊樹に抱きつく。
誰かが生きている木に抱きつくと、水を吸い上げる音が聞こえるっていってたな。
わたしは抱きつきながら目を閉じ、耳を澄ます。
こぽっ こぽっ こぽぽっ
確かに精霊樹が水を吸い上げる音が聞こえる。
この精霊樹は生きているんだね。
[精霊樹さん、精霊樹さん。
あのね、わたしの大切な人たちを護るために、お薬を造りたいの。そのためには精霊樹さんの葉っぱが必要なの。
お願いします。わたしに精霊樹さんの葉っぱを分けてくれませんか?]
わたしが精霊樹にお願いをすると、サワサワサワッと精霊樹の葉が揺れる音がする。
その音に目を開け見上げると、精霊樹さんが葉っぱを降らせてくれている。
[…いいの?]
わたしが精霊樹さんに尋ねると、ほんのり木の幹が温かくなったのを感じた。
[精霊樹さん、ありがとうっ!!]
わたしが精霊樹にお礼を言うと、まるで“どういたしまして”と言わんばかりに、葉っぱがサワサワと揺れた。
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